名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

戦いはこれからだ

2015-10-30 | 将棋本 断捨離
戦いはこれからだ―人間的魅力の研究 (ノン・ポシェット)
1999年出版、米長先生と藤沢秀行(しゅうこう)先生の対談です。
この本が、というよりは秀行先生の生涯が面白すぎます。ぜひ読んでください。米長先生も遊び暮らした部分はありますが、秀行先生のほうが桁違いに破天荒です。

将棋は終盤になるほど複雑になるので(といっても収束してしまうのが不思議ですが)、読みの力がものをいいます。囲碁はだんだん手の可能性が少なくなっていく、序中盤の手の可能性が大きいので、感覚のほうがものを言います。というのは子供のころ囲碁のルールを覚えただけの私が言うので的がずれているかもしれません。でもそういうものでしょう。男女のレベルの差が少ないのと詰碁の世界が詰め将棋より狭いこと、年配になっても活躍できるのはそういうことかと。昔の棋士のほうがレベルが高かったという話も聞きます。
まあそれはともかく66歳で囲碁のタイトルを取った秀行先生に50歳名人の米長先生が話を聞き、まだまだ修行だというのですから、楽しいのです。

筋とは関係ないのですが、米長先生の名人を取ったころ、NTT株を安値と思って買って破産しそうだったみたいです。それくらいのことがないと悲願はかなわないのでしょうか?

本を読んで記録しておくべきことは2つ。

勝つための勉強ではなく強くなる勉強をする。自分で苦心して悩んで考え抜くこと。
味や含みがあるのが本来の将棋や囲碁

最初に読んだときは素直に感心していたのですが、その後の米長先生がふるいませんでした。囲碁はともかく将棋は解明されつつある気がします。論理思考の積み重ねによって。年を取ると盤面のイメージを頭の中で考えるのが難しくなってくるので、それをカバーする力をつけるべき、それが直感やそれに関係するものではないかと考えています。
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20151030今日の一手<その192>;攻めさせてカウンター

2015-10-30 | 今日の一手
20151030今日の一手

24日東海リーグの2局目です。形勢判断と次の一手を考えてください。








昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀歩と香の交換です。先手に持ち歩があり成香で後手玉の近くにあるのですから、駒の損得はほぼありません。
玉の堅さは先手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は28飛12成香持ち駒角香で4枚。十分です。
後手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。82飛と75銀が先手陣に届くのはもう少し先です。
総合すれば先手が有利。

大局観として

実際は私が後手で、手損なしの角換わりなのですが、後手(実際は先手)の玉の移動が早すぎて、棒銀で端を破ったのが厳しくなりました。
問題図の少し前、

ここで右から攻めるのもありそうだけれど、68玉64銀79玉75歩、と後手に動いてもらって、カウンターで攻め合い勝ちにしようと思いました。居玉は避けよという格言がありますが、少し意味合いが違います。7筋から攻めさせるので居玉のほうが堅いのかもしれません。
それで問題図になるのですが、24歩は同歩の一手だと思っていました。そこで21成香同金45桂の筋にしようか、25歩の筋にしようかと考えていたのです。今見ると前者は指しすぎか。25歩は厳しそうですね。

で、問題図ですが、後手に動いてもらったので55角の筋を伏線に攻めることができます。その前に76歩と打つか、打たせて攻め合いで勝てるか、という判断が必要です。


△ 実戦では76歩と打ちました。

86歩同歩同銀同銀同飛に22銀

取れば王手飛車ですから87銀に31銀成同玉88香

78銀成同玉87歩同香に

同飛成はびっくりしました。同玉82香86歩同香同玉85歩

これで77玉と逃げて勝ちになりました。

途中の変化として、88香に同銀成もあります。

88同金に87香

77金89香成69玉

88飛成は交換して71飛が残って困ります。これでどうにか受かっています。

びっくりした87同飛成では69銀が普通です。

69同玉87飛成78銀82竜(61銀の筋を受ける)

これはまだ難しいと思っていました。Sさん、残り時間が少ないので長引いては勝てないから勝負しに行った、ということでした。


○ もう一つ有力に見えるのが22歩です。これは1歩もらったのでできる筋ですね。

76歩に31歩成

21同金(一回取るほうが得)同成香77歩成

77同桂76歩55角

64銀22角成42玉23馬

詰めろで銀が取れるので先手勝勢。あとで74桂があるのも心強いです。


△ 26香は俗手ですが

76歩24香同歩22銀

実戦にも出ましたが、また俗手です。
77歩成31銀成同玉77桂

24飛を防いで25香に21成香42玉(41玉でも)46角

飛車取りを防げば24角から25飛という筋。飛車交換なら難しくない寄せです。

後手の変化は24香に77歩成

23香成41玉(42玉は15角)77桂

86歩同歩76歩に22成香左

77歩成31成香51玉77金

65桂21飛成77桂成33角

ここまで進めてやっとはっきりしましたが、先手に余裕がある攻め合いです。


× 46角は変化球。

64歩なら76歩と打って

86歩同歩同銀なら64角

という意味なのですが、

最初に64角と合わされると

王手飛車の筋が減るので損です。


○ 全く気が付きませんでしたが、14角があります。

24飛を受けるのに33玉は21成香同金45桂

22玉24飛同歩33銀

31玉には22歩、12玉には24銀成、13玉には15香でピッタリ寄っています。

14角には33銀打か。

26香と足せば受けがなく、76歩には24香

24同銀同飛77歩成

23飛成42玉77桂76歩21成香

これは先手勝勢。



問題図の前、ずっと14角の筋で後手は受けが難しかったのです。気が付きませんでした。まあ32玉の形の角換わりは少ないですし、まして棒銀で攻めて優勢なんてまずお目にかからないくらいの成功の図ですから、見えなくても仕方ないと思うのですが。気が付きました?狭いところに角を打つのは盲点になりやすいです。

それを除外すれば、68玉から79玉という構想、攻めさせてカウンターを狙うというのが勝因だと思っています。右から攻めて玉に逃げられて怪しくなる、というのは(私の力では)よくあることですから。
その時は79玉の位置が一番いいです。89桂にひもが付いています。それでも攻めてこなければ、59金から68金右と固めるだけです。

問題図ではやはり22歩が自然でした。76歩で銀も交換させて攻め駒を増やすというのは少し危険です。76歩で1手、77歩成同桂76歩で2手、77歩成同金65桂で3手分攻めさせても飛車の横利きがあれば詰めろではありません。その間に22歩から攻めればよかったのです。
26香から攻めるのも同じ理屈です。26香よりは22歩のほうが効率がいいです。










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