横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

トランスフォーマー戦車ほか(篠原地区センター)

2024-08-25 21:56:34 | 活動の記録

暑い日が続きますね。そして、夕方はゲリラ豪雨と稲光。今年の日本は亜熱帯になってしまいました。おもちゃ病院に集合するおもちゃドクターも汗、汗の出勤(?)です。さて、8月24日(土)は篠原地区センターで活動しました。この日、たくさん来たのがプラレール。そして、ロボットのおもちゃも2セットやってきました。

まずは、珍しいトランスフォーマー戦車をご紹介。

どうです、このロボット。とても何から変身したのかわかりませんよね。実は、戦車が変身してロボットになります。

この変身がスムーズに動かないという故障でした。確かに、戦車からロボットに変身しようする時、キーキーと摩擦音がします。この摩擦音を解決すれば良さそうです。中を開けてみると、モータユニットがクランクを回し、ラックギヤを前後に動かしています。これが変身の動力でした。

でも、どこが摩擦音を出しているか、わかりません。何度も分解・組立を繰り返し、ラックギヤとボディ下部の部分が音を出しているのを見つけました。ここをグリスアップして修理完了!結構迫力ある音(戦車というより、怪獣かな)を出しながら、動き回ります(動画はこちら)。左回りばかりするので、車輪を見たら、2つのうち1つの車輪は一部が欠けていました。これはUV樹脂を盛って補修しました。また、失くしてしまったという電池ボックスの蓋はABSの板で代替品を作成しました。

 

次は2台セットで、子供達が対戦して遊ぶ、ラジコンロボットです。赤のロボットと、青のロボットがあるのですが、赤のロボットがうまく動かないとのこと。

このラジコンロボット、足を動かして前後できますし、前後している時、手も動きます(というより、左右の連打パンチかな)。

中をどんどん開けてみます。

なんとモータユニットは一つで、足も手も一緒に動かしていたのでした。モータユニットも開けてみると、モータについているピニオンギヤが割れていました。また、割れたことによって、位置もズレてしまい、やっとやっと平ギヤにかかっているだけでした。

このピニオンギヤ、モジュール0.5の規格品ですが、厚さがすごく薄いです。手持ちの8枚歯ギヤとピッチが合うことを確認し、ピニオンギヤをスライスして、交換しました。手も足もうまく動くようになりました(動画はこちら)。左右の連打パンチ、いい感じですよね。さあ、青のロボットとボクシングしてもらいましょうか。

 

最後にたくさん直したプラレール。そのうちに一つは、持ってきたお父さんが使っていた年代物でしょうか。

中の電極はサビサビです。特にモータユニットに組み込まれている電極はリューターでサビを落とすどころでなく、外すとバラバラ。りん青銅板から代替品を作ってみました。

組み込んでみると、こんな感じ。

しっかり走るようになりました。プラレール君へ、親子二台への奉公、お疲れ様です。もう少し、頑張ってね。

 

 

 


クレーンゲームの修理(師岡コミュニティハウス)

2024-08-14 18:41:26 | 活動の記録

暑い日が続きますね。8月10日はトレッサ横浜の中にある、師岡コミュニティハウスで活動しました。

この日、10件近いおもちゃを修理しました。ちょっと難しかったのが、このクレーンゲーム。

ゲームセンターにあるUFOキャッチャーとか呼ばれているものと同じです。レバーが3つあり、X軸(左右)、Y軸(手前から奥)、Z軸(バケットの上下)にクレーンを操作できます。故障状況はクレーンのバケットがうまく上げ下げできないとのこと。やってみると、確かにX軸、Y軸は問題なく動きますが、Z軸はチェーンが途中で止まってしまいます。クレーンゲームは、3軸それぞれにモーターユニットがあり、精密に組み合わさってます。Z軸のモータユニットだけ分解することはできず、全部バラしてみないとなりません。覚悟を決めて、分解開始です。

まず、天井を外してモータユニットを取り出します。

次にZ軸のモーターユニットが出てくるまで分解していきます。

ここでZ軸のレバーを操作して、どこかが空回りしているのか確認してみました。モータの軸についているウォームギヤが空回りしていると思いましたが、問題ありません。チェーンを引き上げて途中まで行くと、モーターは回っていますが、チェーンは引き上がりません。プーリーも問題なし。なぜだろう???

モーターユニットを分解してみると、いくつかのギヤで減速していますが、変わった二段平ギヤがあることに気がつきました。小さな平ギヤと大きな平ギヤの間に、茶色の薄い布があります。これは、負荷がかかるとスリップするクラッチ付きの二段平ギヤなのでした。モータユニットの中は白いシリコングリスでベタベタですが、このクラッチ部分にもシリコングリスが入り込み、早めにクラッチ動作が始まっていることがわかりました。

修理としては、バネを押し下げ、アルコールでクラッチ部分を清掃しました。原因は対処できましたが、クレーンゲームの難しいところは、組み上げが厄介なことです。案の定、バケットがうまく開いて景品を掴み、上下するまでには何回も組み立て・分解を繰り返しました。それでも、修理したクレーンゲームを取りに来た母子が喜んでくれたので、ホッとしました。

他のおもちゃとしては、タッチして音や音楽が鳴るおもちゃは、中のスピーカー配線が断瀬していました。

また、子供の乗る自動車は、ハンドル部分に3つのボタンがあり、それぞれ音が鳴るのですが、二つがならないとのこと。一つは鳴るので、スピーカーはOKなはず。調べてみると、ボタン下にあるマイクロスイッチが壊れていました。

どのおもちゃも治って、子供たちのところへ帰ってよかったです。