横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

スターウォーズのライトセーバー(矢向地区センター)

2024-12-22 17:11:45 | 活動の記録

12月21日、横浜市鶴見区の夜行地区センターで活動しました。

この日、たくさんのおもちゃがやってきましたが、おもちゃドクター自身が喜んでしまったのが、スターウォーズのライトセーバーでした。スイッチを入れて起動ボタンを押すと、刀身がLEDで発光してうなり音も出ます。その状態で、戦いの遊び(チャンバラですね)をすると、刀身が触れあうたびに迫力のある音が出ます。

2本1組で、青色のライトセーバは音も発光もしない状態でした。柄(つか)の部分にある基板をよく見てみると、いくつかある配線パターンの一本が断線していました。刀身が触れ合うたびに音が出るのですから、子供達は夢中になってチャンバラするでしょう。きっと、基板への衝撃も大きいでしょうね。修理としては、配線パターンの一部を削って、リード線を直接はんだ付けしました。

修理して動作させてみると、LEDもサウンドもOKです(動画はこちら)。スターウォーズの世界観をよく再現したおもちゃでした。

 

もう一つ、結構年代物のおもちゃもご紹介します。いわゆる、自動車の運転動作をして楽しむおもちゃなのですが、音が出ないとこのとでした。

アクセル(レバー)、ブレーキ、エンジンスタート、ホーン、ウインカーなど自動車の操作はすべて行えます。また、救急車や消防車の音を出すこともできます。中を開けてみると、電話機の基板が断線し、スピーカーも故障していました。

スピーカーを交換し、基盤への配線をやり直すと、故障は回復しました(動画はこちら)。

この日、私たち横浜港北おもちゃ病院にとっては2024年最後の活動となりました。

また、来年よろしくお願いします。

 

 


スライドドアが開閉するワンボックスカーのラジコン(綱島地区センター)

2024-12-16 23:00:12 | 活動の記録

もう今年も後わずか。12月14日は横浜市の綱島地区センターで活動しました。

例年、この時期はツリーや飾り物などクリスマス関連のおもちゃ修理が多いのですが、この日はクリスマス関連のおもちゃは持ち込まれませんでした。残念!この日もたくさんのおもちゃがやってきましたが、修理というより部品の再作という感じのトミカ修理と最新のラジコンワンボックスカーの修理をご紹介します。

まず、トミカの修理結果から。この2台のトミカは、荷物を運ぶコンテナを荷台に乗せたトラックです。どちらも、リアにコンテナの開閉ドアがなくなってしまったという故障(紛失?)でした。割れたり、壊れていれば治しようがあるのですが、全く無いとなると代わりの開閉ドアを再作するしかありません。プラ板を切って、そこに開閉の軸を取り付けました。結構、いい感じになりました。

次はワンボックスカーのラジコンです。1)前進するけどバックしない、2)スライドドアが開かずに、中途半端な位置で止まっている、3)リモコンの操作レバーが折れていると複数の故障でした。

まず、リモコンの電波をラジコンチェッカーで確認すると、バックの時は確かに電波が出ていません。これは、リモコン側の故障だと分かったので、リモコンを開けてみると、前後の操作レバーの内側にある2つの突起のうち、バックボタンを押す突起が折れていました。

この操作レバーはPP製らしく、接着剤が効きません。また、接着剤が効いたとしても力のかかるところなので、すぐにまた折れてしまうでしょう。そこで、ドリルで0.8mmの貫通穴を開け、クリップを切って圧入することにしました。

次はスライドドアの修理です。ワンボックスカー本体を開け、中を開けてみます。中には、後輪を前後に動かすモータ、前輪を左右に動かすモータ、スライドドアを開閉するモータが入っていました。モータの回転運動をクランクを回して、スライドドアが開閉する仕組みです(動画はこちら)。スライドドアが動作レールから外れいたので、クランクと繋がるように組み直しました。

操作レバーの突起も折れてなくなっており、遊び辛くなっていました。今回の修理では、操作レバー2mmネジ立てて、ネジ頭を切り取った後、プラスチック製のパイプを切ってねじ込みました。

最後に完成した、ワンボックスカーの完成です(動画はこちら)。

 


プラレールのギヤ軸穴の修理(篠原地区センター)

2024-11-26 10:58:54 | 活動の記録

11月24日(土)は篠原地区センターで活動しました。

この日、沐浴実習用の赤ちゃん人形やプラレールなどがやってきました。2台あったプラレールのうち、珍しい故障と修理をご紹介します。

対象のプラレールはこれ。ネットを検索してみると、JR九州の485系列車だそうで「RED EXPRESS」とのこと。プラレールで赤は珍しくないけど、本物の赤一色は迫力あるでしょうね。

プラレールの故障は車軸のギヤ割れが一番多いです。

しかしながら、今回の故障はここ。故障箇所はギヤボックス内のギヤ軸を保持する軸穴が割れています。

接着では強度が出ないので、プラリペアで盛って後からドリルで穴を開けるのが良さそうです。しかし、ギヤボックスの壁面ならプラリペアも可能ですが、ギヤボックスの内側に飛び出た部分なので、プラリペアは固まるまで保持できません。

軸穴は半分は残っていますので、何かで車軸がずれないように押さえつけられないかと考えました。そこで、クリップを加工し、保持具をつけてみました。

結構、うまく保持できました。壁と軸穴の間にテンションがかかるようにしたので、ギヤ軸が外れることはありません。

クリップでいっちょ上がり!


