晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ケイト・モートン 『湖畔荘』

2024-07-14 | 海外作家 マ
先月の投稿が一冊だけで、あんまり本を読めてません。それに加えて関東南部ではまだ梅雨も終わってないというのに暑苦しい日が続いてくたばっております。「梅雨寒」とか「冷夏」なんて言葉はもう今後は無いのでしょうかね。まだ人生で一度も夏バテというのを経験したことがないのはラッキーというかありがたいですが、今後もならないとは言い切れませんからね。気をつけます。

以上、クーラーをつけましょう。

さて、ケイト・モートン。オーストラリア出身の作家さんでデビューから現在まで7作品、うち日本語訳されて日本で出版されたのが4作品。これで日本語訳された作品は全部読みました。原文でもいいんですが、さすがに原文を読む気力も知力もありません。

話は1933年、イギリスのコーンウォールからはじまります。湖畔荘と呼ばれる屋敷に、エダヴェイン家が住んでいて、父アンソニー、母エレナ、長女のデボラ、次女のアリス、三女のクレメンタイン、そして長男のセオ。もともとエレナの家系はコーンウォールの名士で、湖畔荘もエレナの家系の所有。

時代はだいぶ進んで2003年、ロンドン警視庁の刑事、セイディ・スパロウは休暇で祖父の住むコーンウォールにいます。じつはセイディは幼い女の子が行方不明になった事件で新聞記者に情報をリークしてしまい、上層部はリークした人物を探していますが、セイディの上司は気づいて「しばらくどこかに行ってろ」というわけで、祖父には休暇とウソをついてしばらくいることに。ある日、犬の散歩で森の中に入っていくと、湖沿いに長い間放置されてたと思われるお屋敷を見つけます。そのことを家に帰って祖父に告げるとエダヴェイン家の地所でローアンネス(コーンウォール方言で「湖の家」)だと教えてもらい、さらにあの家でだいぶ昔に赤ちゃんが行方不明になったという事件があったと聞かされます。
セイディは地元の図書館へ行くと、展示コーナーにミステリ作家アリス・エダヴェインの作品がずらりとあって「地元出身の作家、新作間近」と書かれたポスターを目にします。

話は変わって2003年のロンドン、ミステリ作家のアリス・エダヴェインの家に手紙が届きます。差出人はスパロウという名の警察官、じつはアリスのファンの中には現役の警官が多く、はじめはファンレターと思ったのですが、内容は1930年代のコーンウォールのお屋敷で起きた未解決事件に関するもの。
セイディは1930年代にローアンネスで起きた「事件」を調べます。それは、あの屋敷でパーティーがあった夜、家に戻るとまだ1歳になってない赤ん坊のセオがベッドからいなくなっていて、当時は警察も大々的に捜索をしたのですが見つからなかった、というのです。

その事件の捜索に加わった元警官がコーンウォールにまだ住んでいると聞いたセイディは連絡を取って家に行きます。セイディも幼い女の子が行方不明の未解決事件に深く関わっていたこともあってか、70年前の事件が気になっています。はたして70年前の事件の真相とは・・・

単行本(上下巻)で読んだのですが、上巻がなかなか読み進められなくて、ケイト・モートンの作品に共通する現在と過去がいったりきたりする展開が今回は途中で頭がこんがらがってしまって、じっさいかなり複雑な構成になってまして上巻を読み終わるまでだいぶ時間がかかってしまいましたが、下巻に入っていろいろな謎がわかってきてからはサーッと読み進めることができました。そして終盤になってきて、なんといいますか、あくまでこちらの勝手なイメージですが、なんかディケンズっぽいな、と思ってしまいました。もちろんいい意味で。
コメント
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