『私事―死んだつもりで生きている―』 中村雀右衛門
現在、歌舞伎界女形の最高峰で人間国宝。昨年は文化勲章も受章されました。
この本には、中村雀右衛門さんの人生がつづられています。
この本を読むまで、私は私が見てきた約10年間の雀右衛門さんしか知りませんでした。
そのため、この本を手にした時、「死んだつもりで生きている」とはどういう意味か分からず、軽い気持ちで読み始めたのです。
6年間の軍隊生活、27歳という歌舞伎界では考えられない遅い女形デビュー、映画の世界へ入ったがための歌舞伎界追放の危機など、辛く苦しい体験をされ、死を考えた事もあるとのこと。
「死んだつもり」。これは雀右衛門さんが苦しい時に浮かぶ言葉だそうです。辛いことや苦しいことはあって当たり前と辛抱して、毎日を必死に生きていく。本当に苦しい思いをした体験から生まれた気持ちでしょう。
人生をつくるのは自分自身です。今の状態で満足してしまうなら、そこまでの人生。これからの楽しみは何でしょうか?
雀右衛門さんのように、今日より明日はもっと良い芸をと、日々精進する気持ちが、その向上心が、あの素晴らしい芸にあらわれているのでしょう。
歌舞伎の芸=無限の道とおっしゃる雀右衛門さん。
その「道無限」の気持ちこそが、雀右衛門さんを輝かせているのだと思います。その輝きに、私は惹きつけられるのです。
歌舞伎を全く知らない人にも、是非読んでもらいたい一冊です。
一月に東京の国立劇場へ行きました。雀右衛門さんは、「女暫」にご出演。荒事の迫力も十分出しつつ、女形の可愛らしさが出ていて、本当に素晴らしかったです。
前日には運良く都内の書店で雀右衛門さんのサイン会があり、なんとか整理券を手に入れてサインをして頂きました。一人ずつ、一冊ずつ、毛筆で丁寧にサインをされていました。優しい笑顔で本を手渡された時は、もう倒れそうでした。素敵な方です
現在、歌舞伎界女形の最高峰で人間国宝。昨年は文化勲章も受章されました。
この本には、中村雀右衛門さんの人生がつづられています。
この本を読むまで、私は私が見てきた約10年間の雀右衛門さんしか知りませんでした。
そのため、この本を手にした時、「死んだつもりで生きている」とはどういう意味か分からず、軽い気持ちで読み始めたのです。
6年間の軍隊生活、27歳という歌舞伎界では考えられない遅い女形デビュー、映画の世界へ入ったがための歌舞伎界追放の危機など、辛く苦しい体験をされ、死を考えた事もあるとのこと。
「死んだつもり」。これは雀右衛門さんが苦しい時に浮かぶ言葉だそうです。辛いことや苦しいことはあって当たり前と辛抱して、毎日を必死に生きていく。本当に苦しい思いをした体験から生まれた気持ちでしょう。
人生をつくるのは自分自身です。今の状態で満足してしまうなら、そこまでの人生。これからの楽しみは何でしょうか?
雀右衛門さんのように、今日より明日はもっと良い芸をと、日々精進する気持ちが、その向上心が、あの素晴らしい芸にあらわれているのでしょう。
歌舞伎の芸=無限の道とおっしゃる雀右衛門さん。
その「道無限」の気持ちこそが、雀右衛門さんを輝かせているのだと思います。その輝きに、私は惹きつけられるのです。
歌舞伎を全く知らない人にも、是非読んでもらいたい一冊です。
一月に東京の国立劇場へ行きました。雀右衛門さんは、「女暫」にご出演。荒事の迫力も十分出しつつ、女形の可愛らしさが出ていて、本当に素晴らしかったです。
前日には運良く都内の書店で雀右衛門さんのサイン会があり、なんとか整理券を手に入れてサインをして頂きました。一人ずつ、一冊ずつ、毛筆で丁寧にサインをされていました。優しい笑顔で本を手渡された時は、もう倒れそうでした。素敵な方です