月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.93 裸のラリーズ公式3種再発

2022-10-13 00:14:14 | サイケデリック

30年越しの悲願がようやく叶いました。

オリジナルを買い逃して後悔した日々もようやく終わる事に。

再発される事のないと思っていた裸のラリーズの公式CD3種、

本日、無事に届きました。感無量です。

 

荷物が思っていたよりも軽いなと思っていましたら、

オリジナルがプラケース仕様だったのに対し、

今回の再発盤はデジパック仕様でした。特に「'77 LIVE」は

昔よくあった分厚いタイプの2枚組ケースから一気にスリムになって

少々違和感が。でも慣れればこれはこれで悪くないです。

帯はほぼオリジナルと同様で、この点は良かったとは思います。

 

中身の音に関してですが、久保田麻琴氏による

リマスターが行われています。詳細は公式HPに掲載されています。

 

オリジナル・アルバム3タイトル再発に関するプレスリリース | Les Rallizes Dénudés (lesrallizesdenudes-official.com)

 

気になったのは、当時の最先端の技術で作られたデジタルマスターが、

現在ではそのデジタルテープを再生する機械が、

状態のいいものが少ないという事。その当時作られた

デジタルマスターって、今後どうなるのか不安ですね。

 

気が付いたら、販売サイトに詳しい解説がアップされていました。

参考までに。(CDには解説や歌詞は何もありませんでした)

 

Les Rallizes Dénudés(裸のラリーズ) / ’67-‘69 STUDIO et LIVE[CD]UBCA-1073 | Tuff Beats (tuff-beats.com)

 

Les Rallizes Dénudés(裸のラリーズ) / MIZUTANI / Les Rallizes Dénudés[CD]UBCA-1074 | Tuff Beats (tuff-beats.com)

 

Les Rallizes Dénudés(裸のラリーズ) / ’77 LIVE[2CD]UBCA-1075-1076 | Tuff Beats (tuff-beats.com)

 

 

とりあえず、「’67-‘69 STUDIO et LIVE」を聴いていますが、

少し気になる部分が。

4曲目「Les Bulles de Savon / Soap Bubbles」

の2:38あたりにデジタルなエラー音がありましたね。

昨日から一部で話題になっていました。静かな曲なので

気になってしまいます。残念です。

音的には1曲目の最初期のライブの音は、これ以上は良くならないかなと。

それ以外は問題ないかなとは思います。

後、「'77 LIVE]の「THE LAST ONE」の収録時間が

少々短くなっているという話もあり、う~んと思ってみたり。

アナログ盤も同じ様だったら、購入もどうするか考えないといけないかも。

更にアナログ盤に関しては、海外でもプレオーダーが開始されていますが、

そちらの方はカラーレコード仕様だとか。

日本からは直接注文出来ないようで、なんだかなぁ。

 

また、リイシュー記念にリスニングパーティが開催されるようです。

 

裸のラリーズ、オフシャル3作のリイシューを記念した爆音リスニング・パーティ開催 | OKMusic

 

特にラリーズのライブは、実際に体験しないと凄さはわからないので、

ライブを見る事が出来ない今、こういったリスニングパーティが

最良の方法かもしれません。家庭用の機器だと限界がありますし

近所迷惑ですし。自分は、時期的に行くのが無理なのが残念です。

 

とりあえず、残りは明日以降に聴こうかと思います。

不備が出てきたりしたので、嬉しさが半減してしまい複雑な気分に

なりつつあります。

 

10月17日追記

デジタルノイズの件、公式HPにて希望者には交換に対応するとの

発表がありましたね。アナログ盤は大丈夫との事です。

この件は、これにて一件落着かな。

 

Les Rallizes Dénudés(裸のラリーズ)『’67-’69 STUDIO et LIVE』CDをご購入いただきましたお客様へ | Les Rallizes Dénudés (lesrallizesdenudes-official.com)

 


NO.92 MAGMA「LIVE」

2022-10-09 23:38:49 | 厳選ライブ盤

本来なら、今月は待望のマグマの来日公演があって

ウキウキしているはずでしたが、仕事の都合及びコロナの影響で

結局断念。研修とかも入ってしまいどうしようもない状態です。

しかも来月早々には受けなければならない試験もあり、

そろそろ勉強する時間も確保しないとなぁ。

 

という事で、テンションを上げる為にこの「LIVE」を引っ張り出しました。

マグマは発掘盤を含めてライブ盤を数多く出していますが、

難点はあるもののやはりベストは、1975年6月1日~5日に

パリオリンピア劇場で行われたものを編集した「LIVE」ですね。

マグマはメンバーチェンジが激しく、年代によってメンバーが総入れ替え

したりしていますが、70年代中期のこのメンバーは、

マグマ史上でもトップクラスだと思います。

 

 

 

一癖も二癖もあるこのメンバーは左から

Stella Vander(Vo)・Christian Vander(Dr)・Jean-Pierre Assline(Key)・Didier Lockwood(Violin)
Bernard Paganotti(B)・Benoit Widemann(Key)・Gabriel Federow(G)・Klaus Blasquiz(Vo)

