8月24日のおもちゃ病院では、ラジコン3台に、レジスターのおもちゃなどたくさん修理したのですが、意外に苦労したおもちゃがこれ。
カンガルーの左右の手をボクシングのように動かすことのできる、ボールペンです。
おもちゃなのか、遊べる文具なのか。それはさておき、このカンガルー、背中にレバーが2つあり、左パンチと右パンチを繰り出せるようになっています。本物のカンガルーは、仲間争いの時に、後ろ足で(正確には、後ろ足としっぽの3本で)立って、まるでボクシングのように両前足を繰り出して、相手を倒します。時々、後ろ足も出るので、キックボクシングですかね。動物がボクシングのような動作をするのは、面白いですね。故障状況としては、右のパンチができないということで、やってみると、
確かに、肘が逆になるまで曲がって、そこで止まってしまいました。
仕組みは、レバーを押すと、左右の肩の軸が回転し、それに組み合わさっている左右の上腕が前に持ち上がります。上腕とグローブの腕はクランクでつながっており、上腕が前に持ち上がると、クランクによって、グローブの腕は前に繰り出されるのでした。最初に疑ったのは、クランク。クランクが微妙に曲がってしまい、グローブの腕を前に繰り出しすぎているのだと思いました。クランクは、太い針金なので、少しずつ修正して、試してみましたが変わりません。
そこで、左右の上腕とグローブ腕を分解して、しげしげと観察していると、
右の上腕と肩の回転軸がはまる部分が破損していました。つまり、肩の回転軸は回っても、上腕はうまく動かなかったり、動いてもグラグラすることになります。修理は、プラリペアでやるしかないのですが、回転軸の平らな部分を作らねばなりません。プラリペアを流し込む前に、銅の板で平らな部分にプラリペアが流れ込まないように準備をして、プラリペアで盛り上げ、固まったところで、銅板を外しました。
透明なプラリペアなのでわかりにくいですが、回転軸の平らな部分がしっかりできました。これで修理完成と思って、組み上げてみると、なんか変。回転軸は、ポリプロで中心にネジ穴が開いているのですが、上腕をネジで止めると、ネジが空回りします。そう、回転軸のネジ穴は、山が壊れているのでした。少し大きめのネジに変えて、腕を固定してみたのですが、パンチを繰り出して戻ってきた肘がボールペン本体からわずかに離れています。うーん、脇が甘いとはこの状況。どうしたものか。
肘を体(ボールペン本体)につけるため、上腕の回転軸より上にスペーサーを入れてみました。薄いプラ板です。
これで、脇も締まり、いい右パンチが出せるようになりました。
簡単なおもちゃほど、わずかなズレや隙間でおもちゃの動きが変わってしまうので、修理は結構難しいのですが、その代表例のような修理でした!
カンガルーの左右の手をボクシングのように動かすことのできる、ボールペンです。
おもちゃなのか、遊べる文具なのか。それはさておき、このカンガルー、背中にレバーが2つあり、左パンチと右パンチを繰り出せるようになっています。本物のカンガルーは、仲間争いの時に、後ろ足で(正確には、後ろ足としっぽの3本で)立って、まるでボクシングのように両前足を繰り出して、相手を倒します。時々、後ろ足も出るので、キックボクシングですかね。動物がボクシングのような動作をするのは、面白いですね。故障状況としては、右のパンチができないということで、やってみると、
確かに、肘が逆になるまで曲がって、そこで止まってしまいました。
仕組みは、レバーを押すと、左右の肩の軸が回転し、それに組み合わさっている左右の上腕が前に持ち上がります。上腕とグローブの腕はクランクでつながっており、上腕が前に持ち上がると、クランクによって、グローブの腕は前に繰り出されるのでした。最初に疑ったのは、クランク。クランクが微妙に曲がってしまい、グローブの腕を前に繰り出しすぎているのだと思いました。クランクは、太い針金なので、少しずつ修正して、試してみましたが変わりません。
そこで、左右の上腕とグローブ腕を分解して、しげしげと観察していると、
右の上腕と肩の回転軸がはまる部分が破損していました。つまり、肩の回転軸は回っても、上腕はうまく動かなかったり、動いてもグラグラすることになります。修理は、プラリペアでやるしかないのですが、回転軸の平らな部分を作らねばなりません。プラリペアを流し込む前に、銅の板で平らな部分にプラリペアが流れ込まないように準備をして、プラリペアで盛り上げ、固まったところで、銅板を外しました。
透明なプラリペアなのでわかりにくいですが、回転軸の平らな部分がしっかりできました。これで修理完成と思って、組み上げてみると、なんか変。回転軸は、ポリプロで中心にネジ穴が開いているのですが、上腕をネジで止めると、ネジが空回りします。そう、回転軸のネジ穴は、山が壊れているのでした。少し大きめのネジに変えて、腕を固定してみたのですが、パンチを繰り出して戻ってきた肘がボールペン本体からわずかに離れています。うーん、脇が甘いとはこの状況。どうしたものか。
肘を体(ボールペン本体)につけるため、上腕の回転軸より上にスペーサーを入れてみました。薄いプラ板です。
これで、脇も締まり、いい右パンチが出せるようになりました。
簡単なおもちゃほど、わずかなズレや隙間でおもちゃの動きが変わってしまうので、修理は結構難しいのですが、その代表例のような修理でした!