横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

色々な治し方(篠原地区センター)

2023-10-29 16:48:18 | 活動の記録

本日、10月28日は篠原地区センターで活動しました。

いつものように様々な壊れたおもちゃがやってきました。壊れたおもちゃの直し方に正解はなく、おもちゃドクターの得意技×おもちゃの故障状況で色々な直し方になります。そんないくつかをご紹介します。

この可愛いトラック、タイヤが取れてしまいました。黒いタイヤの中心部分にオレンジ色の軸穴部品があり、車軸が圧入されていました。オレンジ色の軸穴部品は割れてしまって、車軸はゆるゆる。こんな時、軸穴に接着剤を入れて車軸と固定するのが一般的かもしれませんが、このおもちゃを修理したドクターは車軸を太くして、緩くなった軸穴に圧入しました。

どうやったかと言うと、車軸に熱収縮チューブを被せ、車軸を太くしたのでした。

ナイスアイディア!

 

次の機関車は、前面の部品が折れてしまいました。プラスチックの部品の破損はよくあること。基本は接着ですが、強度が出ない場合、色々現物に合わせて工夫します。

この機関車の修理を担当したドクターは、折れた部品の周辺をよく観察し、黄色の車体と折れた黒い部品が重なる部分があることを見つけました。黒い部品同士を接着するのはもちろん、黄色の車体にも接着して強度を出すことができました。

これも、ナイスアイディア!

 

最後にご紹介するのは、アンパンマンのようちえんバッグという知育おもちゃ。左側は電子ピアノになっているのですが、鍵盤を押しても音が出ません。

一般的な電子ピアノは、鍵盤を押すと導電性ゴムを基板の接点に押し付けるタイプですので、基板を取り出して接点を掃除するのが基本です。しかし、このおもちゃの鍵盤下にあるのは、プラスチックフィルムに電子パタンを印刷したフレキシブル基板でした。これを修理したドクターは、このフレキシブル基板と通常のプリント基板の接続部分に目をつけました。

赤丸のところを清掃して、うまく治りました。フレキシブル基板は断線しやすいので、無理に取り出していれば、断線していたかもしれません。

これもナイスアイディア!

 

おもちゃドクターの得意技×おもちゃの故障状況=色々な直し方、と言う紹介でした。

 


直らなかった/壊れていなかった/直ったおもちゃ達(白幡地区センター)

2023-10-02 08:36:29 | 活動の記録

9/30は白幡地区センターで活動しました。

この日、持ち込まれたおもちゃは全部で11件。おもちゃドクターは全部で5人。頑張って直ったおもちゃもあれば、残念ながら直らなかったおもちゃもありました。また、電池交換だけで、元々壊れていなかったおもちゃもありました。おもちゃ修理は試行錯誤の末、大きな喜びもあれば、ちょっと悔しい時もあります。

 

1)壊れていなっかったおもちゃ

電池交換だけで、壊れていなっかったおもちゃをご紹介。

このトイレ、電池駆動で水を流すレバーを操作したり人形が便座に座ったりすると話をしてくれます。新しい電池を入れたら動いたのですが、話をしたりしなかったり。正常に動いているのか、壊れているのか分かりません。色々触って試行錯誤していると、通常のトイレを使うように順番に触ると、全く問題ないことがわかりました。

便座を開け、トイレに座ると、大か小のどちらかをしたことになり、最後は水を流しましょうとトイレトレーニングになっています。ほんとよくできてます。動画はこちら(トイレのおもちゃ)。

 

2)直らなかったおもちゃ

次は残念ながら治らなかったおもちゃの一つ、ミッキーのラジコンカーです。

リモコン側の2.4GHzの電波は出ているのですが、全く動きません。車側のモーターを外部電源で直接駆動してみると問題なく動きます。基板の損傷やリード線も確認しましたが、全く問題なし。

基板の左側にある黒い丸がCOB(チップオンボード)と呼ばれる専用ICです。どうやら、これが壊れたらしく、手も足も出ません。残念ですが不治となりました。持ってきたお客様、すみません。

 

3)直ったおもちゃ

当然、直ったおもちゃもたくさんありました。その一つ、サッカーの応援人形です。

二体持ち込まれ、左側は正常、もう一つの右側は故障とのこと。正常なおもちゃを動作させると、元気の良いサッカーの声援と共に、腕を大きく振って応援します。全く同じ人形かと思ったら、左側はマンチェスターユナイテッド、右側がイングランドのファン人形のようです。故障している人形は、まずスピーカを交換して声援が出るようにしました。次に体を開けてモーターユニットを確認するのですが、首が外れず苦労しました。モーターユニットそのものは故障しておらず、腕を組み直したら治りました。二体並んで元気よく声援します。動画はこちら(サッカーの人形)。

 

4)部品を作ったおもちゃ

もう一つ、直したというより作ったおもちゃをご紹介。

よく持ち込まれるアンパンマンの電子ピアノです。基板の接点が腐蝕して、いくつかのキーの音が出ないという故障が多いのですが、今回の故障(?)は電池ケースの蓋がなくなってしまい、電池を入れても下に落ちてしまうため、使えないという症状でした。プラ板で暫定の蓋を作ってみました。

おもちゃ病院、本物の病院同様、色々な治療結果があるのでした。