 

特にディディエ・ロックウッドは、この時はまだ17才だったといいます。

後年になって、フランスのジャズ界の巨匠になろうとは誰が予想出来たでしょうか。

 

1枚目の「Kohntarkosz」からスタジオ版をはるかに凌駕する

テンションの高い演奏を聴かせてくれます。パート1、パート2を合わせて

30分以上の演奏ですが、ダレる事もなくテンションを保ち続けるのは

凄いの一言。これだけでも頭が真っ白になります。

 

2枚目の「HHAI」は、クリスチャン・ヴァンデのボーカルによる

バラードの名曲。怒涛の後半の前の一時の清涼。

小品を2曲挟んでからライブのクライマックスであるマグマの代表曲の

Mekanik Destruktiw Kommandoh(通称M.D.K.)」の怒涛の演奏。

ボーナストラックが入って全曲の半分が聴けるようになりました。

これが全曲収録されていたら文句なしの名盤になっていたのになぁ。

ここでのロックウッドの狂気じみたヴァイオリンは圧巻。

兎に角一度聴いてみてとしか言えません。

(残念ながらロックウッドはすぐに脱退してしまいますが)

 

 

マグマ関連の音源を入手する場合は注意が必要で、複雑な契約関係があり、

フランスでは自らのレーベルであるSeventh Recordsから発売していますが、

英米ではCharlyレーベルから発売されていて、

実はこのCharlyレーベルからのものは、売れてもメンバーには利益が

入らないとの事です。しかも「LIVE」に関しては、Charlyレーベルのものは

CD化の際には無理やり1枚にしたので、冒頭の「ハマタイ!」の掛け声も

カットされたりしています。(些細な事かもしれませんが

Kohntarkosz」に関しては、無いと中途半端に思えますので)

一方のSeventh Records盤は、ボーナストラックも入った2枚組。

更に音質も向上していますので、購入ならSeventh Records盤を。

ビクターから発売された紙ジャケはCharlyレーベル盤なので注意です。

昔、キングレコードから発売されていたのはSeventh Records盤です。

現在は輸入盤に日本語解説を付けたものが主にディスクユニオンで

扱っていますが、品切れのものもありますね。

もっと一般にも出回ってほしいですし、時に「LIVE]は

ライブアルバム史上、トップ10に入っていてもおかしくないと

思うくらいですが、やはり聴く人を選ぶ音楽性と英米のグループでない

というのがネックでしょうか?もっと評価されてもいいのにと思います。

 

 

 


NO.91 ルシア塩満「黄昏色の秋」

2022-10-06 01:03:22 | 隠れた名曲

ふと思い出した秋の歌。今回は斜め上の変化球で。

 

30数年前、ワールドミュージックが流行して、

これまで聴く機会の少なかった色々な地域の音楽が流れていたりしました。

当時はミュージックマガジンを購読したり、

FMで特集されたものを聴いたりしていましたね。

イギリスやアメリカでヒットしているものしか聴けなかったのが、

南米やアフリカ、中近東等、これまで接することのなかった

音楽を聴けたので、なかなか有意義な時間だったと思います。

残念ながら思っていたほど売れなかったのか、ブームは数年で終わりました。

それでも生き残ったのは、ジプシーキングス

(ビールのCMで使われた「ボラーレ」のカバーや

鬼平犯科帳のEDで使われたり)

ケルト系音楽のエンヤぐらいですか。

あれほど流行ったランバダもすぐ消えましたし。

 

そんな中でも好きなアーチストの一人だったのが、

アルパ(パラグアイの小型ハープ)奏者のルシア塩満さんです。

NHKFMでのライブ放送を聴いたのが切欠でしたが、

アルパの音色が印象的で、ちょっと聴いただけで気に入りました。

西洋のハープとはちょっと違って、何となく庶民的な響きがあって

なかなかいいなと感じていたのです。

 

 

コンサートも何度か見に行ったことありますが、

やはりアルパの奇麗な音色は、生で聴くと感動的ですね。

コンサートでは「カスカーダ」や「牛乳列車」等、アルパの有名アーチストの曲を

演奏することも多いですが、「八月の濡れた砂」や「秋桜」、

「川の流れのように」といった日本の楽曲をアレンジして演奏したりします。

 

 

ルシアさん自身のオリジナル曲もありまして、

自分が一番好きなのが、やはり「黄昏色の秋」ですね。

初めてFMで聴いた時には涙が出そうになった事を思い出します。

日本を感じさせる抒情的なメロディにアルパが上手くマッチした

名曲と思いますね。スタジオ録音盤には、

チェロの溝口肇さんが参加しているようです。

 

 

今回、久しぶりに90年代の終わりに自主製作された

ライブ盤を引っ張り出してきました。以前、ソニーから

ベスト盤に近い感じのものが発売されたこともありましたが、

残念ながら現在は廃盤です。ルシアさんのアルバムは、

基本的には自主製作で発売されていますね。

 

