月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.63 PANTA「PISS」

2022-07-14 23:08:45 | 頭脳警察、PANTA関連

PANTAの80年代に発売されたアルバムの中には、アナログとCDとでは

若干違うものがいくつかあります。

前回書いた「クリスタルナハト」も、アナログでは

モノクロのジャケでしたが、初回のCDではカラーのジャケになっています。

 

 

 

再発されたCDでは、アナログ盤のジャケに統一されています。

そして今回紹介する「PISS」も、アナログ盤では全身が写っている

ジャケですが、初回CDでは上半身アップの別フォトになっています。

 

 

このジャケが気に入っていたので、以前ライブを見に行った時に、終了後のサイン会で

サインしてもらいました。

 

「クリスタルナハト」ですべて出し切った後に発売されたアルバムですが、

この時は、ルースターズの花田裕之さんが参加しています。

重さを感じる「クリスタルナハト」に対してこちらはストレートな

ロックアルバムです。花田さんとの共作のタイトルナンバーの「PISS」が

いいですね。そして以前にも書いたように、松原みきさんとのデュエットの

「ONE NIGHT LOVER」がいい味を出していて泣けてきます。

 

このアルバムを出した後は、昭和から平成への激動を抜けて頭脳警察復活に向け、

しばし沈黙を守る事になります。


NO.62 PANTA「クリスタルナハト」

2022-07-09 21:58:36 | 頭脳警察、PANTA関連

映画「エルヴィス」でキング牧師やケネディの暗殺の場面を見た数日後、

まさか令和の日本であのような事が起こるとは夢にも思いませんでした。

安部元首相のご冥福をお祈りします。

平和だと思っていたこの日本での事件にショックを受けています。

 

仕事中に訃報を聞き、頭に浮かんだのが、PANTAのソロの

最高傑作といえる「クリスタルナハト」、その最後を飾る

「オリオン頌歌第2章」でした。

「クリスタルナハト」は、PANTA&HALの3枚目に出す予定だった

アルバムで、その時は実現せず、スイート路線等の回り道をして、

結局、形になったのが1987年になります。

まだ天安門事件もベルリンの壁やソ連の崩壊も起こる直前の時代です。

「水晶の夜」の響きは聞こえがいいですが、

実際にはユダヤ人衝撃事件の事で、砕け散ったガラスがキラキラと

輝いていたからというのが由来らしいです。

そんな日本人には馴染みがないながらも、重いテーマに

PANTAは挑戦してきたわけです。

 

テーマが重いためハードな曲も多いですが、一気に聴けるだけの

パワーも感じます。そして時にはメロディアスな曲も。

歌詞は難解な用語もあったりしますが、時にはピカソの

「ゲルニカ」を思わす歌や、アンネ・フランクを思わせる

ような歌もあったりします。

そして「オリオン頌歌第2章」の歌詞が心に響きます。

 

ほんのわずかな支配者のために 消されていくのはやりきれないけど

おまえの体に宿した 未来の契りと思えば

 

日本を間違った道に歩ませないような後継者を望みます。

 

PANTA オリオン頌歌 第Ⅱ章 - YouTube


NO.61 映画「エルヴィス」

2022-07-08 00:18:49 | 映画

7月1日に公開された映画「エルヴィス」、3時間近い長編との事

でしたので、やっと時間を取って観に行ってきました。

 

誰もが知るエルヴィス・プレスリーの伝記的映画ですが、

この映画は、トム・ハンクスが演じる敏腕(悪徳)マネージャーの

トム・パーカー大佐の視点で描かれています。

最初のエルヴィスの腰ふりダンスで若い女性客が熱狂するシーンは

迫力あって強く印象に残ります。

 

エルヴィス誕生の瞬間! 映画『エルヴィス』興奮の‟フル”ライブシーン|2022年 7月1日(金)公開 - YouTube

 

エルヴィス役のオースティン・バトラーは、

エルヴィスになりきるぐらいの役作りで大部分を自ら歌っています。

まるでエルヴィスが生まれ変わったかのようで、好感が持てます。

その点は高評価ですね。

 

令和にエルヴィス降臨!映画『エルヴィス』特別映像(リハーサル編)|2022年 7月1日(金)公開 - YouTube

 

成功とは裏腹に、腰ふりダンスが社会に悪影響を与えるとかで、

警察からもマークされる事になりますが、それでも信念を貫きます。

トムの指示に逆らって演奏するシーンも迫力ありましたね。

 

栄光だけでなく、後半はエルヴィスの苦悩やトムとの衝突等も

描かれるので、重さを感じる部分もありますが、

長時間ダレる事もなく充実感がありました。

BBキング(エルヴィスと親交があるとは知りませんでした)や

リトル・リチャードとのやり取りがあったのも嬉しかったですね。

印象深かったのは、「カムバックスペシャル」の特別番組で歌われた

「明日への願い」。トムの反対を押し切って

純白のスーツで歌われました。

 

