本日12月11日は綱島地区センターで活動しました。ここは件数も多く、16件のおもちゃを修理しました。一部、残念ながら不治のものありました、治せなくてごめんなさい。
今日の修理で紹介するのは、カワイの子供用グランドピアノです。
このピアノ、時々、修理で持ち込まれます。大抵、鍵盤の一部が折れてしまったりして、音のでないキーがあるという故障内容が多いです。今回は、バッチリ全てのキーで音が出ます。なんと壊れたのは、ピアノの足。このピアノ足は、箱に入れてしまう時、取り外せるように、ネジになってます。本体側には、足のネジをうけるナットの金具が付いています。木製のピアノ本体に、ナット金具は打ち込まれていたのですが、取れてしまったのです。
ナット金具と本体の木をエポキシ接着剤でつけるか、もう一度、叩き込むか、どうやって直したものか。修理方法も悩みましたが、ナット金具は、本体中の鍵盤の下にあります。まず、ナット金具の外れた場所を見えるようにしなければなりません。鍵盤は、それぞれのキーが嵌め込み式になっていて、簡単に取り外せません。みんなで、あーだ、こーだと知恵をだし、取り外しの即席治具(プラ板二枚)を作って、なんとか外し、ナット金具の外れた場所(ピアノの足がねじ込まれる場所)が出てきました。
さて、今度はナット金具をどうやって、つけるか。いろいろ考えましたが、ナット金具をネジで止めてしまうことにしました。完成してみれば、満足のいく修理でしたが、途中はどうなることかと思いました。ピアノの修理というより、日曜大工に近い修理でした。
次のおもちゃは、液晶画面のある、アンパンのおもちゃ。
液晶画面の下にある3つのボタンで、遊べます。修理内容は、ボタンを押しても音もならないし、遊べないとのこと。電池を出してみると、マンガン電池でした。それも消耗してます。アルカリ電池に入れ替えて修理完了と思ったのですが、スイッチオフができません。故障としては、電池以外に、3つの押しボタンスイッチも不良でした。この押しボタンスイッチは、おもちゃによくある、裏側に導電性塗料が塗ってあるシリコンゴム製のボタンを基板の電極部分に押しつけつるタイプでした。基板を取り出し、ゴム製ボタンの導電性部分が接触する電極部分をアルコールで洗浄し、修理完了しました。
同じように、ゴム製ボタンが不良だったのが、赤ちゃんメリー。
この本体に、傘が取り付けられ、ボタンで曲を選んだり、音の大きさを変えることができます。この赤ちゃんメリーのボタンも、アンパンのおもちゃと同じ仕組みです。故障状況は、いくつかのボタンが反応しないとのことなので、アンパンマンのおもちゃ同様、基板を取り出し、ゴム製ボタンの導電性部分が接触する電極部分をアルコールで洗浄ました。しかし、1つだけ、反応しません。どうやら、ゴムボタンの裏側にある導電性塗料の抵抗値が上がっていて、基板電極をショートできないようでした。
ゴム製ボタンの導電性部分のところに、10Bの鉛筆で芯の黒鉛を塗り込んでみる、銀紙を小さく切って貼ってみるなど、皆で知恵を出し合ってみると、あるドクターがマル秘の導電性ペーストを持ってきました。一見、チューブタイプの黒の靴墨ですが、塗った部分が導電性を持ちます。マル秘ペーストを少しいただいて、ゴム製ボタンの裏側に塗布して、組み上げると全部動作しました。
いろいろな故障に遭遇しますが、皆で知恵を出したり、マル秘の物(!)を持ち寄ると、なんとか修理できてしまうのが、楽しくもあるおもちゃ修理です。