ここ十年ぐらい、活動とか気にしてなかったですが、

2年前に活動45周年を迎えていたようで、昔と変わらない

若々しい姿を久しぶりに見ました。若さを保つ秘訣とか聞いてみたいですね。

 

 


NO.90 「炎のファイター」(追悼・アントニオ猪木氏)

2022-10-02 00:45:33 | アラカルト

今朝、出勤直前でとんでもないニュースが飛び込んできました。

アントニオ猪木氏が死去されたとの事。

前日の円楽師匠の死去のニュースでもキツかったのに、

更にこのニュースには追い打ちをかけられてしまいました。辛いです。

 

嘗ての自分にとって、金曜夜8時と言えば、「太陽にほえろ」でもなく、

「3年B組金八先生」でもなく、

ひたすら「ワールドプロレスリング」を見ていました。

ゴールデンタイムにプロレスが放送されていた黄金時代、

小さい頃の自分は、夢中になって見ていましたね。

スタン・ハンセンやアンドレ・ザ・ジャイアント、

ハルク・ホーガン等の巨漢の外国人レスラー相手に一歩も引かぬ

猪木さんの戦いぶりに興奮していたっけ。

 

後年、年齢を重ねるにつれ若手も台頭してきて、引退を宣言。

引退カウントダウンの勝負では、キラーとも魔性とも言われ

他の選手には出せない凄味を見せつけました。

東京ドームで行われた引退試合は、豆粒ぐらいしか見えないような

後方の席しか入手出来ませんでしたが、それでも見に行かねばと

馳せ参じたわけです。公称で7万人集まったといいますが、

実際にはもっと多かったとも言われています。流石と言うべきですね。

 

猪木さんは思い付きで行動することが多々あり、

周りを巻き込んでしまう事もよくありましたが、

何をやっても許せてしまう不思議な魅力がありましたね。

そして政治家となってイラクの人質解放を実現するなど、

普通では考えられない事を実現してしまう。

もうこのようなレスラーは出てこないでしょうね。

 

そんな中、しまい込んでいたEP「炎のファイター」を

久方ぶりに聴いています。長い間、会場で使用されていた

オリジナルバージョンはこのシングルだけでしたので、

昔、少々のプレミア価格でしたが見つけた時に購入しました。

そしてシングルが発売されて約20年後にようやくCD化されます。

 

 

本当はプロレスのテーマソングの複雑な関係について

色々書こうかと思ったのですが、

今はどうも考えがまとまりませんね。落ち着いたら記事にしたいと思います。

 

 

ここ数年は、痛々しい姿ばかりを見て心痛めましたが、

それでも前向きに生きようとする姿を感じて

奇跡を起こしてくれるのを信じていました。

残念ながら願いは叶いませんでした。

ご冥福をお祈りします。


NO.89 メロトロンあれこれ

2022-10-01 00:33:54 | 音楽雑学

フードブレインの柳田ヒロさんのオルガンはやっぱりいいなと

色々と検索をしたからかわかりませんが、

Youtubeのお勧めにMellotron Microなるものが出てきました。

自分は全く楽器が出来ないので、楽器の専門的な記事は見ないですが、

メロトロンが今でも製品を出しているのは知らなくて、

デジタル化したメロトロンってどんな感じなのかなと拝見しました。

 

 

メロトロンって言うと、最古のサンプリングとも言われていて、

簡単に言うと鍵盤を押すと楽器に内蔵されているテープを再生

するものです。色々な楽器の音のテープが用意されています。

テープに録音した音ですので、何かレトロな感じがして、

自分も含めて好きな人は多いと思います。

ただテープを再生するので長い音は出せない、チューニングが難しい、

長年使うとテープがよれる等、扱いはなかなか難しいです。

当時のメロトロンはほとんど残ってなく、実際に演奏出来るものは

かなりの貴重品です。簡単に解説した動画はこちら。

 

 

最近の日本のアーチストの曲にも使われているものがあったりするようで、

ちょっと吃驚です。

 

実際にメロトロンが使われている洋楽ってどんなのがあるかと考えてみたら、

やっぱりすぐ思いつくのが、ビートルズの

「ストロベリーフィールズ・フォーエバー」ですかね。

イントロを聴けば、ああ成程と思うかと。

 

 

本人の演奏ではないですが、メロトロンの内部を見れるのは

なかなかなくて貴重かと思われます。

 

個人的に好きなのは、キングクリムゾンの「クリムゾンキングの宮殿」

これを聴いて気に入らなかったら、メロトロンは合わないと思っていいかも。

 

 

そしてこれも王道のレッド・ツェッペリンの「天国への階段」

NO.60で紹介したツェッペリンのトリビュートバンドのシナモンは、

この曲のイントロに使うためだけにメロトロンをライブ会場に

持ち込んだとか。うん、ハンパないですね。

 

 

他にも色々あるけど、きりがないのでここまで。

やっぱメロトロンはいいなぁ。でも今のデジタルのメロトロンよりも、

図体ばかり大きくて扱いづらい昔ながらのメロトロンの方がいいって人、

多いんじゃないかなと思ってみたり。