横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

ハマーのラジコン(残念ながら、不治)

2017-05-27 23:52:10 | 活動の記録
ラジコンの修理で、ハマーがやってきました。

ハマーは、米国の軍用車を乗用車としてカスタマイズしたもので、大柄の四輪駆動車であり、公園の凸凹を疾駆する車体にはぴったりの車です。故障内容は、リモコン(送信機)で全く操作できないとのこと。


今回の修理、結論から言うと治りませんでした。でも、かなりのところまでやったので、ブログの記録としては載せておこうと思います。

送信機は、40MHzの周波数を使い、右上にあるスイッチで、オンとオフ、周波数選択を行います。X、A、B、Cの4つを小さなスイッチで切り替えます。Xがオフですから、通常であれば、A、B、Cのいずれかにセットすると、送信機と車体がペアリングを始め、前輪が少し動けば、遊ぶことができます。公園で、同じラジコンを持っている友達がいる場合、混信しますから、お互いに異なる周波数を選択できるようになっているわけです。

以前にも持ち込まれた、この手のオモチャは、このスイッチが不良でした。今回もたまにはペアリングが成功することがありますが、すぐに動かなくなってしまいます。
このスイッチは汎用品ではありませんから、交換することはできず、分解して清掃することにしました。ここまでやるドクターの技量は、大変なものだと。同じドクターでも感心します。


注意深く分解し、清掃して組み付けると、そのスイッチの仕組みがわかりました。
6接点の2連(12接点!)スイッチなのですが、2つの小さな金属スリーブが一つおきの接点を短絡するように、同時にスライドしていく仕組みでした。


モータの分解修理も、スイッチの分解修理も普通のおもちゃ修理ではやりませんが、交換部品がないときは、このような作業をすることがあります。
今回は、ここまでやったけど、ペアリングはできませんでした。

持ってきたお父さんと子供たち、ごめんね。
他に壊れたおもちゃあったら、持ってきてね。

無限の彼方へ、さあ行くぞ!(バズ・ライトイヤー)

2017-05-27 23:23:57 | 活動の記録
お母さんと男の子が、ディズニー映画トイストーリーに出てくるキャラクター、バズ・ライトイヤーを持ってきました。シャイな男の子でしたが、バズが大好きで、いくつも持っているとのこと。

よくわかるなぁ、その気持ち。

持ち込まれたバズは、昔のGIジョー(ちょっと古すぎかな)のように、手足の関節が動きますし、右手のスイッチを押せば、LEDが発光し、音がなります。背中のボタンを押せば、羽が飛び出す仕組みなっていて、映画に出てきたバズ(映画の中でもオモチャだから当たり前ですけど)そっくりのオモチャです。


故障内容は、右手がバネで上がりっぱなしになっているとのこと。
左手は右手と構造が異なり、関節だけが動くようです。

ネジは全て、メクラフタで隠れていて数も多く、分解するだけで一苦労。


分解したはいいのですが、本来どのような仕組みで、右手が動いていたのかわかりません。男の子に聞くと、普段は下がっているとのこと。

確かに、右手を振り上げるバネの仕組みはありますが、右手を下ろした時のロック機構がありません。
あーでもない、こーでもないと、しばらく悩みました。

やっと見つけました。右手を下ろすと、ボディ内部で軸が回転し、出っ張り部分が引っかかりそうな溝がありました。この溝を構成している部品を取り出し、しげしげと眺めていると、右手と連動している出っ張りが当たるところが、少しすり減っています。アクリルパウダーで磨耗した部分を補うしかないかなぁと思っていると、この部品は左右対称なことに気がつきました。

そうです、使っていない反対側を使えばいいと(コロンブスの卵!)、この部品を裏返しにして組み立てました。


これで修理完了です。
また、壊れたら持ってきてね。



バイクの目覚まし時計

2017-05-27 23:06:31 | 活動の記録
なかなか、古そうな目覚まし時計が持ち込まれました。

このオートバイなのですが、よく見ると後輪が時計になっています。


持ち込まれた方によると、ずいぶん古いものなのだそうですが、電池が液漏れして以来使っていないとのこと。
さあ、目覚ましとしてどんなオートバイの音がなるのか、楽しみな修理になりました。

故障箇所は、ここです。


だいぶ、錆びていて、電極を磨くのではなく、交換しなければならないでしょう。
でも、故障箇所が分かっている修理は、気が楽です(しかし、罠が待っていたのでした)。

腐食した電極を取り外し、新しい電極をつけ、電池を入れて修理完了と思ったのですが、あれれ。
時計は動き出しましたが、時計の目覚まし針を時刻に合わせても、音学はなりません。古いから音学モジュールが壊れているのか。

この目覚まし時計は、単三電池を3本使います。1.5V×3=4.5Vが音学モジュールの基板にかかっているはずですが、テスターで電圧を測って見ると、4.5Vが現れません。
そう言えば、電池ケースから基板や時計モジュールに出ている配線が変です。気がつけば簡単なのですが、3本は直列に使っているのではなく、1本を時計に、2本直列を音学モジュールに使っていたのでした。こんな感じの配線でした。


音学モジュールは、時計の目覚まし針が時刻と一致した時、制御線を通じてスイッチが入る仕組みでした。
迫力のあるオートバイサウンドがなり、これなら朝も一発で目が覚めそうです。


トミカの自動車工場(美しが丘西地区センター)

2017-05-27 16:52:46 | 過去の記録
今日は久しぶりのオモチャ病院に参加しました。会としては毎週、精力的に活動しているのですが、ブログ担当の私が参加できず更新が滞っていました。
さてさて、連続していくつか面白い修理ネタがあったので記事をアップします。

まずは、今日お会いしたドクターから持ち込まれた記録です。
5月9日の美しが丘西地区センターの修理記録とのこと。

ものは何かと言うと、トミカの自動車工場です(トミカのHPから借用しました)


トミカは子供の、特に男の子の大好きなオモチャであり、ベストセラーです。時代を反映する自動車もあれば、形が特殊な工事車両もあります。特に人気なのはパトカーですね。私も40年前には、たくさん持ってました。

トミカワールドには、たくさんの自動車本体以外にも、街を作るセットやドライブコースなど様々なものがあります。
持ち込まれたのは、自動車工場というセットです。

ハンドルを回すと、自動車がエレベータで持ち上げられ、坂道を降っておりてくるセットです。
お父さんが持ち込んだのですが、エレベータで持ち上げられたトミカが黄色い回転台に乗ると、次の道路につながる時にスロープがうまく動かないという症状です。
黄色い回転台のスロープは、普段閉じていて、道路とつながる時のみ下がっているのが正常なのですが、常に下がっているとのこと。

さて、色々仕組みを確認していると、このスロープを動かすべきパーツの組み上げ方が間違っていることに気がつきました。
茶色の柱に、同じ茶色のスリーブを組み付けるのですが、その位置は黄色の回転台の下であるべきなのに、柱の根元に付けられていました。


つまり、壊れているのではなく、組み立て方が間違っているだけでした。

オモチャドクターと言えども、持ち込まれるオモチャの正常な動作を全て知っているわけではありません。仕組みを理解しながら、故障を発見するのですが、今回のように組み立て間違いというケースもたまにあります。

めでたし、めでたし。