週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
045-941-3541

大遠忌法要御正当

2012-01-10 00:00:42 | 行事のご案内

     


9日より本山にて、親鸞聖人750回大遠忌法要御正当が始まりました。

親鸞聖人の御祥月命日は1月16日になります。
この日を御正当(ごしょうとう)と呼び、西本願寺では特別大切な日としています。

例年は、1月9日から16日までの8日間に、「御正忌報恩講」がお勤めされていますが、50年に1度に当たる今年は、「大遠忌法要御正当」としてお勤めされます。

この度の御正当は、昨年の春から修行されている750回大遠忌法要の、まさにクライマックスに当たる大事な日。
本当は出仕・参拝させていただきたいところなのですが、なかなか思うようにいきません。

そんな私のような人のために、法要の模様を生中継で見ることができる配慮がなされています。

詳しくは西本願寺HP内の御正当のページをご覧下さい。
   http://daionki.hongwanji.or.jp/omachiuke-houyou-kinen/honzan.php

あぁ、行きたかったなぁ(泣)


『平清盛』

2012-01-09 04:02:59 | ひとりごと

                          

大河ドラマ『平清盛』がスタートしました。

今回の大河は小説などの原作をもたず、脚本家の藤本有紀さんのオリジナル作品とのこと。
藤本さんと言えば、朝のテレビドラマ小説『ちりとてちん』の脚本をされていた方なので、いろんな意味で期待ができそうです。

さてさて、平清盛は誰もが知っている歴史人です。

平安末期の武士が台頭してきた時代。
源氏と平家の源平合戦は、源頼朝や義経の目線で描かれた多くの作品によって、私たちの知るところとなりました。

その根底にあるのは「祇園精舎の鐘の声」で始まる『平家物語』。
そして、この物語の中で平清盛はアンチヒーローとして描かれています。

常に主役に敵対する存在であった平清盛。
しかし、彼を主役とすることで、私たちの歴史の目線はガラリと変化することでしょう。


この時代なくして日本に浄土教・浄土真宗は花開くことはありませんでした。

ポスターにあるキャッチコピー「平成は、平安を見よ」というように、親鸞聖人750回大遠忌のご正当が始まるこの時に、改めて親鸞聖人がお生まれになられた時代と、そこにいたる背景を知るご縁をいただいたような気がします。

そして、その時代背景を知る目線が、時代に踏みつけられた青年期を過ごした後に、時代を掌中に治めた平清盛であるということに意味があると、第一話を見て思いました。


春の七草

2012-01-07 00:51:11 | 仏教小話

今日1月7日は人日の節句にあたり、朝に七草粥を食べる風習があります。

七草粥に入れる春の七草。

セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ

高校時代に何かのテストで覚えたのですが、案外記憶に残るものですね(笑)
(でも、秋の七草はオミナエシしか覚えていません)

さて、七草の中でも気になるのが「ホトケノザ」
漢字で書くと「仏の座」になります。

             

仏の座とは、如来や菩薩などの仏像を安置する台座のこと。 (阿弥陀如来像の○で囲まれている部分)
蓮華の花をかたどった台座(蓮華座)と、この植物の様が似ていたことから「ホトケノザ」と名づけられたそうです。

しかし、このホトケノザは食用ではありません。

スーパーなどで売られている七草粥セットに入っているホトケノザは、実は「コオニタビラコ」という全く別の植物なのだそうです。

    

これがコオニタビラコですが、全然似ていませんね。
ちなみに、漢字で書くと「子鬼田平子」と書きます・・・なんだか物騒な名前がでてきました(笑)

平安時代から新年に特別なお粥を食べる風習はあったようですが、その頃は「七草」ではなく「七種」と書いて、米・粟・黍・稗・蓑・胡麻・小豆という穀物の入ったお粥を食べることで、邪気払いができると考えられていたそうです。

現代の七草粥も、邪気を払い万病を除く意味合いが残っていますが、お正月で疲れた胃を休めたり、不足しがちな栄養素を補給したりという効能も認められています。

なので、縁起を担ぐというよりは、七草粥という文字などを見かけたら、自分の健康管理に気をつけなくてはならない時期なんだということを教えてもらっていると受け止めたらいいのかもしれませんね。


