横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

子供用DJスタジオ(篠原地区センター)

2022-04-23 23:34:35 | 活動の記録

本日、4月23日は篠原地区センターでおもちゃ病院を開催しました。10時から開始とともに、やってこられたお客様が持ってきたのがこれ! 何とDJスタジオ!

仕組みは電子ピアノと同じですが、DJスタジオのおもちゃがあるとは知りませんでした。故障状況は、右側にあるSound Effectと書いてある6つの白いボタンが反応しないとのこと。たぶん、白いボタンの下にある、ゴムボタンやその下にある電子基板上の電極を清掃すれば直るでしょう。ということで、本体を開けてみます。

電子基板はホコリだらけ。まず、歯ブラシで電子基板を清掃します。その後、スイッチとなっているゴムボタンを外します。なんと、30個もありました。

ゴムボタンの断面は、こんな感じ。ゴムボタンの裏側にある導電性塗料が劣化して電流の通りが悪くなったか、電子基板上の配線パタンが酸化して、ゴムボタンの導電性塗料を押し付けても電流が流れないかのどちらかです。

修理としては、30個のゴムボタンの裏側にある導電性塗料を6Bの鉛筆で上塗りしました。また、スイッチとなっている30個の配線パタンも清掃しました。ここで、難問発生です。ゴムボタンを電子基板にはめ込むのが難しいのです。押し込んでも入らないし、足が2つあるので、それを裏からピンセットで引っ張り出そうと思いましたが、短くてうまくできません。さて、困った。1個でも難しいにの30個もあります。何か方法を考えないと。。。

ゴムボタンを眺めていると、2つの足がついているところに穴が空いています。何か細い針金のようなものを、この穴に入れ、そのまま電子基板の穴に押し込めばいいわけです。工具箱を漁っていると、ゼムクリップがありました。早速、ゼムクリップを使って、やってみるとうまく行きました。地道な作業ですが、30個をきれいに装着できました。

音を鳴らすとこんな感じです(YouTube動画)。

原理は電子ピアノですが、音の迫力は満点。

DJになり切って、遊ぶ子供を想像したら、思わず笑みがこぼれました。

 


思い出のメリーゴーランド(綱島地区センター)

2022-04-10 22:24:17 | 活動の記録

さくらの開花とともに暖かい季節がやってきました。4月9日は綱島地区センターでおもちゃ病院を開催しました。この綱島地区センターは、2ヶ月毎の開催なのすが、いつも予約がいっぱい。この日もたくさん修理しました。中でも一番印象的な修理がこれ!

持ってこられたお客様はなんと、名古屋からやってきたのでした。各所のおもちゃ病院に相談されたそうなのですが、やってもらえるところがなく、当方の修理ブログに似たような修理記事を見つけてやってこられました。なんでも、息子さんが生まれた時に買った思い出のメリーゴーランドとのことでした。ここで無理なら諦めるしかありませんとまで言われると、頑張らざるを得ません(汗、汗)。息子さん、現在29才とのこと、つまり29年前の外国製のメリーゴーランド の修理に挑戦です。

故障状況は、スイッチをONにするとメリーゴーランドが音楽と共に周り、ランプもつくそうなのですが、全く動きません。まずは、中を開けてみるしかありません。日本製のおもちゃは、本体の裏側にあるネジを外すと分解できます。このメリーゴーランド、裏側には分解すべきネジがありません。さて、どうやって、分解するのか。。。テント屋根の先端にネジを見つけました。このネジを外し、テント屋根を外し、回転する黄色のテーブルを外し、中身が見えました。

写真を撮り損ねましたが、モータについているギヤが割れていました。ギヤは外国製、それも29年前のものですから代えのギヤはありません。前回と同様に、ギヤのフランジにワッシャをはめ込むことにしました。そうは言っても、ちょうど良い内径のワッシャがなく、地道にワッシャの内径を削ることにしました。

ようやく、ワッシャの内径が広がり、ギヤを補修して、プーリーに組み付けました。これで完成です。

直ったメリーゴーランド、こんな感じで動き出しました(YouTube動画)。

お客様は大喜びだったのは言うまでもありません。こっちも、プレッシャーがかかっていたので、ほっとしました。おもちゃ(というより、アンティーク小物かな)を直すことで、お金で買えない思い出のお手伝いができ、こっちも嬉しくなりました。