つづき
邦産薬用植物にイチヤクサウ 鹿蹄草 が出ている。
{植物} 中に、マルバノイチヤクサソウ や ベニイチヤクサウ が記されている
{生薬} 鹿蹄草 は全草を花期に採集し乾燥したるものなり
{成分} (略)
{薬用} 民間:生薬の汁液を切創、毒虫咬傷に塗布し効あり。又全草を脚気に煎用す
さて べにばないちやくそうは、紅花_薬草として古来から山に携わる人々には、
よく知られた薬草で有ったと言う。
しゃくじょうそう 錫杖草 いちやくそう科は 広辞苑 の錫杖の所に載っているので
一般的と言ってよいと思う。錫杖草もべニバナイチヤクソウも山の宗教に深い関係がある
と言う事を聞いた事がある。イチヤクソウ科の、べにばないちやくそうは、和製グラジオラス
そっくりというところである。 さて さて
先月ここのコーナーで ナガラベット ながら別當について書いたら、
ブログ「イーハトーブ・ガーデン」7月9日に採り上げておられた。
至れり尽くせりの解説で、それについてイチャモンをつけるつもりも無いのだが
少々気になる点があるのでここに小生の考えを述べ、間違っていたならばご教示願いたい。
氏は「別當」についても他の事に付いてもルルご解説をされた後に、次のように述べられている。
つまり、簡単にいってしまえば、グラジオラスの花茎が杖のように長く伸びることから、
盲人のお役人の使うステッキ(杖)を連想してのネーミングだったというわけですね。
そして 「どんぐりと山猫」に登場する馬車別当にまで恣意性に跳んだ解釈に至るのである。
森口多里氏は、錦正社「岩手県民俗芸能誌」のあとがきに、「郷土史家的詮索は不得手だ」と
述べられているが、氏の「町の民俗」で御母どうの話には、それなりの意味を勘案されるべき
ではなかろうかと思う。言うなれば「杖」には違いないのだが、ナガラ別当に意味する錫杖的
形相を良くご存知だったのでないかと思うのである。賢治は如何様に考えられていたかは小生には
知る好も無いのである。