名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

詰将棋の創り方

2015-10-12 | 将棋本 断捨離
詰将棋の創り方―実例と楽しみ方
1983年出版、伊藤果先生の本です。

これも希少本です。昔読んで少しだけ詰将棋を作りました。こういう世界もあるのかと感化されたんですね。
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20151012今日の一手<その174>;寄せのセオリー(2)

2015-10-12 | 今日の一手
20151012今日の一手

先月13日の名南将棋大会からAさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛歩歩と銀の交換です。先手の駒損ですが、終盤ですので考慮しなくてもいいです。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。ただし、後手が入玉しない限りという条件付きです。
先手の攻め駒は75銀と持ち駒角銀香で4枚。
後手の攻め駒は49角と持ち駒飛で2枚。
総合すれば先手優勢です。

大局観として
玉の堅さは先手が堅い、それは間違いないのですが、後手が入玉してしまうと話は別です。入玉されると上から下に攻めなければならなくなるので、攻め駒の働きが悪化します。将棋の駒は前に進みやすくても戻ってくるのは大変なのです。ですから多くの場合は入玉されると寄せることができなくなります。
先手が穴熊なのも問題で、先手玉の周りの駒は存在していないようなものです。受けは考えなくてもいいですが、攻めの役には立ちません。相入玉にも手間がかかるので入玉されたら負けです。
後手玉は薄いのですが、入玉を目指せば景色が変わります。53玉は63から移動したのですが、これで21飛32金33桂34銀も守りの駒のように見えてきました。
ただし、3筋が壁になっているのでまだ入玉には手間がかかります。24歩も大きな拠点ですし、問題図では先手が優勢です。

寄せのセオリーは
①厳しい手から考える
②小さな駒から使う

というのは昨日やりましたね。せっかくですからもう一問解いて復習しましょう。


× 実戦は23銀でした。

これはやりたくなるのですが、このタイミングでは疑問手です。
23同銀同歩成同飛

ここで34金と抑えられるならいいのです。でも金はありません。34銀は24飛で銀取り。ですからまだ決め手になりません。
34歩29飛成33歩成同金55歩16角成

桂馬を補充できましたが、馬を作られて入玉のルートができてきました。
54歩43玉46桂45歩

64銀46歩45銀34金

53歩成33玉51角23玉24歩同金62と15歩

大分長く進めましたが、先手の攻めが少し足りません。この後入玉されてしまいました。


× セオリーで考えましょう。王手が一番厳しい手ですから64銀打

しかし43玉には息切れします。74歩くらいしかないです。

24飛73歩成45桂62と29飛成

金桂を見捨て入玉されそうです。つまり、王手で玉を移動させたのがお手伝いです。


○ 次の目標は62金です。歩を使って63歩同金はその次がないので、64香。

72金は61角

61飛同香成で角より飛車のほうが後手玉を捕まえやすくなります。ゆえに52金は仕方ないです。63歩が継続手。

小さな駒で52金を狙います。
43玉62歩成42金右63香成

ここで後手は脱出路を開きたいのですが、25銀なら23銀です。

23同金同歩成同飛61角

34玉を防ば寄せられます。

戻って45桂は

52と同金同成香

52同玉は23銀で

23同金同歩成同飛32角

43飛には64銀62銀24金

という感じで、少し遠巻きに攻めます。

戻って32角に29飛成は54角成が厳しく、43飛と打つくらいか。

64銀42玉53金33玉25歩

これも寄りです。

変化はいろいろありますが、どれも寄りそうです。どこかで23銀が決め手になるのですが、タイミングを焦ってはいけません。

△ 少し遅くなるのですが、74歩ならどうでしょうか。

85桂なら64香52金73歩成で大体同じです。


金桂は見捨てて43玉とされて、64香にも45桂です。

62香成33玉51角同飛同成香24玉

74歩は空振りですが、形勢不明です。


入玉を見せられると寄せの難易度が上がりますね。戦型でいえば居飛穴に風車です。後手玉の移動が効果的でした。玉を移動されると小駒は足が遅いので攻めが鈍るのです。後手陣の3筋の壁に触らないほうがよい、と気が付けば考えやすかったかもしれません。


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