特殊ギヤの修理(菊名地区センター)

2024-11-10 16:44:34 | 活動の記録

11月9日(土)は菊名地区センターで活動しました。

この日、前も修理した経験のある恐竜のラジコンがやってきました。

この恐竜、声も歩き方も迫力満点。歩くというより、早足です。早足は足を駆動するギヤなどに負担がかかるのでしょう。

前の修では足を駆動するギヤの軸受が損傷していました。今回の恐竜も歩き方がおかしいとのことで中を開けてみると、足を駆動する特殊なギヤが損傷していました。

特殊なギヤは手持ちの部品もなく、知恵を使って補修するしかありません。過去にもいくつかやってみたことがあります(特殊ギヤの修理1特殊ギヤの修理2特殊ギヤの修理3)。

歯が二つも欠けているので、ピンを立てて歯の代わりにすることにしました。

ピンの高さを調整すると、スムーズにギヤが噛み合いました(動画はこちら)。

持ってこられたお父さんも大満足。よかった、よかった。

 

 

 

 


パパのプラレール(篠原地区センター)

2024-10-27 21:15:31 | 活動の記録

10月26日(土)は横浜市の篠原地区センターで活動しました。この日、たくさんきたおもちゃの中から、3つのおもちゃ修理を紹介します。

 

1)古いプラレール

この日、パパがお子さんと一緒にやってきて、自分の使っていた古いプラレールを直して欲しいと数台持ってきました。プラレールは長い歴史を持つおもちゃなので、おもちゃ病院では定番(?)の一つです。プラレールの線路の幅は変わっていませんので、電池を入れて走る電車や機関車は外側だけが違うように見えますが、中のモータユニットやスイッチなどは常に改良が加えられ、最新の電車と昔の電車では中身が同じではありません。

故障で一番多いのが、車軸やモータについているピニオンギヤが割れているケースです。これは古いプラレールでも新しいプラレールでもありますね。

ピニオンギヤはモジュールと言ってサイズが規格化されているので、ギヤの歯数さえ合えば、車軸やモータ軸の直径に合わせてピニオンギヤの穴の大きさをドリルで補正すれば交換できます。

それ以外では、電極の腐食、古いモータの内部固着、汚れ、車輪ゴムの劣化など様々です。特に古いプラレールでは、車輪のゴムが経年劣化で加水分解を起こし、切れたりベタベタになっていることが多いです。また、固着したモータは、新品に交換する前に、ディクリーザを吹いて内部を清掃すれば復活することもありますし、モータの中を開けて電極のブラシを清掃・補正することもあります。1台の電車で、故障も一つではなく、複数のことも多いです。つまり、古いプラレールの修理はおもちゃドクターの知恵の見せ所といったところでしょうか。

この日の古いプラレールは、参加したドクター皆の知恵を使って全て修理できました(やった!)。

 

2)歩くぬいぐるみ(ペット)

これもおもちゃ病院では定番の一つです。

イワヤというメーカの犬や猫のぬいぐるみがよくやってくるのですが、後ろ足の骨折が多いです。この日の子猫も右後ろ足でした。足は接着剤の付かないポリプロピレン製ですので、骨折箇所を針金で補強し、その針金がずれないように糸を巻き、糸を接着剤で固定します。

専門ドクターが治した足は丈夫ですよ(自慢!)。直った子猫は、はじめトコトコとゆっくり歩き、ひと鳴きしたあと、ダッシュします(動画はこちら)。可愛い猫の仕草をよく出していますね。

 

3)「鬼滅の刃」の刀

男の子が喜ぶ、刀のおもちゃです。てっきり仮面ライダーかなと思ったら。人気アニメ「鬼滅の刃」の刀でした。この刀、柄(つか)に刺す刀身を変えることができます。

柄にボタンがあり、押すと「鬼滅の刃」の決めセリフが流れます。また、刺す刀身によってセリフが変わります。故障内容は全く音が出ないとのこと。刀ですから、子供同士でチャンバラをやって、その衝撃で配線が断線したか、スピーカー故障と想定して中を調べてみました。想定に反して、故障原因は電池ボックス内の電極腐食でした。これは、リューターで研磨して修理完了。使ってみると、迫力ある決めセリフがなりました(動画はこちら)。