名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

寄せが見える本

2015-10-08 | 将棋本 断捨離
寄せが見える本 〈基礎編〉 (最強将棋レクチャーブックス (1))
寄せが見える本〈応用編〉

2004年出版、森雞二先生の本です。

必死のかけ方をテーマに寄せの力をアップさせます。
時々解いておくとよいのですが、金子タカシさんの本
寄せの手筋200 (最強将棋レクチャーブックス)
こっちを残しておきます。

どちらがよいかは好みですね。詰め将棋は苦手ですが、必至問題はどうにか解けます。類例化しやすいので直感で解きやすいからでしょうか。
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20151008今日の一手<その170>;駒損不利を疑う(2)

2015-10-08 | 今日の一手
20151008今日の一手

先月13日の名南将棋大会から、HさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。









昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。ただし、後手玉の堅さは攻める方向によります。右側から攻めれば32金43銀が働いてくるので後手玉もまあまあ堅く、左側から攻めれば薄いです。
先手の攻め駒は49飛と持ち駒角桂で3枚。
後手の攻め駒は28角85桂持ち駒桂で3枚。
総合すれば先手がやや有利です。

大局観として
左側、玉頭で駒がぶつかっています。玉頭戦は駒の損得より空間を制圧することが優先です。
10月4日の問題(5日に回答)と同じで、85桂にすぐ逃げる手を考えてはいけません。この場合は77桂成に同桂は75歩が不安、77同金は形が乱れるので、逃げたくなるところですが、取ってもらえば桂馬が手に入ります。左から攻めようと思うと49飛はなかなか働かないのですが、最後に動いてとどめを刺すイメージです。56の銀を活用して、持ち駒角桂で3枚、もう一枚桂馬をもらえば4枚の攻めです。
後手の立場で言えば、66歩と突かれて85桂は逆モーション。自然な手ではありません。6筋が弱くなります。玉の守りが薄くなります。桂馬を渡すのは怖いです。つまり疑問手です。

問題図の前、66歩には同歩です。

65歩同銀同銀同桂64歩

64同金には66銀で

56桂を見て先手が指せるでしょう。

64歩に77桂成同金64金66金65歩56桂

先手玉も薄くなって怖いですが、攻め切れるでしょう。

ということで、66歩には55銀ですが

55同銀同角成46銀54馬55桂

これでやや先手指しやすいですが、後手も馬ができるのでまあまあの展開だったはず。
こういうのを嫌がっての85桂が勝負手だったとは言えます。


× 実戦は86銀でした。

10月4日の問題(5日に回答)をやった方は、これを選ばなかったでしょう。66歩から玉頭戦を挑んだのに逆方向です。
後手の66歩に75歩が悪手で76桂を食らいました。

78玉68桂成同金67金

67金は急ぎ過ぎ、76金として55銀を狙い、88桂なら67金で壁を作らせて強攻すれば寄りでした。まあここからは先手が勝てませんが。

75歩では65歩です。

55銀に64桂

これは難しい戦いです。


○ 65歩が自然な手。85桂をとがめています。

77桂成同金は歓迎です。攻め駒が増えます。
55銀同銀同角成66銀打

玉頭戦らしく勢力争いです。54馬に55桂

62金64歩に51桂がしぶとい受けですが

63歩成同桂43桂成同馬64歩

これは先手有利。63歩成には同金同桂成同馬のほうが難しそうです。
どこかで77桂成同金が入っていれば簡単に先手が有利になります。


△ 65銀もありそうです。

55銀には56歩46銀47歩

37銀成なら55桂で十分です。
64歩46歩54歩が最善で

33歩(同金は42角の筋)42金32銀

51飛43銀成同金64銀同金32歩成

銀を捨てないで65歩同歩の形のほうが寄せやすいかもしれません。どちらでも先手有利。

65銀には73銀で難しいです。



銀桂交換は銀のほうが得と言えないことも多いですね。(これは6日にも書きました。)
さらに玉頭戦は少々の駒損でも厚みを作ったほうが有利なのです。
後手は序盤で先手に55歩の位を取られたのが問題だったのでしょう。仕方なく応援できる駒が少ないのに65歩の位を取ったのが疑問の構想です。どこかで54歩同歩同銀と厚くできればよかったのですが。







コメント (2)
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