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続いて訪れたのは、面白い伝説が残る“鼠石(ねずみいし)”の紹介です。
場所は、前回の「めぐり愛の岩」より北へ1.3キロほど。中房川を渡った県道306号線(有明大町線)沿いにあります。
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玉垣に囲まれた中に鼠石は鎮座しています。この巨石には、興味深い以下のような伝説があります。
『この穴は有明山の金明水・銀明水を湧き出させていると云われ、また、善光寺まで通じているとも云われています。』
「金明水・銀明水」の話は、富士山の逸話が有名です。
富士山の逸話は「琵琶湖に通じている」というものですが、何処かと繋がっているとか通じていると、言った伝説は良く耳にする話です。
※「江の島の弁天洞窟が富士山と繋がっている」という伝説は有名ですね。
また、全国で見られる椀貸し伝説も併せて伝えています。
『昔むかし、貧しい村人がいました。
ある日、祭事がありましたが、そのためのまともな食器を持っていなかったのです。
岩の傍でそのことを嘆いていると、翌朝、穴の前に立派な食器がそろえてあったそうです。
「これはきっと、穴に住んでいる鼠がそろえてくれたものにちがいない。」
村人は喜んで、穴に向かって何度も手を合わせました。
それを聞いたほかの村人が頼んだときにも、翌朝、やっぱり食器がそろえて置いてあったのでした。
そんなことが度重なって村人たちは大層ありがたがっていたのですが、とうとう、借りた食器の一部を壊した村人が、お詫びもせずに黙って返した(あるいは、借りたまま返さなかった)事件が起きました。
それ以来、鼠が食器を貸してくれることは、二度とありませんでした。』
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鼠石の由来ですが岩の形状からは全く想像がつきませんが「不寝見(ねずみ)」と読み、山城などの物見の意からであれば、北安曇野を一望できる高台のこの地は、絶好の物見の地であると言えるでしょう。
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北安曇郡聖山方面を望む
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背後にも一回り小さな岩が祀られています。奥行1メートル幅2メートルくらいでしょうか。
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鼠穴の部分 有明山頂や善光寺に通じているほど奥行は無さそうです(^^;
《安曇野の巨石探訪 その7》へ続きます。
※《お知らせ》容量オーバーのためこちらでの投稿が出来なくなりましたので続きは「日々是平穏にて投稿していますので、宜しくお願いします。
安曇野の巨石探訪 その7 はこちらから
【マップ】
※県道沿いすぐ脇に駐車スペースあり
コメント気づかず失礼しました
まぁ、「寝ず見」はこじ付けっぽい伝承ではありますが。
まだまだ安曇野には興味深い巨石がゴロゴロあるそうで、いずれまた訪れてご紹介したいと思っています。