ボーイスカウト日本連盟が創立100周年を迎えたそうです。
私は昭和のボーイスカウトでした。ボーイスカウトに入ったことで、後々の生活、人生において大いに役立ったと思います。
ひとつ 奉仕の精神、正義感が養われました。
ふたつ アウトドア生活に困らないノウハウを得ました。
みっつ 段取り命、何事も前準備を万全に、備えよ常に。
私が最初に入ったのはボーイスカウトの下部組織カブスカウトです。小学6年生の頃でした。そこからボーイスカウト、シニアスカウトと進み十代のほとんどをボーイスカウトで過ごすことになりました。
きっかけは、春休みや夏休み期間中、親の息抜き?だったのかもしれません。毎週末の活動、そして春キャンプと夏キャンプと大いに野外生活を楽しみました。
時代が昭和だったので入団当時の団長さんは「第二次大戦から復員してきた兵隊さん」が勤めていたと思います。スカウト=偵察、斥候という意味で、元はイギリスのロバートベーデンパウエル卿が興した活動です。
— 少年斥候隊(ボーイスカウト)の運動は、少年を軍人に仕立てる予備教育のように考えるものがあるけれども、これは甚だしい誤解であって、実は少年をして名誉と愛国との観念を信条化せしめ、精神、身体共に強壮なる人間に仕上げようとするものである。従って其の訓練の如きは、日本武士道の真髄を採ってこれを行うものである —
ロバート・ベーデン – パウエル
※ボーイスカウト日本連盟100周年特設サイトから引用
と、設立の趣旨が書かれています。まぁもっとも昭和の時代だったので、当時は君が代を歌いながらぴったり60秒で国旗を掲揚する、というような訓練もありました(今は知りません)
その他、野外生活に役立つ結索法(ロープ結び)、手旗信号、モールス信号などを学び、野営生活で欠かせない火の起こし方や調理法などを身に着けました。当時は、燃料は薪で明かりはロウソクランタン、テントといえばキャンバス地の三角形のもので、グランドシートを敷いて三角屋根を立てただけのテントに1週間ほど寝泊りしていたものです。
ボーイスカウトは、学区のように各地域に割り当てられた「団」という組織から成り立ちます。その下は班(カブスカウトは組)と組織化されています。
我らは兵庫県西宮市の伝統ある「西宮第6団」に所属し、その後、人数の増加に伴い「西宮第16団」に分離しました。班は伝統の「トラ班」でした。
ボーイスカウト活動での一番の思い出はやはり日本ジャンボリー。4年に1度、全国のボーイスカウトから選抜されたメンバーだけが参加できる大会、そうオリンピック、サッカーワールドカップみたいなイベントです。
まぁ実際には開催される年度にちょうど年長組に居るかどうかということで「選抜」される訳ですが。
1978年に開催された第7回日本ジャンボリー富士山御殿場会場へ参加しました。
兄は先行しての支援隊、私は本隊として兄弟で参加することができました。
私たちが現地に到着した段階から大雨、暴風雨の中での設営となりました。設営地は御殿場にある自衛隊の訓練地になっており、また「建設省洪水実験地」という看板も立っています。
その大雨の中で設営し野営を開始するも、あまりの悪天候のために用意されていたあらゆる行事が中止になりました。自衛隊が協力して建ててくれた「サーカステント」が本部でした。そこに定時になると配給の食糧を受け取りにいくのですが、その大型テントでさえ風で支柱が折れるほどの過酷な状況となりました。
3日目だか4日目に、ようやく雨雲がさり富士山を仰ぎ見ることができ、多くの隊が避難するなかでわが西宮16団は最初から最後まで設営地を維持しておりました。今考えるとあの悪天候の中で自炊しながらよく耐えたものだなぁと思います。
ほとんどの公式行事が中止になる中、唯一開催されたのが皇太子殿下の謁見です。現在の天皇陛下です。陛下はこの第7回日本ジャンボリーから第17回に至るまで毎回参加されているそうです。(10年ではありません、4年に1度の開催なので40年もの間、欠かさず参席されています)
●ひとつ 奉仕の精神、正義感が養われました。
毎週のように、国鉄甲子園口駅周辺で清掃活動をしていました。通りすがりの人達からお礼を言われるのが嬉しかったです。
「霧のロンドン、アンノウンボーイスカウト物語」 神奈川県綾瀬第1団HPから引用
●ふたつ アウトドア生活に困らないノウハウを得ました。
野営生活で、自分たちで水汲みから調理まで全てをこなさないといけない、そんな体験を通じ、家庭のありがたさや食べ物の大切さ水の重要さを学びました。
阪神淡路大震災で被災した時も、大変ではありましたが不平や不満はあまり感じませんでした。
●みっつ 段取り命、何事も前準備を万全に、備えよ常に。
社会人になって何か新しい仕事、プロジェクトに臨む際、あらゆることを想定し備えて置く、こうした考え方はビジネスシーンでも大切なことで、そういう感覚が自然と身に着いていたことで出世できました(笑)
「備えよ常に」はボーイスカウトのモットーです。
「いつなん時、いかなる場所で、いかなることが起こった場合でも善処ができるように、常々準備を怠ることなかれ」 社会人生活でも、災害時の対応でも役立つ心がけではないでしょうか。
ボーイスカウト日本連盟、創立100周年おめでとうございます。
※写真は全て兄による。仕事上での関わり(支援活動)での撮影になります。