横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

トミカの自動車工場(美しが丘西地区センター)

2017-05-27 16:52:46 | 過去の記録
今日は久しぶりのオモチャ病院に参加しました。会としては毎週、精力的に活動しているのですが、ブログ担当の私が参加できず更新が滞っていました。
さてさて、連続していくつか面白い修理ネタがあったので記事をアップします。

まずは、今日お会いしたドクターから持ち込まれた記録です。
5月9日の美しが丘西地区センターの修理記録とのこと。

ものは何かと言うと、トミカの自動車工場です(トミカのHPから借用しました)


トミカは子供の、特に男の子の大好きなオモチャであり、ベストセラーです。時代を反映する自動車もあれば、形が特殊な工事車両もあります。特に人気なのはパトカーですね。私も40年前には、たくさん持ってました。

トミカワールドには、たくさんの自動車本体以外にも、街を作るセットやドライブコースなど様々なものがあります。
持ち込まれたのは、自動車工場というセットです。

ハンドルを回すと、自動車がエレベータで持ち上げられ、坂道を降っておりてくるセットです。
お父さんが持ち込んだのですが、エレベータで持ち上げられたトミカが黄色い回転台に乗ると、次の道路につながる時にスロープがうまく動かないという症状です。
黄色い回転台のスロープは、普段閉じていて、道路とつながる時のみ下がっているのが正常なのですが、常に下がっているとのこと。

さて、色々仕組みを確認していると、このスロープを動かすべきパーツの組み上げ方が間違っていることに気がつきました。
茶色の柱に、同じ茶色のスリーブを組み付けるのですが、その位置は黄色の回転台の下であるべきなのに、柱の根元に付けられていました。


つまり、壊れているのではなく、組み立て方が間違っているだけでした。

オモチャドクターと言えども、持ち込まれるオモチャの正常な動作を全て知っているわけではありません。仕組みを理解しながら、故障を発見するのですが、今回のように組み立て間違いというケースもたまにあります。

めでたし、めでたし。

アンパンマンのミニリモコン消防車

2016-07-27 23:55:24 | 過去の記録
過去のアンパンマンをもうひとつ!

アンパンマンのリモコン自動車の修理が持ち込まれました。
リモコンには、左右のボタンがあり、前進と後進のスイッチになっているのですが、力強く押さないと動かないとのこと。


このようなアナログ的な故障は、リモコンのスイッチの接触不良が怪しいです。リモコンを開け、動作不良を確認します。基板のスイッチ部分を直接押してみても、確かに動作不良を起こしています。


基板上にスイッチは4つあります。どれも小さな凸型の金属板をプリントパタンの上に乗せてあるだけです。凸型の金属板を押すと、下にあるプリントパタンが短絡される仕組みです。プリントパタンの錆と睨み、凸型の金属板を取り外し、基板のパタンを掃除して、再度組み付けます。


確かに清掃の効果はあったのですが、もう一歩というところです。そこで、凸型の金属板が押さえられたとき、しっかりプリントパタンに接触するように、凸型の金属板の上に、セロハンテープをのせて少し厚みをだしました。効果はばっちり、修理完了です。

おふろでアンパンマン

2016-07-27 23:42:20 | 過去の記録
しばらく、本業(?)のおもちゃ病院に参加できておらず、取材ができておりません。ということで、困ったときとの過去の修理記録です。

子供達は、お風呂におもちゃを持って入るのが大好き。湯船に、おもちゃが浮いているだけでも楽しいのですが、電池を使った動くおもちゃもあります。アガツマ製のお風呂でアンパンマンは、スイッチを入れると、アンパンマンがバイキンマンにシャワーをかけます。

このおもちゃは、水を吸い上げるホースの先端にモータが入っています。お風呂で遊んだ後、ホースの水をよく切らないと、モータが錆びて動かなくなるのです。この修理のノウハウは確立していますが、結構手間がかかるのも事実です。


持ち込まれた症状は、全く水を吸い上げないとのこと。やっぱり、先端のモータを取り出さないといけないかなと思いつつ、ホースの動作確認をしてみることにしました。


バケツを用意して準備を進めていると、ホース先端にあるモータユニットのロータにゴミが入っているのを見つけました。ピンセットで丁寧にゴミを取り除くと、モータが動きました。念のため、ホースと本体の電気接触部分も清掃し、動作確認してみると・・・アンパンマンのシャワーから水がでました。


バイキンマンのバスタブに水がたまり、そこから流れ出る水が水車を回しています。
これで修理完了。モータ、取り出さずに済んでよかった!

