本日、5月13日は菊名地区センターで活動しました。ここ菊名地区センターは二ヶ月毎に開催しており、持ち込まれるおもちゃも数が多く、この日は15件が持ち込まれました。このうち、3件をご紹介。
1)歩く・鳴く犬のぬいぐるみ
犬のぬいぐるみのおもちゃは、子供に大人気。可愛いくて、しっかり抱きしめるためか、足や足とモーターをつなぐ部品が破損(骨折)していることが多いです。今日持ち込まれたわんちゃんはこれ。
歩かなくなってしまったとのことで、中を見てみるといくつか部品が損傷していました。犬のぬいぐるみの部品はポリプロピレン製のため、骨折した部分は接着剤が使用できません。このおもちゃを直したドクターは、なんと、自宅に3Dプリンターを導入し、よく壊れる部品を製作していました。なんと、おもちゃドクターも3Dプリンターの時代に突入です!
折れた部品(赤マルで囲った白色部品)と3Dプリンタで製作した部品(赤マルで囲った灰色部品)をご覧ください。大きさもピッタリ。いつもは針金縛ったり、半田こてで溶かしてつけたりしていましたが強度が出ないのが課題でした。これならバッチリです。組み上げてみると、元気よく歩きます(動画はこちら)。
2)おさるのジョージ
おさるのジョージが乗った自動車が持ち込まれました。ジョージを押し下げると、スプリングが縮み、戻る力で車が前へ進むおもちゃです。動かなくなってしまったようです。
中を開けてみると、車輪のシャフトについているギヤが空回りしていました。汎用のピニオンギヤではありませんので、交換部品がありません。ギヤはシャフトの滑り止め(ローレット加工)についています。これなら接着剤が効くと思い、接着しました。
簡単な仕組みですが、ジョージの頭を押すと動くようになりました(動画はこちら)。
3)救急車
天上のボタンを押すと、サイレンが鳴ったり、赤色灯が光ったりするおもちゃです。前後にはフライホイールで動きます。どのボタンを押してもならず、フライホイールも空回りして上手く進まないとのこと。
中を開けてみると、赤マルのところ、つまり電源ラインが断線していました。修理は半田付けで簡単に治りました。
フライホイールの方は、ユニットが壊れているのではなく、ゴムタイヤとホイールが滑っています。ホイールを外してみると、車軸についているホイール半分と、外側のホイール半分が分離していました。そこで、ホイールを接着して、ゴムタイヤを組み付けてみると上手く行きました。
直した救急車のボタンを押してみると、本物そっくりの音やマイクを使った声が出ます。中でも、サイレンが近づいてきて、遠ざかっていく音の様子(ドップラー効果)はよく再現できています(動画はこちら)。
それにしても、接着、ハンダ付け、プラリペアなどおもちゃを修理する方法はいろいろありますが、ついに3Dプリンタまで使うようになるとは。これで、修理できないものはない(かな?)。