名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

谷川流寄せの法則

2015-10-24 | 将棋本 断捨離
谷川流寄せの法則 応用編
2004年、谷川先生の本です。
谷川流寄せの法則 基礎編
こっちもあったはずですが、みつからないので田舎にあるのかもしれません。

寄せ方を次の一手方式で勉強する本です。谷川先生の実戦からの出題は難しいです。読みが得意な方、終盤力をつけるためにはやっておくとよいです。直観を得意とされる方なら、自分の感覚があっているか、さっとチェックするくらいの使い方でよいと思います。
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20151024今日の一手<その186>;相掛かりの序盤は危険が多い

2015-10-24 | 今日の一手
20151024今日の一手

先月27日の名南将棋大会からAさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度
先手の攻め駒はなし
後手の攻め駒は22角74飛で2枚。
総合すれば互角です。


まだ序盤の駒組みなのですが、94銀が見ない形ですね。また、先手は24歩を交換しなくて26飛としています。

本来は上が先手です。ひねり飛車にしたかったということでしょう、1筋の端歩を突きあっています。縦歩取りで74飛と寄ったら77金ではなくて26飛で受けられた、という図です。ここで後手番(本来は先手)。34歩では交換されて82角が残るし、83銀から繰り出して、「縦歩棒銀」で問題図になった、というわけです。
後手(本来は先手)は、74飛では94歩96歩と突きあってから34歩が普通の手。ひねり飛車にはならないのですが、先手(本来は後手)24歩の交換は危険なので、76歩より46歩が主流になったという理解です。
また、縦歩棒銀を目指すなら、84飛の形で83銀46歩とさせておいてから74飛です。これを77金と受けると銀を繰り出されて危険なので、76歩はただ取りできる、という定跡です。
こういうのは相掛かりガイド (週将ブックス―定跡百科)相掛かりガイド〈2〉 (週将ブックス―定跡百科)を読んでおくとわかります。最近の相掛かりの本には出ていないでしょう。

大局観として

94銀と出たのですが、このままでは使い道がありません。なので、後手はしばらく我慢して陣形整備して立て直すしかありません。先手は主導権を握るチャンス。34歩とついてもらったので急襲もありそうです。攻め駒はないのですが、26飛は24歩と突いて使うか、横に回って使うか。88角は65桂で決戦するか、97角で使うか。大駒を中心に活用を考えます。


△ 実戦は24歩でした。

24同歩同飛に76飛がしゃくです。

ここで34飛と横歩を取って互角だと思います。28歩は17桂で問題なし。後手の飛車が2筋に来ると65桂があります。
実戦は34飛としなかったので、手順省略でこういう図。

後手は94銀を立て直してから戦いたかったです。


○先手からひねり飛車にするには97角

54飛なら48玉

33角で24歩交換を拒否すれば、86飛84歩76飛

途中、86飛に71金と頑張っても、銀を立て直すには82歩か84歩が必要です。
25歩の形が伸びすぎのようでも、後手陣もよい形ではないのでおあいこ。

少し戻って33角ではなく72金(86飛に83銀とする意味)なら24歩同歩同飛

2筋の歩を交換して76飛を目指します。

75歩に84飛なら

24歩同歩同飛

これも同じですね。後手の飛車は8筋で使えますが、先手もひねり飛車にできるでしょう。
23歩26飛のあと、後手から85銀は88角で問題なし。


○ 65桂とすれば決戦です。

88角成同銀42銀に82角があります。

84飛91角成62金

65の桂馬は取られるかもしれませんが、すぐに82香から桂馬を取りに行ってもいいですし、陣形整備で後手陣のほうが形が悪いと主張してもいいでしょう。先手有利。

後手としては88角成同銀に71角が我慢の一手。

ここから持久戦にしてもいいのですが、53桂成から攻めます。
53桂成同角56飛52歩82角

後手は64桂が勝負手で、76飛から飛交換を狙います。交換を避ければ、64桂55飛76飛77歩26飛

91角成28飛成81馬19竜63馬

先手の攻めのほうが速そうです。53角が攻めの目標になります。


△ 56飛とまわると

42銀に65桂

なにか5筋を受けると82角なのは前と同じ。
88角成同銀54角は攻防のようですが

53桂成同銀82角

後で55香が厳しい手になります。

ということは、ここでも71角の受けです。

今度は53桂成が利かないので、持久戦です。先手が悪くはありません。


他の候補は95歩くらいですか。でも83銀と喜んで引かれるので指してはいけません。48玉とか68銀とか陣形整備するのは後手の希望です。


相掛かりの序盤は危険が多いです。飛車先の歩を交換すれば、飛車がすぐに攻め駒になります。持ち歩があるので工作が利きますし、角交換にもなりやすいのです。あとは右桂を使ったり、銀を繰り出したり、攻めに破壊力があります。だから、序盤の知識が必要です。形を知っているだけで楽勝、という場合も多いです。まあ後手も自信がなければ相掛かりを受けてくれないわけですが。
問題図での34歩が危険だというのはわかってもらえたでしょうか。77桂で角筋が止まっているから、なんて安心して突いてはいけません。5筋が薄くて怖いなあ、と思ってください。先手番なら何かありそう、と手を探すところです。




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