横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

ロボザウルスがやってきた(篠原地区センター)

2023-08-27 15:15:44 | 活動の記録

本日8月26日は篠原地区センターで活動しました。

映画になって話題のバービー人形ですが、なんと首が取れて持ち込まれました、また、お約束通り、2台のプラレールもきました。そして、10月のハロウィーン用だと思うのですが、ドラキュラの人形もありました。

この日、なんといってもおもちゃとしてびっくりしたし、治すのに苦労したのが、このロボザウルス。

外国製のおもちゃらしく、恐竜のようなロボットラジコンです。リモコンで前後に歩かせたり、首や体を動かします。拍手をすると音も認識していました。なかなか迫力ある顔をしています。

故障内容は歩かなくなってしまったとのこと。まず、電池を調べてみると6本中、3本が使えません。これは電池を入れ替えて終了かと思ったのですが、見事にハマりました。電池を入れ替えても、うまく歩きません。調べていると、右足は動くのですが左足が動かないことに気がつきました。

まずはリモコンから調べてみます。リモコンの接点はピンセットでショートすると、ロボザウルスが反応しています。リモコンではないようです。

結構、内部構造が難しそうなので、分解するのに躊躇しましたが、開けるしかないようです。ロボ君には手術台に乗ってもらい、両足のカバーから外しました。

すると足を前後に動かすためについている位置検出センサーが断線していました。これだけ、見事に体を動かすのですから、リード線はもっとしなやかなものがいいのですが、メーカは結構硬いリードせんを使っていました。なぜか、動いている右足も断線していました。両足の断線を直しましたが、やはり左足は動きません。

左足モータに直接外部電源を繋ぐと、モータは正常に動いています。モーターのピニオンギヤ割れなら、モータユニットを開けねばなりません。色々動かしていると、左足が動く時がありました。そしてようやく、原因を見つけました。

モータのリード線が歩く度に動くので断線したようです。ここを治して、組み上げるとロボザウルスは復活しました(動画はこちら:歩くロボザウルス吠えるロボザウルス)。

だんだんおもちゃが高度になって、直すのも大変になってきた気がする修理でした。

 

 

 


古い古いプラレールの修理(師岡コミュニティハウス)

2023-08-12 17:47:40 | 活動の記録

暑い日が続きますね。おもちゃドクターが子供ころ(半世紀も前の話)、夏は30度を超えると暑いと言っていた記憶があります。今は暑い日は35度、場所によっては38度と猛烈な夏になってしまいました。日本の気候はどうなってしまうのでしょうか。

さて本日8月12日は横浜トレッサの中にある、師岡コミュニティハウスで活動しました。お盆休みということもあって、横浜トレッサは猛暑の日にも関わらず、大変な人出です。この日のおもちゃ病院は11件のおもちゃを修理しました。そのうち、3件をご紹介します。

1)まず古い古いプラレールがやってきました。

鉄分の多いおもちゃドクターによると、有名な電気機関車だそうで、その名前がちゃんとボディに書いてあるのが良いとのこと(EF15と書いてあります)。Wikiを調べてみると、国鉄EF15形電気機関車というのがありました。昭和20-30年代に活躍したそうですが、このおもちゃのプラレールも年期が入っています。中を開けてみると、

ギヤボックスはブリキ製、車軸はピニオンギヤで駆動するのでなく、モータ動力を伝える小さなゴムのタイヤを車輪の外周ゴムに直接押し当てて駆動しています。故障としては、この小さなゴムタイヤが硬くなって滑っていますので、交換するしかありませんが、そんな部品はありません。困った時は、他のおもちゃドクターに相談するのですが、いい部品(?)が出てきました。

これは、網戸修理に使うゴムの紐です。色々なタイプの網戸があるため、このゴムも色々な直径のものがあり、それを短く切って補修部品として持っているのです。さすが、おもちゃドクター!

少し分けてもらって、交換しました。

どうです、ピニオンギヤのように歯状の形状なので、車輪もすべらずばっちり動きました。

2)次は、スバルのCMで有名になったアイサイトのおもちゃです。スバルで車を買うとくれるのかもしれませんね。本物のアイサイトは、カメラやセンサーで、人を感知し、運転者が気がつかなくても自動的にブレーキをかける安全な仕組みです。このおもちゃのアイサイトも、車の前方に赤外線を出し、人(手ですね)を感知すると止まります。故障としては、止まる以前に、前に進まないというものでした。

アイサイトが壊れたら直すのは難しそうですが、単に前進しないのなら直せそうです。調べてみると、モータ音はしているけど、後輪は空回りしています。どうやら、車軸とホイールの間で滑っているようです。原因がわかれば、ホイールを外して接着剤で固定すればいいのですがホイールを外すのに苦労しました。

この車軸、ホイールが抜けないように回転方向に溝が掘ってありました。つまり、抜けないけど、空回りしやすい構造なのでした。なんで、一般的なローレット加工にしなかったのでしょうかね。外したホイールは、二液のエポキシ系接着剤で固定しました。修理後、この自動車を走らせ、自動車の前に手をかざしてみると、アイサイト同様、ブレーキランプを点灯させて止まります(動画はこちら、手をかざすと止まる手を感知して止まる)。

3)ラジコンの修理

全く動かないラジコンも持ち込まれました。一応電池チェックしてみると、リモコン側の006P(ボックス形の9v電池)も、本体側の単三電池4本も全て使えない状態でした。これは、電池交換だけで簡単に終わりと思ったら、見事に嵌りました。

全ての電池を入れ替え、ラジコンチェッカーでリモコン側から電波が出ていることを確認しました。つまり、本体側の故障と目星をつけました。そこで、ボディを外し、前輪のサスペンションを外し、後輪のモータユニットをはずし、ボディをやっとのことで開けました。

電源SWをONにすると、電池ボックスからの電圧は基板にしっかりかかました。電源SWの故障も想定していましたが違うようです。外部電源を繋いで、モータを動かしてみると、動作します。つまり、本体側の基板のうち、リモコン側からの電波を受信する部分が故障なのかもしれません。うーん、困った。

お昼ご飯を食べて、休憩。そして思案。。。

その時、横で似たようなラジコンを修理していたドクターがいました。このラジコンのリモコンを本体側に近づけて操作してみると、なんと動きました。これらのラジコンは、同じ27MHzの周波数を使っていたのでした。つまり、正常だと思い込んでいたリモコン側に原因があることがわかりました。苦労して分解した本体を元に戻し、リモコン側をバラしてみると、

基板のすり減りと、摩擦対策用のオイルで接触不良になっていました。そこで、よく掃除して、接点を少し加工して正常なパタンに接するようにしました。これでばっちり動きました。でも、なんでラジコンチェッカーは反応したのでしょうかね。感度が良すぎたのかもしれません。

暑い日のおもちゃ病院でした。