先週、担当のお医者さんから電話があって、「今週中くらいには退院する予定だ」と聞かされていました。
「相談員の者から電話が行くでしょう」とも聞いていました。
昨日の11時34分、ちょうど天覧山にいてトラバースを終了させていた僕に病院から電話が入ります。
病院からの電話は基本的には驚きますし、不安になります。
でも、おそらく相談員さんからだろうな、と予想できていましたから、この時はさほど不安にならずに済みました。
予想通りで相談員さんからでしたが、その内容には驚くしかありませんでした。
予期せぬ内容だったからです。
退院後、すぐに自宅へ戻ることは困難だろうとは予想できましたけれど、当然病院から老健へ移るものと思っていました。
それが老健側が「受け入れ困難だ」と返答したんだそうです。
その理由ですが、さっちゃんの現状は痰が多く出ているからなんです。
そのため夜中でも何度も痰の吸引をしなければなりません。
夜中に1回程度なら老健でも大丈夫なのですが、(例えば)2時間おきにとなれば、充分には対応できないのです。
(上記内容は相談員さんの言葉ではなく、僕の類推です)
それでどうなったかと言うことですが、病院には療養病棟と言う施設があるのだそうです。
そこでもっと落ち着いた状態(老健へ移動できる程度の)になるまで過ごすことにしたいという訳です。
僕に対して、その許可を得るための電話でもあったのですね。
僕はもちろんOKです。
療養病棟、その後の老健、さっちゃんが自宅に戻って来れるのは何ヶ月も先のことになってしまいそうです。
コロナ禍でなければ、自由に面会も出来ますし、さほど寂しさもないのでしょうけれど、今は面会すら出来ません。
さっちゃんは失語症ですし、自分の意志や感情を表わすことが出来ません。
ガラス越しやタブレット越しの面会もじれったさが増すだけで、何の意思疎通もできません。
でも、直接手を握ったり顔を撫ぜたりするだけで、僕の心は充分に満たされます。
さっちゃんがどう感じているのかは分かりませんが、僕にとっては確かなことなんです。
バレンタインデーからのさっちゃんと自宅で共に過ごせた2週間は珠玉の日々だったんだと、今ではそう思えます。
再び、そんな日が来ることを強く願い続けたいと思います。