久しぶりの巨石カテゴリからの投稿です。
訪れたのは、山梨県韮崎市穂坂町という中央高速韮崎インター近くの場所にある昔から語り継がれていた「女夫石」と呼ばれていた巨石です。この周辺の字名にもなっています。
なぜここが注目されたかと申しますと、ここから程近い権現沢川(唐沢)の河原で平成18年に遺構(女夫石遺跡)が発見され大規模な発掘調査を実施したところ、住居跡の他に、配石遺構や70点以上にも及ぶ土偶やたくさんのミニチュア土器、石棒などが発見されたそうで、従来のこれらの用途からどうやらここは巨石を中心とした縄文祭祀遺跡だったのではないかと言う結論となっているそうです。
当時の発掘調査の状況から推測すると正確に言えば今回紹介する「女夫石」とは、場所が違うようなのですが「女夫石」は、河原にあった遺跡から見上げる位置にありその大きさから祭祀を執り行う当時の民たちから見ればシンボリックなものであったに違いなくなかなか興味深い巨石でもあります。
「女夫石」のある場所は、韮沢インターから北東に昇仙峡方面を走りすぐ左手に見えるセブンイレブンの先にあるホテルを過ぎた次の交差点を左折。 権現沢川に架かる「女夫石橋」を渡ってすぐ右手にある植林された杉が生い茂った中にあります。 道路からは特定できません。当たりをつけ杉林を入って行くと突然現れます。
こちらは大きい方の巨石(夫石)です。左側が西になります。
こちらは、東面側になります。
側面(手前側が南になります。) こちらは小さい方(女石)です。 位置関係は、こんな感じです。
ちなみに今回同行していたメンバーが2008年当時に撮影したものを提供して頂いたのでご紹介します。
当時は、植林などされておらず河原まで一面見渡せた場所だったそうです。
ちなみに、こちらのブログでは植林した苗木が写っています。撮影日は2010年のようですから杉と言うのは10年で杉林になるほどこんなに成長するのですね。ちょっとびっくりです。
巨石からは、春分・秋分の日 南アルプス鳳凰三山の地蔵ヶ岳のオベリスクへと日が沈むのを仰ぎ見る事が出来るそうで、アカデミズムが正式に調査しているなかなか興味深い場所であると言えます。
参考URL:女夫石遺跡の発掘概要
【マップ】