「さっちゃん、外を見てごらん。青空だよ」
「・・・・・・」
「こんなに天気がいいと、山を歩きに行きたいね」
「・・・・・・」
「いろんな山を登ったねぇ」
「・・・・・・」
「いろんな沢や岩も登ったねぇ」
「・・・・・・」
「ニュージーランドにも行ったね」
「・・・・・・」
「ヨセミテにも行ったね」
「・・・・・・」
「ネパールには一緒に行きたかったね」
「・・・・・・」
僕はこんな風にさっちゃんに話しかけ続けました。
外は寒気が強くて寒い日ですけれど、ガラス越しに差し込んでくる陽射しで部屋はポカポカと温かいんです。
さっちゃんが横になっているベッドの脇に僕は座り込んで、さっちゃんの顔を覗き込みながら喋りかけ続けました。
ゆっくりと、過去の想い出を噛みしめながら、喋りかけていました。
「また、さっちゃんと一緒に山へ行きたいなぁ」
「・・・・・・」
僕の眼に涙が滲んで来ました。
今、ブログにこの文章を書きながら、再び涙が滲みます。