未だ不具合を抱えたまま不安定な状況が続くgooメールサービス。
「シンプル版」を5月末にリリースすることで、なんとか事態の打開を図ろうとしている。
しかしこの混乱の中、新バージョンにはある機能がひっそりと盛り込まれようとしている。
gooは、無料ユーザーが送受信するメールの内容を解析し、キーワードに合致した広告を表示させる仕組みを2010年末までに順次導入する。これを「キーワード関連広告」と呼ぶらしい。
同様にヘッダ内容まで解析して広告表示させる「本文関連広告」も併せて実施される。
件名や本文内容を機械的に処理するのだが、まぁ私信をのぞかれている訳で気分は良くない。
NSA(アメリカ国家安全保障局)の通信監視システム「エシュロン」みたいに、gooに常時見張られているのは落ち着かない。
公開しているブログをgooglebotとやらにクロールされるのはいい。でもメールはインターネット上で公開してる訳ではない。
何か悪いことをしていなくても、あなたのメールを解析してもいいですか?と言われると、多くの人は「No」だろう。
今後はメールの中身が色々なマーケッティングに使われていく。個人情報と紐付けられたら結構怖い情報になるだろう。
もうひとつ、セットになっているのが「関連ワードリンク」機能だ。
解析したキーワードに、goo関連のサービスリンクを自動で張るものだ。無料blogでも見られる機能だが、これはhtmlメールが前提になるだろう。
テキスト表示にしておけば回避できるが、逆に必要な登録用リンクなんかは一々コピペしなくてはならず、htmlメールの便利さと自動リンクはセットとして扱わざるを得ない。
メールの発信者がリンクしたのか、gooが自動リンクを「付加」したのか判別は付くのだろうか。
この一連の仕組み、冒頭に「ひっそりと」と書いたが、実はちゃんと規約に謳ってある。
goo利用規約から引用する。
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第5節 gooメールサービス
第3条(広告の掲載、本文解析)
1.当社は、送受信メールの件名又は送受信メールの本文の内容(以下「メール内容」といいます)を機械的に解析し、メール内容に当社が指定する言葉(以下「キーワード」といいます)が含まれている場合、当該電子メールを閲覧する画面上に当該キーワードに関連する広告(以下「キーワード関連広告」といいます)を掲載することができるものとします。
(以下略)
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続いて2項から8項まで一読されると良いだろう。解析したデータは広告関連企業へも転送されるらしい。皆もこの規約に「同意」した上で利用している訳で十分理解されているハズだが。
5項には、
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5.ユーザーは、キーワード関連広告、本文関連広告及び関連ワードリンクの表示を希望しないときは、別途当社が定める方法により、これらの設定を解除することができます。但し、ユーザーは、個々の広告について設定もしくは設定解除はできないものとします。
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「解除することができる」とある。しかし、しっかり読まず「同意する」ボタンを押したユーザーは、延々とメールを解析される事になる。
わたしは早速お断りしておこう。お断りの仕方はまた後日。
-----追 記-----
アドバンス契約の方は、
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6.gooメールアドバンスを提供する画面上に、gooID利用規約第5節第3条第1項に定めるキーワード関連広告、同条第2項に定める本文関連広告及び同条第6項に定める一般広告は掲載されないものとします。そのため、gooメールアドバンスについては、gooID利用規約第5節第3条第1項、第2項、第3項、第6項及び第8項の規定は適用されないものとし、また同条第5項及び第7項については、関連ワードリンクのみ適用されるものとします。
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つまり、金払ってないユーザーはメール本文を解析しますよって訳だな。
皆さんは「同意」しましたか?