本来なら、今月は待望のマグマの来日公演があって
ウキウキしているはずでしたが、仕事の都合及びコロナの影響で
結局断念。研修とかも入ってしまいどうしようもない状態です。
しかも来月早々には受けなければならない試験もあり、
そろそろ勉強する時間も確保しないとなぁ。
という事で、テンションを上げる為にこの「LIVE」を引っ張り出しました。
マグマは発掘盤を含めてライブ盤を数多く出していますが、
難点はあるもののやはりベストは、1975年6月1日~5日に
パリオリンピア劇場で行われたものを編集した「LIVE」ですね。
マグマはメンバーチェンジが激しく、年代によってメンバーが総入れ替え
したりしていますが、70年代中期のこのメンバーは、
マグマ史上でもトップクラスだと思います。
一癖も二癖もあるこのメンバーは左から
Stella Vander(Vo)・Christian Vander(Dr)・Jean-Pierre Assline(Key)・Didier Lockwood(Violin)
Bernard Paganotti(B)・Benoit Widemann(Key)・Gabriel Federow(G)・Klaus Blasquiz(Vo)
特にディディエ・ロックウッドは、この時はまだ17才だったといいます。
後年になって、フランスのジャズ界の巨匠になろうとは誰が予想出来たでしょうか。
1枚目の「Kohntarkosz」からスタジオ版をはるかに凌駕する
テンションの高い演奏を聴かせてくれます。パート1、パート2を合わせて
30分以上の演奏ですが、ダレる事もなくテンションを保ち続けるのは
凄いの一言。これだけでも頭が真っ白になります。
2枚目の「HHAI」は、クリスチャン・ヴァンデのボーカルによる
バラードの名曲。怒涛の後半の前の一時の清涼。
小品を2曲挟んでからライブのクライマックスであるマグマの代表曲の
「Mekanik Destruktiw Kommandoh(通称M.D.K.)」の怒涛の演奏。
ボーナストラックが入って全曲の半分が聴けるようになりました。
これが全曲収録されていたら文句なしの名盤になっていたのになぁ。
ここでのロックウッドの狂気じみたヴァイオリンは圧巻。
兎に角一度聴いてみてとしか言えません。
(残念ながらロックウッドはすぐに脱退してしまいますが)
マグマ関連の音源を入手する場合は注意が必要で、複雑な契約関係があり、
フランスでは自らのレーベルであるSeventh Recordsから発売していますが、
英米ではCharlyレーベルから発売されていて、
実はこのCharlyレーベルからのものは、売れてもメンバーには利益が
入らないとの事です。しかも「LIVE」に関しては、Charlyレーベルのものは
CD化の際には無理やり1枚にしたので、冒頭の「ハマタイ!」の掛け声も
カットされたりしています。(些細な事かもしれませんが
「Kohntarkosz」に関しては、無いと中途半端に思えますので)
一方のSeventh Records盤は、ボーナストラックも入った2枚組。
更に音質も向上していますので、購入ならSeventh Records盤を。
ビクターから発売された紙ジャケはCharlyレーベル盤なので注意です。
昔、キングレコードから発売されていたのはSeventh Records盤です。
現在は輸入盤に日本語解説を付けたものが主にディスクユニオンで
扱っていますが、品切れのものもありますね。
もっと一般にも出回ってほしいですし、時に「LIVE]は
ライブアルバム史上、トップ10に入っていてもおかしくないと
思うくらいですが、やはり聴く人を選ぶ音楽性と英米のグループでない
というのがネックでしょうか?もっと評価されてもいいのにと思います。