20151022今日の一手
先月27日の名南将棋大会からAさんとAさんの対局です。(この日はAさんが4人います。)
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は55角で1枚。角の陰になっていますが58飛も加えてもいいでしょう。
後手の攻め駒はありません。
総合すれば先手がやや有利です。
大局観として
ここで後手番なら54歩と打ってこれからなのですが先手番です。先手玉が堅いというか、後手玉の整備が間に合っていないので激しく戦いたいところです。先手が3歩手持ちにしているのが大きいです。歩が多いほど手を作りやすくなります。
問題図の少し前、
この65歩が疑問手。21玉から32金か、22玉から32銀か、しっかり囲うべきでした。
55歩同歩65歩同銀55角に64歩と謝らせられました。
△ 実戦は56銀とぶつけました。銀をさばく手です。
56同銀同飛65桂
65桂と逃げられたので少し後手も楽になったでしょう。先手74歩の負担が軽くなりました。
59角67銀66飛76銀成56飛45歩に同桂
後手は交換した銀を打ってもたれ戦術です。45歩に同桂が疑問手で、同歩なら有利だったのですが。
ここで44角と使えて持ち直しました。33桂成同角73銀
99角成82銀不成55香
飛車を取り返して互角に近い形勢です。先手の持ち駒が多いので悪くなったわけではないのですが、後手は76成銀をさばいて、先手の82銀は香車を取るだけだったので、差が縮まって逆転につながりました。
△ 77桂は考えてみたい手です。
おとなしく74銀と引いたら54歩同金35歩
という筋で先手よし。後手玉を直撃です。
ですから77桂には54歩の一手です。
65桂同桂73銀としたくなるのですが、
83飛64角55桂56銀47桂成同銀
先手が悪いわけではないのですが、77桂を使っても55桂と打ち返されること、65桂と使われること、が不満です。
○ 77桂がだめなら66歩です。
54銀なら74歩
と金を作らせるわけにはいかないので、72飛73歩成同飛65桂
これは先手が駒得になります。
ですから、66歩にも54歩でしょう。
65歩55歩74歩
65桂73歩成は と金が大きそうです。
83飛なら72銀93飛64歩
すぐに桂馬を取らないで飛角をいじめます。
この変化は角を取られるのですが、攻めはあるので先手有利。大きな差ではないのですが、手には困りません。
○ 54歩と先手から打ってみます。
54同銀が普通ですが、74歩です。
55銀とされても、2枚替えで と金を作れますから、65桂73歩成84飛66角くらい。
これで55歩と75角が残ります。57歩には78飛でやぶへび。先手有利です。
54歩に同金は
88角55歩56歩
53角54金の形が窮屈なので、そこをつきます。
42角には55歩の前に35歩
43玉ともできないので、86歩34歩87歩成33歩成
33同角34歩42角55歩53金79角
8筋は破られましたが、攻めているところが違います。これは先手優勢。
54歩が取れなければ42角ですが、45歩で
これはさらに先手が指しやすくなります。
○ 74歩は銀を呼び戻させる手筋。
74同銀しかなく、54歩には同金に限定できます。そして35歩。
前の54歩の変化で65銀の形と比べれば、1歩損です。でも銀の働きが悪くなったとみればこれもあります。
○ 最後は45歩と一番の急所を攻める手。
45同歩は33角成同玉53飛成
あとはいうことはありませんね。71角の筋もあります。
45歩は取れないので54歩ですが
44角同金同歩
44同角に66歩
どう応じても飛車がさばけます。先手有利。
問題図では後手の受けが一手遅れているのです。不用意に65歩と攻めたからですが、
74銀は好形でも対振り飛車では73桂としないほうがよいというのは少し前にもやりましたね。銀と桂 両方をさばくのは難しいのです。対矢倉なら77銀が目標になるのでやりやすいのですが、振り飛車や右玉相手に65銀と出ても、いつでも74歩で戻されます。65桂から動いても桂馬交換になりにくいので74銀が残ってしまいます。
また、
有利なときには自然な手でよい、あるいは
有利なときには良い手が増える、というのも重要なことです。
問題図はいろいろ手があって、どれが自然かといわれると難しいのですが、74歩や45歩が自然な手と言えるでしょう。74歩同銀の形なら54歩が自然な手。54同金に角を引くか取らせて35歩か、と考えていきます。その過程で、最初に54歩同銀でも74歩で指せないか?と考えてみるか。
攻め将棋なら45歩から考えるでしょう。角を移動して53飛成の順で攻めたいから。触れませんでしたが、74歩同銀45歩というのもありそうですね。
56銀は銀をさばこうという手で思い浮かぶのですが、65銀と取っても同桂でさばかれるので、後回しで考えたいです。
55角は取られても金や銀と交換なら飛車がさばけると思っていれば、77桂や66歩です。54歩とされても大丈夫か考えなければなりませんが。
いずれにしても、ここはなにかありそう、と考えていいところです。後手陣に隙がありそうなのです。