横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

故障原因がわからない(水陸両用ラジコン)篠原地区センター

2021-05-24 19:36:45 | 活動の記録
5月22日は篠原地区センターの活動日でした。篠原地区センターでは、毎月の第四土曜日に定期的に開催しています。
この日、数は多くなかったのですが、非常に苦労したおもちゃがこのラジコン。結果から先に言うと、数人がかりで、昼食を挟んで、4時間以上もかかりました。


このラジコン、なんと水陸両用!。リフトアップ型のジープなのですが、大きなタイヤが浮きとなって、水の中をアメンボのように進むようです。タイヤについている溝も大きく、水をかき出して前へ進むわけです。このアイディアには脱帽ですが、車軸からモーターに水は入るはずだし、生活防水って言い過ぎじゃないかと、おもちゃドクターは思うのでした。

故障状況は、「後進は普通にできるけど、前進させると非常に遅く、少し経つと止まってしまう」と言う内容です。これだけでは、さっぱり故障原因がわかりません。電池も交換し、コントローラの電波が出ていることを確認したので、故障は車体本体となります。

「モーターを前後させるトランジスタが2個あるはず、その前進側のトランジスタ故障じゃない?」
「トランジスタ故障は、こんな中途半端な故障にならず、前進できないと言う症状になるんだけどなぁ」

「モータのブラシでも破損しているのでは?」
「モータのブラシ故障なら、前進と後進の両方に影響が出るはず。前進だけ故障にならないなぁ」

とこんな中途半端な故障は何が原因かさっぱりわかりません。電池は6本なので、9v。電池ボックスの電圧を測りながら、前進と後進をさせてみると、前進のときは大きく電圧が低下します。つまり、前進のときには、大きな電流(ショート状態)が流れ、電池が電圧を支えきれず、大きく電圧が下がっているのです。この過電流が流れるところは、基板かモータしかあり得ないので、まずは基板から確認し、次にモータへ進むことにしました。


このラジコン、水陸両用を自慢するだけあって、前後のモータにつながっているリード線も防水処理してあるので、基板ユニットを出すのも一苦労。やっとこさ、基板を取り出し、目視で確認してみました(①)。基板のどこかで、過電流が流れていれば、部品や基板が変色しているはずですが、そんな様子はありません。残念、ここじゃないのか。

次に、モータユニットを開けてモータを取り出します。このでかいタイヤを抜くのも苦労しましたが、モータユニットは、前回の菊名で直したラジコンと同じように、車軸が圧入されてます。厳しい! 今回は、モータユニットの構造が異なるので、ユニット切断することなく、車軸を抜くことができ、モータを取り出しました(②)。取り出したモータを外部電源で確認してみると、確かに前進のみ過電流が流れます。モータの中を見てみると、ブラシの先端が破損し、取れていました(③)。ブラシの破損部品が、前進の時のみ、どこかに食い込んでショートさせていたようです。こんな症状が出るなんて、破損箇所がわかっても、不思議な故障でした。

やっと原因がわかったので、モータを新品に交換します。このモータは、マブチの280タイプです。さあ、交換と言うことで、金属製のピニオンギヤを抜きます(④)。新しいモーターにピニオンギヤを移し替え、次にはモータの穴に、ネジを切ります(⑤)。モータの固定に、この穴を使ってネジ止めしているからです。モータの穴に、タップを立てます(⑥)。

以上、ブログとして書いてみると、苦労が伝わらないのですが、タイヤをとるのも苦労したし、モータユニットから車軸を抜き取るのも大変だったし、電池ボックスは開かないしと苦労の連続。それでも、3人よればなんとやらで、故障原因を見つけ出し、修理完了となりました。

今日の修理は、苦労も多い分、達成感はひとしおでした。でも、またきたら、どうしよう!?

車軸が抜けない(ラジコン修理)菊名地区センター

2021-05-10 00:00:36 | 活動の記録
5月8日は、菊名地区センターで活動しました。


さて、今日もたくさんのおもちゃがやってきました。


いくつか大変な修理があったのですが、皆で知恵を絞って直したのが、これ。トヨタのCH-Rという車種のラジコン。故障内容は、前進や後進が動かないとのこと。お父さんは、CH-Rに乗っているのでしょうか。


前後が動かないのは、ギヤボック故障などの車本体の故障か、コントローラの前後を操作した時に電波が出ていないかのどちらかになります。この日、同じ周波数のラジコンが持ち込まれていたので、そのコントローラで試してみると、左右は動きますが、やっぱり前後は動きません。つまり、コントローラ側の故障ではなく、車本体のモータユニットの故障になります。

コントローラの前後を操作した時、モータ音は聞こえるので、ギヤ割れだと想定して、ネジを外してモータユニットを開けようとしてみたのですが、開きません。このおもちゃは、モータユニットを組み立てた後、モータによって回転する金属のシャフトに、白いプラ製の車軸を左右から圧入して作られています。このため、モータユニットを開けるためには、白い車軸を引き抜かなければならないのですが、圧入されているため、簡単には抜けません。ペンチで白い車軸を強く握って抜くと、プラ製の車軸が潰れてしまうでしょう。さて、どうしたものか。


あーでもない、こーでもないと知恵を出した結果、モーターユニットの一部を切断し、プラ製の車軸が金属シャフトに圧入されている部分を見えるようにして、マイナスドライバーでこじってみようと決めました。断面図で表現すると、こんな感じです。


やっと、プラ製の車軸が抜け、モータユニットが開きました。ギヤボックス内では、金属シャフトを回すギヤが空回りしていました。金属シャフトのローレット(すべり止め部分)に、ギヤを移動させ、修理は完了しました。圧入によるおもちゃ製造は、直すことは考えていないのでしょうね。きっと。

おまけに、ちょっと変わったおもちゃもきました。天井に、星座を映し出す、ホームプラネタリウムです。故障内容は、青い天球が外れていていただけでした。確認したいのですが、夜まで待つわけにもいかず、地区センターの多機能トイレのライトを消灯し、暗室にして確認しました。おもちゃと言うより、インテリアかもしれませんね。