横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

迫力あるラジコン(都田地区センター)

2024-07-28 15:49:58 | 活動の記録

7月27日は都田地区センターで活動しました。横浜港北おもちゃ病院は毎週、どこかの地区センターで活動しています。毎月開催の地区センターもあれば、隔月開催の地区センターもあります。ここ都田地区センターは令和4年6月に出来たばかりで、年一回だけ開催してます。それでも、この日は10件を超えるおもちゃがやってきました。七夕のように毎年開催するのも定着したようです。

ラジコン3台とお人形用(?)のブランコ修理をご紹介します。

1)走行音の出るラジコン(ジープ)

このラジコン、走行できない状況でした。

中を開けて、後輪を駆動するモータやギヤを確認します。モータに外部電圧を与えてみても、モータは全く動きません。モータの故障のようですが、タミヤの汎用モータではないので、交換するわけにはいきません。モータの中を開け、ブラシ等を確認することにしました。

案の定、モータのブラシは汚れているだけでなく、変形しています。きれいに清掃し、ブラシの形を補正し、グリスをつけて組み直すとモータは元気よく回りました。修理後、ラジコンカーを動かしてみると、スピーカーから走行音は出るし(動画はこちら)、マフラーから煙はでるしと迫力満点のラジコンでした(動画はこちら)。

 

2)大砲の音が出るラジコン戦車

この戦車、ラジコンとして前後左右に動くだけでなく、大砲を打つこともできます。大砲と言っても発射音だけなのですが、発車した瞬間、反動で少し後ろに下がります。すごい、リアル(すみません、動画を撮り忘れました)。壊れた箇所は、折れてしまった大砲です。各種動作は問題ないので、折れたところを治すのですが、細いパイプ状の砲身なので接着では強度が出ません。そこで、半田コテでプラスチックを溶かしながら溶着しました。そのままでは見栄えが悪いので、熱収縮チューブを被せました。砲身に熱収縮チューブなんてグッドアイデアでしょ。

3)買った時から動かないラジコン(レーシングカー)

3台目のラジコンはレーシングカー。買った時から、動かないとのこと。えー。

電池は単体で測ると、4本とも問題ありません。しかし、電池ボックスから合計電圧となる6Vが出てきません。電池ボックスの電極はどれも綺麗です。しばらく、電池ボックスを眺めていると、電池のプラス側と電池ボックスの電極が接触していないことに気がつきました。

電池の肩の部分に当たる電池ボックスのプラスチック板が厚すぎるためです。これは、製造誤差を考慮できていない設計上のミスですね。厚すぎるプラスチック板をリューターで削り、電極にハンダを盛って、電池のプラス側と電極が必ず接触するようにしました。

4)ブランコ

踏んづけてしまったのでしょうか、お人形を乗せるブランコがバラバラになってやってきました。こりゃ重症です。ブランコの柱はプラスチック製で細いので、接着では強度が出ません。そこで、折れた全ての箇所に、金属のピンを埋め込み、柱を接合することにしました。

それぞれの折れた柱の中心に金属ピンを入れ、なんとか元に戻りました。

おもちゃドクターとしては少し不満が残る修理でしたが、お客様が喜んでくれたので、よかったです。

また、来年の7月、都田地区センターでお会いしましょう!


スマホのおもちゃと時計のおもちゃ(菊名地区センター)

2024-07-14 09:26:01 | 活動の記録

蒸し暑い日が続きますね。本日、7月13日(土)は菊名地区センターで活動しました。3連休の初日ですが、持ち込まれたおもちゃは11件。ラジコンやトーマスのおもちゃなど色々ありましたが、苦労したのがスマホのおもちゃでした。もう一つ、大変古い時計のおもちゃもありました。この二つをご紹介します。

 

1)スマホのおもちゃ(フィッシャープライス製)

ボタンを押すと音や音楽がなるのですが、鳴らなくなってしまったとのこと。これはスピーカー故障だから簡単と思ったら、大変な修理になりました。

一般的なおもちゃは、表のパネルと裏のパネルをねじ止めしてあります。しかし、このスマホのおもちゃ、裏側を見てもネジがありません。よくあるはめ込み式なのかと思って、薄い刃先の剥がし工具で白い表のパネルを外そうとしましたが、びくともしません。

そこで、インターネットを画像検索してみると、同業のおもちゃドクターが情報提供しているサイトがいくつかありました。外周を綺麗に切って開けた方や、圧入されている6箇所の支柱を切った方などでした。後者の方法を参考に、裏側から6箇所の支柱を削り落とすことにし、お客様には、穴を開けないと修理できないことをご説明し、Goサインをもらいました。まずはドリルで穴をあけ、刃先をエンドミルに交換して、表のパネルの支柱(白色)を削っていきます。

あまり削り過ぎると、表パネルに穴が空いてしまうし、削るのが足りないと、支柱が外れません。なんとか、削り終え、やっと中を見ることができました。案の定、スピーカーが不良でしたので交換しました。

小さな子供が遊ぶので、6箇所の穴を埋めねばなりません。耐熱テープで穴を覆い、裏側からホットボンドを充填しました。いやー、大変だったけど、治ってよかった。

 

2)時計のおもちゃ

もち込まれた時計のおもちゃは大変古いらしく、見たことがありませんでした。ボタンを押すと、時計の針が進みます。その針に合わせてデジタルの時刻が表示されます。電池は使っておらず、ボタンを押す力をギヤの回転に伝え、時計の針やデジタル表示の時刻を変化させます。最近の電子式のおもちゃに比べ、よく考えて作られています。

故障内容は針の時刻とデジタル表示の時刻が二時間ずれているとのことでした。これは、中のギヤの噛み合わせがずれてしまているのでしょう。中を開け、仕組みを理解しながら、ギヤを合わせなおします。

開けてみると、案の上、いくつかギヤがありました。試行錯誤しながら、元の戻すことができました。うまく動くとこんな感じ(動画はこちら)。

修理後、調べて見ると、「とけいのべんきょういまなんじ? (野村トーイ製)」と言うおもちゃで、40年前のおもちゃだとわかりました。きっと、時計の針をみて、「何時かな?」と子供に聞き、子供の答えが合っているかどうか、ボタンを押して、デジタル表示を見せるのかもしれませんね。