つい先月、髙田郁さんの「みをつくし料理帖」を読み終わったばかりでさっそく別の作品を読むことに。調べてみるとこちらのほうが「みをつくし料理帖」よりも先に出版されてるんですね。
舞台は江戸時代の大坂。寒天問屋「井川屋」の主、和助は、茶屋で茶を飲み羊羹を食べていると、目の前で侍の決闘がはじまります。会話を聞けば仇討ちの様子、親子連れの方が仇で、父親が斬られてしまいます。ところが若い侍がとどめを刺そうとする間に息子が立ちはだかります。そこに和助が「そこらへんで堪忍したっておくんなはれ」と割って入ります。
勢いを削がれた若い侍。すると和助、ふところから袋を出し「これに銀二貫おます」といい、これでこの仇討ちを買う、というのです。
銀二貫。現在の価値でいうと二千万から三千万円といったところでしょうか。そもそもこの大金は、大火で焼けてしまった大坂天満宮の再建のために寄進しようとしたもの。
店に戻った和助は、番頭の善次郎から呆れられます。天満宮の寄進の銀をあろうことか侍の子を助けるためにポイと渡してしまうとは・・・。この少年を、当面は丁稚として使うと決め、まずは京にある寒天を作っている店で修業することに。
海藻を煮るときの匂いにはじめはゲーゲー吐いていたものの、そのうちたくましくなり、井川屋に戻って来ることに。名前もそれまでの武士の名前から丁稚らしく「松吉」に。
しかし番頭の善次郎はまだ和助が天満宮の寄進の銀をこの小僧を助けるためにくれてやったことを許していません。
これからは商人として生きていく、そう決めた松吉は、商人にとって大事なことは、店とは、商売とは、といったことを教わります。
ある日のこと、得意先から「井川屋さんは卸す先によって寒天を分けてる」という言いがかりが。しかしこれ、よくよく調べてみると、大坂の有名料理店が勝手に産地を偽って客に提供していただけだということが判明します。
これがきっかけで、有名料理店をクビになった嘉平という料理人とその娘の真帆と親しくなります。
嘉平は「真帆家」という料理屋をオープンさせます。このお店で出される井川屋の寒天を使った一品が評判となりますが、嘉平はそれに満足することなく新メニューを考えます。それは、潰した里芋を寒天で固められないか、というもの。ですが寒天は汁などの液状のものを固めるには最適なのですが、固体はダメ。松吉もいろいろ考えはするのですが、良いアドバイスはできず。
ところが、大坂で大火事が。しかも「真帆家」の方角が激しく燃えている様子。翌朝、松吉は「真帆家」のあった場所に行って見ると店は全焼、そして二人の行方もわかりません。
それからしばらくのち、嘉平の娘の真帆によく似た人を見かけるのですが、顔の半分が火傷で見られない状態。松吉が「お嬢さん、私です、松吉です」と呼び止めても「知らん」と・・・。
松吉は、嘉平の作りたかった液状ではない食材を固める寒天を作るため、冬は作業場に行くことに。しかしなかなか思うようにいきません。はたして理想の寒天はできるのか。そして火傷を負った真帆は・・・
冒頭に和助が食べていたものが物語の核になっていたとは、読み終わって「ほほう」と思わずうなってしまいました。
読んで良かった。そう心から思える作品です。
ちなみに大坂と京を結ぶ、浪曲「森の石松」でお馴染みの三十国船も出てきます。松吉はさすがに酒を角樽で買って名物の押し寿司を・・・なんてことはしませんが。
舞台は江戸時代の大坂。寒天問屋「井川屋」の主、和助は、茶屋で茶を飲み羊羹を食べていると、目の前で侍の決闘がはじまります。会話を聞けば仇討ちの様子、親子連れの方が仇で、父親が斬られてしまいます。ところが若い侍がとどめを刺そうとする間に息子が立ちはだかります。そこに和助が「そこらへんで堪忍したっておくんなはれ」と割って入ります。
勢いを削がれた若い侍。すると和助、ふところから袋を出し「これに銀二貫おます」といい、これでこの仇討ちを買う、というのです。
銀二貫。現在の価値でいうと二千万から三千万円といったところでしょうか。そもそもこの大金は、大火で焼けてしまった大坂天満宮の再建のために寄進しようとしたもの。
店に戻った和助は、番頭の善次郎から呆れられます。天満宮の寄進の銀をあろうことか侍の子を助けるためにポイと渡してしまうとは・・・。この少年を、当面は丁稚として使うと決め、まずは京にある寒天を作っている店で修業することに。
海藻を煮るときの匂いにはじめはゲーゲー吐いていたものの、そのうちたくましくなり、井川屋に戻って来ることに。名前もそれまでの武士の名前から丁稚らしく「松吉」に。
しかし番頭の善次郎はまだ和助が天満宮の寄進の銀をこの小僧を助けるためにくれてやったことを許していません。
これからは商人として生きていく、そう決めた松吉は、商人にとって大事なことは、店とは、商売とは、といったことを教わります。
ある日のこと、得意先から「井川屋さんは卸す先によって寒天を分けてる」という言いがかりが。しかしこれ、よくよく調べてみると、大坂の有名料理店が勝手に産地を偽って客に提供していただけだということが判明します。
これがきっかけで、有名料理店をクビになった嘉平という料理人とその娘の真帆と親しくなります。
嘉平は「真帆家」という料理屋をオープンさせます。このお店で出される井川屋の寒天を使った一品が評判となりますが、嘉平はそれに満足することなく新メニューを考えます。それは、潰した里芋を寒天で固められないか、というもの。ですが寒天は汁などの液状のものを固めるには最適なのですが、固体はダメ。松吉もいろいろ考えはするのですが、良いアドバイスはできず。
ところが、大坂で大火事が。しかも「真帆家」の方角が激しく燃えている様子。翌朝、松吉は「真帆家」のあった場所に行って見ると店は全焼、そして二人の行方もわかりません。
それからしばらくのち、嘉平の娘の真帆によく似た人を見かけるのですが、顔の半分が火傷で見られない状態。松吉が「お嬢さん、私です、松吉です」と呼び止めても「知らん」と・・・。
松吉は、嘉平の作りたかった液状ではない食材を固める寒天を作るため、冬は作業場に行くことに。しかしなかなか思うようにいきません。はたして理想の寒天はできるのか。そして火傷を負った真帆は・・・
冒頭に和助が食べていたものが物語の核になっていたとは、読み終わって「ほほう」と思わずうなってしまいました。
読んで良かった。そう心から思える作品です。
ちなみに大坂と京を結ぶ、浪曲「森の石松」でお馴染みの三十国船も出てきます。松吉はさすがに酒を角樽で買って名物の押し寿司を・・・なんてことはしませんが。