If I Can Dream 「明日への願い」(訳詩付き)エルビス・プレスリー - YouTube

 

改めて思いましたが、やはりエルヴィスの歌は素晴らしいなと。


NO.60 シナモン「THE SONG REPLAYS THE SAME VOL.1」

2022-07-06 23:22:58 | 厳選ライブ盤

前回、ビートルズのコピーを得意としたバッドボーイズについて

書いていたら、自分が気に入っていたレッド・ツェッペリンの

トリビュートバンドのシナモンの事を思い出しました。

シナモンはMr.JIMMYと並んで、レッド・ツェッペリンの

トリビュートバンドの最高峰とされたバンドです。

バッドボーイズと同じく、楽器等は本人が使っていたものに

限りなく近いものを使い、いついつのライブの演奏を

完全に再現する事を目指しているため、

もう見る事の出来ない、全盛期のツェッペリンのライブを

擬似体験出来ます。ジミー・ペイジ役のJIMYさんは、

時にはドラゴンスーツを着て、ギターを下げた独特のスタイルで

演奏しています。ロバート・プラント役のPer-Cさんは、

パワフルなボーカルを聴かせてくれます。

久々に限定発売されたライブアルバムを聴いているのですが、

コピーの難しいツェッペリンのライブをよく再現されていますよ。

嘗ては何度もライブハウスに見に行った記憶が蘇ります。

 

Cinnamon - Rock And Roll (Led Zeppelin Tribute) - YouTube

 

今回、色々と検索してみたら、シナモンのファンサイトを見つけました。

cinnamon (eonet.ne.jp)

メンバーが使用しているこだわりの楽器類の記事もありまして、

特にジョン・ポール・ジョーンズが特注したスリーネックギターを

それを製作した職人に依頼して2年以上かけて作ってもらったという

一品とか見ごたえがあります。

知らなかったのですが、シナモンは多少メンバーが変わったものの、

まだ活動しているとの事。今年の6月にもライブを行っていて、

次が9月にもライブがあるようですね。

 

「究極のレッドツェッペリン完全再現ライブ!」 CINNAMON - YouTube

 

今年は、レッド・ツェッペリンが2度目の来日公演を行ってから

50年目にあたり、何かネタを入れてくるかもしれませんね。

久しぶりに見てみたいかも。ここにきてまたコロナの患者が

増えてきているので、悪影響がなければいいのですが。


NO.59 バッドボーイズ「ミート・ザ・バッドボーイズ+4」

2022-07-01 23:11:31 | アラカルト

吉田拓郎さんが実質的なラストアルバムを発売したとして、

何人の方が記事にしていまして、自分も便乗して

拓郎さんの記事を書こうと思っていたのですが、

意外にも拓郎さん関連の音源は持っていなかったです。

最近、連続でアニメ関連の記事を書いたから、いっそのこと、

何故か「魁クロマティ高校」のOPになった「純」の事でも

書こうかと思ったのですが、捻くれ者らしく暴投気味の変化球を。

 

バッドボーイズは、元々ビートルズのコピーバンドとして

話題になっていたようで、「アビーロード」のB面の メドレーも

演奏したという事で恐れ入ります。

そんな中、日本盤編集の「ミート・ザ・ビートルズ」を

ジャケから選曲までコピーしたアルバム「ミート・ザ・バッドボーイズ」を

発売します。そして同時発売のシングルが、吉田拓郎さんが作曲、

岡本おさみさんが作詞の「ビートルズが教えてくれた」です。

 

ビートルズが教えてくれた ( Live version) The Bad Boys - YouTube

 

この曲は拓郎さんが「伽草子」でも歌っています。

CDの解説によると、バッドボーイズを見て気に入った拓郎さんが

プレゼントしたとありますが、「伽草子」の発売が1973年の6月、

バッドボーイズのシングルの発売が同年10月。

それ以前にプレゼントされたのか、話題づくりのためのカバーだったのか、

その辺りの事情は分かりません。

アルバムの解説も拓郎さんが書いていますので、

売り出す気は合ったのでしょうけど、残念ながらヒットはしませんでした。

 

アルバム自体は、楽器等も可能な限り同じものを使用し、録音もほぼ一発録音、

16トラックのうち4トラックだけ使用し、ステレオで録音したものを

モノラルに変更するなどの徹底ぶり。ファンなら思わずニヤっとする事でしょう。

 

セカンドシングルを発売して(B面は小田和正さんの作詞作曲でした)

バッドボーイズは解散。ポール役だった清水仁さんは、

後にオフコースに参加します。

バッドボーイズのシングルはなかなかレアで見かけないのですが、

1989年発売の再発CDには、2枚のシングルがボーナストラックに入っています。

それ以後の再発では入っていないので貴重です。

しかしながら、音源自体に関しては、シングル含めて

ダウンロード販売しているんですよね。そういう時代なんですね。

拓郎さん以外でも井上陽水さんも引退するのではといわれてまして、

寂しい限りです。これも時代の流れですかね。