横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

ラジコンは事前設定が大切(ラジコン3台)生麦地区センター

2022-02-05 21:45:24 | 活動の記録

今日、2月5日は生麦地区センターで活動しました。

今日も色々なおもちゃが持ち込まれましたが、3台のラジコンがありました。どれも、ラジコン特有の修理(?)となりましたので、ご紹介します。

まずは、ウインチのついた赤のジープ。

「電池は交換したのですが、動きません」とのこと。そうは言っても、おもちゃ修理の基本ですから、全ての電池の電圧を測ってみます。コントローラは006P(9v)の電池1個、ジープ本体は単二型の電池を4本、006Pの電池が1個入っていました。単二電池は2個がOK、残り2個はNGでした。006Pは2個ともNG。

ということで、電池を入れ替えてみれば、全く問題なく、動きました。修理した(?)ジープを取りに来た親子に、「電池がありませんでしたよ」と伝えると、お父さんは「電池を変えたんですが。。。」、子供は「変えてないよ」と真実はわからず(笑)。

電池を変えたつもりはよくあることですが、最近では006Pの電池は珍しくなりましたので、電池と認識しない方もいるかもしれません。このジープの本体電池ボックスは、二重構造なので奥にある006Pに気が付かないかもしれません。

 

2台目は、黒のジープ。

このジープ、コントローラで操作ができないとのこと。このジープも故障ではなく、コントローラと本体のペアリングの問題でした。

ラジコンのおもちゃには27MHzや40MHzのHF帯の電波や電子レンジなどに使われる2.4GHzの電波が使われています。同じ電波を使うラジコンで遊ぶ子供がたくさんいると、混信して遊べなくなってしまいます。一つのリモコンで、2台が同時に動いたり、全く操作ができなかったりします。

そこで、ラジコンで遊ぶ前(電源を入れるとき)、コントローラと本体の結びつきを設定します。これをペアリングと言います。コントローラはペアリングした本体だけ操作することができるわけです。つまり、ペアリングをしていなければ、故障と勘違いする状況になります。ラジコンによってペアリングのやり方は、異なりますので、取り扱い説明書を見て、事前設定する必要があります。

このジープは取り扱い説明書がなくなってもいいように、電池ボックスやコントローラ背面にペアリングの方法が書いてありました。とっても親切です。

 

3台目は子供に人気にカルソニック日産、レーシングカーです。

故障状況は全く操作できないとのこと。ラジコンチェッカーで、コントローラからの電波が出ているか確認してみると、全く出てません。コントローラが原因であることはわかりましたので、中を開けてみましたが、明確な故障箇所はありませんでした。

コントローラのトグルスイッチの接点を掃除しても状況は変わりません。このラジコンはペアリングではなく、電波の周波数をコントローラと本体のそれぞれで事前に設定しておく必要があります。この周波数スイッチは、電池ボックスの奥にあるので、電池を外さないと見つかりません。

この周波数がコントローラと本体でずれているのか、それともそれぞれの周波数選択スイッチが壊れており、切り替えがうまくいっていないのかもと疑ってみましたが、どうやら違うようでした。

最後の手段ということで、コントローラの内部基板の全てのハンダつけ箇所を、やり直してみることにしました。目に見えないクラックが発生していて、断線している場合があるからです。先の細いハンダコテで、ハンダつけ箇所を加熱し、一旦溶かしてみます。ハンダが少量のところは、ハンダを盛ってみました。

偶然か必然か、修理としては成功し、コントローラでジープは動くようになりました。持ち込まれたお客様には、修理の苦労は伝えられませんでしたが、周波数選択を事前にやる必要があることをお伝えしました。

3台のラジコンは、電池、ペアリング、周波数選択など、どれも遊ぶ前にはやっておかなければならないことの重要さを教えてくれました。お客様には「ラジコンは事前設定が大切なので、取り扱い説明書をよく読んでお使いください」とお伝えするものの、おもちゃドクター自身も子供のころは取説を読まないで遊んでいましたね。