アンパンマンのキーボード

2016-06-12 22:40:34 | 過去の記録
アンパンマンは、子供達の人気者。当然、アンパンマンの○○というおもちゃがたくさんあります。おもちゃ病院によく持ち込まれるアンパンマンのおもちゃに、キーボード(電子ピアノ)があります。過去、いくつも直していますが、2つほど修理事例を紹介します。

<高級版のキーボード>
このキーボードは、音や音楽に合わせてアンパンマンが演奏してくれる楽しいおもちゃです。演奏にあわせて、マイクをつかって歌を歌う(カラオケですね)こともできます。


このおもちゃの故障は、マイクが使えないことでした。コンデンサマイクは故障しておらず、色々見ていると、ミニプラグの先端が外れていました。ジャックとの接触不良やプラグと二芯線の接触不良は多いのですが、プラグそのものが故障したのは珍しいです。新しいミニプラグにマイクをつけて、修理完了!。


<一般的なキーボード>
このキーボードは、よく修理依頼があります。私たちも経験豊富になってきたのですが、それでも違う故障に出会う事もあります。このときは、一般的な故障である、3つのキーが音が出ない状況でした。でも、原因は一般的ではありませんでした。


特定のキーがならない場合、そのキーの下にあるゴムボタンに接触している電子パタンの酸化が多いです。キーを押すとゴムボタンが電子パタンに押し付けられます。ゴムボタンは導電性があるので、電子パタンをショートさせ、メロディICに信号を送る仕組みです。この電子パタンの表面が酸化すると音が鳴らなくなります。この酸化は電子パタンを消しゴム等で清掃したり、非常に目の細かい(つるつるの)サンドペーパでひとなぜすると直ることが多いです。この事例では、電子パタンの酸化ではありませんでした。このおもちゃでは、多芯コードと基盤の接触部分が切れていました。鍵盤キーを押す子供達の力が、メロディICのある基盤とキーボードの電子パタンを結ぶ配線の疲労を引き起こしたのだと思われます。2箇所ほどジャンパーを張って、完了です。

まてまてデングリ君

2016-06-08 00:18:54 | 過去の記録
6月になりました。おもちゃ病院は、6月2日(木)、6月4日(土)と活動していますが、Yoshi61は参加できていません。ということで、昔の記録をアップしてみることにしました。

このおもちゃは、海外メーカであるフィッシャープライス社製です。名前は、日本用に改名され、“デングリ君”です。スイッチを入れると音楽がなって、独りでに転がります。止まったところを触ると、また音楽がなって転がります。赤ちゃんにとっては、追いかける楽しみが続く不思議なおもちゃです。


スイッチを入れると、音楽はなりますが転がりません。中のモータは動いている音がします。たぶん、モータのピニオンギヤでも割れたのではないかと想像し、中をあけます。故障箇所は一目瞭然。プーリーのオーリングが外れていました。


プーリーをかけなおすだけと思ったのですが、外れている間、オーリングが回転するプーリーに接触していたので、オーリングの一部がやせ細り、切れてしまいそうです。新しいオーリングをつけるには、回転軸のすべてを分解する必要があります。そこで、細い部分を切り、端面に瞬間接着剤(略して、瞬接!)で接着することにしました。瞬接はゴムもよくつきます。コツは、ほんの少量しかつけないことです。紙に一滴たらし、それに端面をあてることで、つけすぎないようにします。


瞬接だけでなく、他の接着材も同じです。接着剤の原理は、材料を溶かすもの、目に見えない表面の凹凸に入り込むものなど様々ですが、どれもつけすぎないことが重要です。食べるサンドイッチは具材が多い方が嬉しいですが、接着剤をサンドイッチの具材のようにしてしまってはいけません。そのためには、薄く塗り、固まるまでは圧力をかけて静かに置いておくのが理想です。注意しなければならないのが、「もう固まったかな」と言って、不用意に触ってしまうことです。じっと我慢が大切です。とは言うものの、私たちドクターも触ってしまうことはあります。