佐藤隆房著『宮澤賢治』は、御子息進氏により「口述」は明らかになったが、初版の「序」に「昭和十四年二月脱稿」(6行目)とある。飛田についての疑問はいくつか考えられもするが、ここではゴーストライターは誰であったのかである。冨山房の市村宏氏が「『宮沢賢治』のできた頃」と題して29年近くも経過してからであるが、『宮澤賢治』昭和四十五年九月十五日第五版印刷に記されている。そのなかで注目されるのは、草稿を携えて訪問されたのは加茂儀一氏だと云う。加茂とのつながりのある人物とは誰か。そして初版の「後記」は、以後なぜか消されていた。
つづく