おひさま

2012-01-06 02:32:11 | 法話のようなもの

昨年末に放送された日本レコード大賞と紅白歌合戦。

どちらも台所で作業しながらだったので、きちんと見ていたわけではないのですが、流れてきたメロディに思わず手が止まった曲がありました。

平原綾香 『おひさま~大切なあなたへ』

       

昨年のNHK朝の連続テレビドラマ小説「おひさま」の主題歌だった曲です。

高視聴率のドラマだったようなので、毎朝のように聞かれていた方も多いと思います。
・・・が、私は初視聴でした。


       あなたは私の奇跡
       あなたは私の希望

       目覚めてから眠りにつく
       すべていとおしい  そう思えたの
       笑うだけで 涙が出たわ

       あなたの喜びもらい
       あなたの痛みももらう

       必ずどこかで見てるわ
       それだけでいいのよ

       たとえ世界中が あなたの敵だって
       私だけは いつでも味方だわ
       大丈夫 信じて

       あなたが忘れていても
       私が忘れはしない

       この命を 投げ出すのに
       迷いなんてないわ

       あなたは私の奇跡
       あなたは私の希望

       お願い どこかで笑ってて
       それだけでいい
       それだけがいいのよ               (歌詞は一部省略してあります)  
                                         

私は自然とあふれ出す涙を拭うこともなく、歌い終わる最後までただ聞き入っていました。


主題歌として、この曲が流れていた時期に、大震災が起こりました。

この曲のように思っていた大切な存在が、この曲のように自分のことを思ってくれていた大切な存在が、誰の心にもいたはずです。
その大切な存在を奪われた無数の痛みを思いながら聴けば、さらに涙は溢れ出ます。

けれど、知っていて欲しいのです。
逢うことの叶わなくなった愛しい人も、残された痛みを背負い生きる人も、そしてこの私も、同じように幸せを願われ、思われ続けているということを・・・。

たとえ私が忘れていても、阿弥陀さまは忘れません。
私の喜びを、痛みを、ともに笑って、泣いています。

すべての存在が、私には大切なんだと、寄り添いたいんだと。
その一人一人のために、自分を投げ出してくださった仏さまがいるということを。

「おひさま」のようにすべての人を照らし、慈悲で包み込む仏さまがいるということを知ってほしいと、この曲を聴いて思いました。


『おひさま~大切なあなたへ』の全歌詞・動画をご覧になりたい方はこちらをクリックしてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=huipH5EzxXo


冬の境内

2012-01-05 00:42:54 | ひとりごと

すっかり人の気配のなくなった境内。

      

イチョウの葉も落ち切って、空が広く高く感じるようになりました。

この冬は、葉っぱがなかなか落ちませんでした。
例年ならば12月の中旬には終わる掃き掃除も、暮れまで続いてようやく一段落が着いたばかりです。

こうしてすっきりとした境内を見ると、黄色い絨毯が敷かれたようなイチョウの葉で彩られた秋の境内も好きですが、私は冬の凛とした空気の漂う境内のほうが好きなようです。

それにしても、散りゆく桜に無常を思うことはありますが、散りゆく葉っぱに無常を感じたことはなかったように思います。

同じ散る姿を見ても、無常という世の理を思い起こさせる縁となるか否かの違いは何なのか・・・。
きっと、桜の花びらには美しさを感じるのに対し、落ち葉は掃除の対象としてしか見ることができない、私の偏った認識によるものなのでしょう。

たとえ世の道理であろうと何であろうと、人は見たいものを見たいようにしか見ないということなんですね。

とか何とか、母親がお坊さんらしいことを頑張って考えている横で、龍くんはのんびりと探しものをしていました。

   

探しているのは、赤い実をつけている植物です。
南天や千両・万両の実を見つけては、ポイポイ投げるのがマイブームの龍くん。

毟り取られる側にとっては、たまったものではないのでしょうが、これもまた無常の一つの形です。
しかし、これを無常と言えるのは、向こう側の痛みを無視できるからなのかなと考えた瞬間、自分の都合の良さを改めて実感しました。

本当に、私は見たいものを見て、思いたいように思って生きているんですね・・・怖い怖い(汗)