一時期、かなりハマっていて音源を買うだけでなく、
ライブにも通っていた日本のプログレ。
残念ながら今現在はシーンは絶滅状態ですが、
いいグループも沢山ありました。一般的に知名度の低いグループも多いですが、
少しずつ紹介していければと思います。
第1回目としては、やはり自分にとって影響を受けたこのグループからと
決めていました。新●月です。
新●月が最初活動していたのが1970年代の終わり、ジェネシスの影響が
大きいと思われるシアトリカルなライブが一部で評判だったようで、
フールズメイト誌にも度々記事が取り上げられたといいます。
そんなこともあって、ビクターにてアルバムを制作することになりました。
今は無き箱根ロックウェルスタジオで200時間以上かけて制作されたといい、
これだけの条件は、四人囃子の「ゴールデンピクニック」ぐらいしかないと
いう事です。じっくり時間をかけて細かい部分まで作りこまれています。
新●月というグループが後世に伝えられるのは、傑作「鬼」という曲が
あったからでしょう。
自分を含めて、数多くの人の心に刻みこまれた名曲です。
今まで、東洋的なイメージを感じさせる曲はあったのですが、
(フラワートラヴェリンバンドの「SATORI」等)
これほど日本らしいというか、日本人にしか出せない湿り気のある音というか、
落ち着きのあるプログレの曲はなかったと思います。
CDを買って初めてこの「鬼」を聴いた時の衝撃は忘れられません。
70年代の終わり、まだ当時は家庭用ビデオデッキは殆ど普及していない時代、
プロモーションビデオが作られる等、かなり期待はされていたと思います。
しかしながら、1970年代の終わりから80年代の初めくらいは、
プログレにとって不遇の時代で発売した時期が悪すぎたと思います。
洋楽では、クラッシュの「ロンドンコーリング」や
ポリスの「白いレガッタ」がヒットする等、パンクやニューウェーブが
注目されていましたし、国内ではニューミュージックの勢力が
強くなりつつありました。
日本のロックは、フリクション等の東京ロッカーズが
マニアの間で注目されていましたし、何より同時期にYMOが活躍し、
当時は斬新だったテクノに可能性を感じられた感がありました。
その為か残念ながら新●月は、内容がよかったにも関わらず、
ヒットするには至りませんでした。
「鬼」以外にも「せめて今宵は」とか名曲もあるのですが…。
セカンドアルバム用に曲も作成されていたのですが、リズム隊が脱退し、
残念ながら解散に至っています。3曲分作られたプロモビデオですが、
「少女」(少女は帰れない)のみアルバム未収録です。少し毛色が違うので、
その辺りも対立の原因かもしれませんね。
その後ボーカルの北山真さんは、フリークライミングに転向。
日本フリークライミング協会理事長や日本山岳協会理事を務めたことは
Wikipediaを見て知りました。
1998年に音楽界に復帰、北山真with新●月プロジェクトで
アルバムを制作しています。
そして2005年にBOXセットが企画され、幻のセカンドアルバムを
オリジナルメンバーで録音する為にメンバーが集結。
そのまま再結成されます。2006年には26年ぶりにライブが行われました。
自分も見に行き、当時やっていたブログにはライブレポを掲載しています。
その時のブログは、運営会社が撤退しもう残っていませんが、
幸いに当時の下書きがデータに残っているので、
機会があれば手直しして公表してもいいかなと思っています。
自分だけでなく、多くの人の心に残っている稀有なグループです。
売れなかったのが残念ですが、機会があればアルバムも通して
聴いてもらいたいですね。
70年代の終盤はディスコミュージックやスティクス等の産業ロック(この言い方は好きじゃない)のバンドが人気があり、一方ではよりシンプルなロックが好まれポリスなどが台頭していた時代。 違った3つのムーブメントがありましたから、その他のバンドが入り込む余地がかなり低かったのかも知れませんね。
70年代終わりから80年代初めは変動期というか過渡期というか、
微妙な時期ですね。キャンディーズやピンクレディーの時代が終わって
新しいアイドルの時代になろうといる時期ですしね。
同時期にマンドレイクでプログレをやっていた平沢進さんは、
まともに作品を発表も出来ず、Pモデルを結成するに至りました。
まぁ隠れたいいグループは色々ありますので、少しずつ紹介できればと思います。
ショップでCDを見かけ「プログレ平沢か、、、」としばし悩んで購入したのを思い出しました。
マーキーから発売されたマンドレイクの発掘盤を聴いて衝撃を受けましたね。
特に「飾り窓の出来事」はお気に入りになって当時何度もリピートして聴いてました。
これだけの演奏なのに発売すらされなかったのは、
売れそうもないと判断されたからでしょうか。
マンドレイクに関しては、いずれ記事にするつもりです。