20151027今日の一手
先月27日の名南将棋大会からAさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は71飛と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は69飛と55角で2枚。
総合すればやや後手有利です。
大局観として
先手玉の危険度が問題です。桂馬を渡すと36桂で危険です。のんびりしていると35歩から36歩というのもあり得ます。ですから堅さにかなり差があります。互いに飛車を打ち合ったところ、桂香を取り合って、さあそこからどう寄せるか、なんていう場合ではありません。
まずは桂馬を渡さない方法を考えます。幸い無理にとられても詰む詰まないまでではないのでしのぎようはありそうです。
△ 実戦は81飛成でした。
89飛成に67角
69竜58角99竜に26桂
この後43金に15歩では重複している感じ。26桂を打たないで15歩のほうが勝負かという気がします。
(問題図で58角89飛成81飛成99竜ならこれに合流します。)
自陣角で36桂を防いだので玉が安定しました。でも端攻めでは反動がありますから難局でしょう。
× 78角は見えるのですが。
79飛成34角に36歩が痛いです。
適当な受けがないので、52角成同金42金同金31銀と攻めるのですが
13玉42銀成45桂
これは後手が優勢。
後手は36歩とする前に42金右と用心しておいてもいいでしょう。先手が36歩を避けるのは難しいです。
△ 88金と桂馬を守る手。
87歩に78角が狙いで
34角42金右87金
これなら歩切れで36歩がありません。81飛成から88金、78金と使えればよくなります。
34角には88歩成でどうか。
52角成同金42金同金31銀
13玉42銀成45桂32成銀
後手は89竜くらいで、36銀とか35金とかおいておけば先手が指せそうです。前の変化と比べて、金を取らせているうちに歩切れにして手を稼いだ、ということです。
では先手有利かといえば、88金87歩78角に49飛成
49同銀88歩成34角
これがよくわかりません。43金打に同角成同金82飛から88飛成とかなら長い勝負。42金右43銀31金打は千日手。47歩成同歩89と46銀とか。
全部合わせて互角なんでしょう。
○ 最後は98角
45桂なら58銀68飛成69歩88金
という感じ。37桂成は怖くありません。88金を右に寄せていきます。
98角に35歩が厳しい手になります。
81飛成43金58銀
79飛成に76金で(36歩が来る前に)55の角を追います。飛車がどこに成っても同じです。
76同銀同角36歩に56歩
64角65歩37歩成同銀53角34歩
あとは角を追い払って、37歩成を決めてくれば桂頭を攻めます。
これは先手有利。
98角には後手の手段もいろいろ考えられますが、58銀と投入して粘ればだんだん良くなるようです。
後手の飛車のうち場所が悪かった(79飛なら逆転しない)ので、78角とか58銀の手段が生じました。
桂馬の取り合いは後手を引くので守る手を考えます。
78角は3筋の歩を取ると36歩と逆用されるのでますい感じです。
88金は87歩があるので考えるのを切りすてそうですが、後手が1歩しかないのが幸いして78角が成立していい勝負でした。
念のためと検討したら一見無筋の98角が有力でした。76の銀を間接的ににらんでいるので遊ばないです。後手を引いて角を手放して受けるだけですから思い浮かばないです。
形勢不利の時には自然な手だけでは勝てません。自然に見えない手ののどこかに好手が隠れていることもあります。