ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

栽培學汎論(チランチンつづき)

2010年06月02日 | 自然科学

 

 安田貞雄著 植物生理学的 栽培學汎論  養賢堂発行 昭和8・6・5 訂正三版に

   [乙]化学的刺激

 §104 発芽に対する化学的刺激

 〈前文略〉 高橋及び大根両氏〈註〉がチランチンB・チランチンC・ウスブルン・ウベルチンについて其発芽に対する影響を調べた結果、種子消毒の効果は認むるも発芽の刺激に対しては良好の結果を示す事もあり、又逆に発芽を害する事もあって結局坊間に宣伝される様な効果は認められぬと云う。(175頁)

  〈註〉高橋及大根;各種浸漬剤に関する実験。勧業模範場彙報。7.1927.

 毒性もさることながら、宣伝効果に違い、作物増収の効果が認められず、ほどなくチランチンは社会から消えていった。

  (写真画像ではよく見えませんが安田は盛岡高等農林学校教授 農學士 となっている)

 


広告(チランチンつづき)

2010年06月02日 | 自然科学

 

 大正十四年頃と思われる宣伝用パンフレットが、数多く出ていた。

ある説明パンフレットに、チランチンの毒性について以下のような説明文がみられます。

  十八 「チランチン」液に浸した籾や麦は動物に毒でありますか

 答 決して毒ではありませんが念の為一度水で洗っておやりなさい

   つづく