今日、10月22日は篠原地区センターで活動しました。なんと、この日の修理予約は2件でした。時々、こんな日があります。
2件の修理の一つ、電子ピアノの修理を紹介します。お父さんと子供がおもちゃを持ち込んできたのですが、鍵盤の左半分は音が出ない状況でした。聞いてみると、お父さんがおもちゃを踏んでしまったとか。修理するおもちゃの大半は、子供達が遊び過ぎて壊してしまうのですが、お父さんが壊してしまったのは、珍しいです(笑笑)。
左半分の鍵盤は音が出ませんし、いくつかのキーは押すと沈んでいるので、物理的に壊れているようです。電池は確認してOKなので、中を開けてみると、鍵盤の裏側にある基板が完全に割れていました。
基板の丸いところが各キーの下にある接点です。キーが押されると、導電性ゴムが丸い接点に接触してショートし、音が鳴る仕組みです。左半分がならないのは、基板が割れて、配線が切れてしまったからでした。老眼の目を凝らして、プリント基板をみると、11本の配線がありました。これら全てを繋がなくてはなりません。
プリント基板は、ベーク材(茶色)の板の上に、銅箔の配線があり、その上に緑色の保護材(ソルダーレジスト)が塗られています。ソルダーレジストの上からはハンダ付けできません。
修理作業としては、
①カッターの刃でソルダーレジストを削り、切れた11本の配線パタンの銅表面を出す
②導電性ゴムが乗る丸い接点の近くは、リード線でジャンパできないので、リード線の銅素線をハンダ付けに埋め込む
③導電性のゴムの乗らないところは、折れた断面で繋ぐ必要はなく、ハンダ付けしやすいところでリード線を使いジャンパリングする
という作業にしました。
もし、11本のどれか一つでもうまくつながっていないと、音はなりません。慎重にハンダ付けを進め、完了してスイッチを入れてみると、見事復帰しました。子供の壊したおもちゃは、無償で修理しますけど、次からお父さんの壊したおもちゃは、修理料金を頂こうかな(冗談です)。