名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

羽生善治 進化し続ける頭脳

2015-10-27 | 将棋本 断捨離
羽生善治 進化し続ける頭脳 (小学館文庫)
2002年出版、田中寅彦先生の本です。

田中先生は文才がないです。ごめんなさい。(本の中では)羽生と呼び捨てているのに先輩棋士は敬語を使います。それだけで印象が悪い。当時は対戦成績がよくて羽生キラーと書かれていたころ、強いと持ち上げておいて自慢しているようで。将棋の世界にいるのなら、自分より強い人努力している人に敬意を払うべきだと思います。自分のほうがつよい、と思うのはトーナメントプロなら当然ですが、言わなくても結果を出せばいいだけのことです。若いころは谷川先生に食いついていましたね。

まあそれはいいとして、羽生先生が強いのは
勝負を度外視して純粋に将棋を楽しめること、冷静さ
情報処理能力、吸収する力
としています。(私の読み方ですが)
もう少しつっこんで分析してほしかったです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20151027今日の一手<その189>;隠れた好手

2015-10-27 | 今日の一手
20151027今日の一手

先月27日の名南将棋大会からAさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。






昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は71飛と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は69飛と55角で2枚。
総合すればやや後手有利です。

大局観として
先手玉の危険度が問題です。桂馬を渡すと36桂で危険です。のんびりしていると35歩から36歩というのもあり得ます。ですから堅さにかなり差があります。互いに飛車を打ち合ったところ、桂香を取り合って、さあそこからどう寄せるか、なんていう場合ではありません。
まずは桂馬を渡さない方法を考えます。幸い無理にとられても詰む詰まないまでではないのでしのぎようはありそうです。


△ 実戦は81飛成でした。

89飛成に67角

69竜58角99竜に26桂

この後43金に15歩では重複している感じ。26桂を打たないで15歩のほうが勝負かという気がします。
(問題図で58角89飛成81飛成99竜ならこれに合流します。)
自陣角で36桂を防いだので玉が安定しました。でも端攻めでは反動がありますから難局でしょう。


× 78角は見えるのですが。

79飛成34角に36歩が痛いです。

適当な受けがないので、52角成同金42金同金31銀と攻めるのですが

13玉42銀成45桂

これは後手が優勢。
後手は36歩とする前に42金右と用心しておいてもいいでしょう。先手が36歩を避けるのは難しいです。


△ 88金と桂馬を守る手。

87歩に78角が狙いで

34角42金右87金

これなら歩切れで36歩がありません。81飛成から88金、78金と使えればよくなります。

34角には88歩成でどうか。

52角成同金42金同金31銀

13玉42銀成45桂32成銀

後手は89竜くらいで、36銀とか35金とかおいておけば先手が指せそうです。前の変化と比べて、金を取らせているうちに歩切れにして手を稼いだ、ということです。

では先手有利かといえば、88金87歩78角に49飛成

49同銀88歩成34角

これがよくわかりません。43金打に同角成同金82飛から88飛成とかなら長い勝負。42金右43銀31金打は千日手。47歩成同歩89と46銀とか。
全部合わせて互角なんでしょう。


○ 最後は98角

45桂なら58銀68飛成69歩88金

という感じ。37桂成は怖くありません。88金を右に寄せていきます。

98角に35歩が厳しい手になります。

81飛成43金58銀

79飛成に76金で(36歩が来る前に)55の角を追います。飛車がどこに成っても同じです。

76同銀同角36歩に56歩

64角65歩37歩成同銀53角34歩

あとは角を追い払って、37歩成を決めてくれば桂頭を攻めます。
これは先手有利。
98角には後手の手段もいろいろ考えられますが、58銀と投入して粘ればだんだん良くなるようです。


後手の飛車のうち場所が悪かった(79飛なら逆転しない)ので、78角とか58銀の手段が生じました。
桂馬の取り合いは後手を引くので守る手を考えます。
78角は3筋の歩を取ると36歩と逆用されるのでますい感じです。
88金は87歩があるので考えるのを切りすてそうですが、後手が1歩しかないのが幸いして78角が成立していい勝負でした。
念のためと検討したら一見無筋の98角が有力でした。76の銀を間接的ににらんでいるので遊ばないです。後手を引いて角を手放して受けるだけですから思い浮かばないです。
形勢不利の時には自然な手だけでは勝てません。自然に見えない手ののどこかに好手が隠れていることもあります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする