名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

東海団体リーグ戦 第70回A級4R

2017-01-13 | 東海団体リーグ
年末年始いろいろあって記事が遅れましたが、昨年12月25日は東海団体リーグの最終節でした。
尾張同好会Aチーム、ここまで4勝2敗でした。

結果は

この日は2勝1敗、トータル6勝3敗でした。6勝3敗が3チームあり、順位と勝ち星の差で一番下の5位。ちょっと悔しいです。もう二つ上乗せがあれば3位だったのに。

個人成績


講評



私の個人成績も6勝3敗、やっとスランプが終わりかけたかな、というところです。我がチームは成績順なので、今度は3将で出る予定。

来期は1月は空き番、2月26日から始まります。

東海リーグ幹事の鈴木栄児さん、12月に急逝されました。本当に急なことでびっくりしました。
改めてご冥福をお祈りいたします。
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大山将棋研究(398); 四間飛車に左美濃

2017-01-13 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?

☆ 今日の棋譜
昭和53年2月、松田茂行先生と第19期王位戦です。


大山先生の四間飛車に松田先生は天守閣美濃です。左美濃が流行っていますね。

天守閣美濃で46右銀の急戦という作戦でした。

でも32飛に37桂では攻められません。32銀37桂43銀なら2手得なので仕方ないかもしれませんが、これでは何を目指していたものやら。

しばらく駒組みで

5筋から動くのですが、ここは銀冠に囲っておきたいところ。

55歩と抑えて飛車を2筋に戻したら、大山先生が軽く動きます。

すぐに戦いがおころわけでもないのですが

もう松田先生は銀冠にする余裕はありません。

大山先生の51飛は誘いの隙か。

松田先生は飛車を切って42角から桂を取ります。

大山先生は香を拾い、形勢は互角です。松田先生に持ち歩があれば有利なのですが。歩がないので桂を打ち

銀取りで返されます。ここは何か1手パスしたいくらいなのですが、65歩として

馬を追われました。65歩を突いてあるので逃げにくく(65歩が拠点になる)

松田先生は金と刺し違え。無茶シゲらしいです。

小駒だけでも攻め駒4枚に近いですからうるさいです。

ここで大山先生のカウンター。

寄せ合いになりました。どちらの玉も捕まえにくそうなのですが

松田先生はとにかく攻めます。

もう一回桂のつるべ打ち。

でも少し足りませんでした。桂をむしって打ち返して少し早い投了図。

松田先生の序中盤はつまらない指し方だと思うのですが、寄せ合いになるとやる気を出しますね。それに対して大山先生の反撃も見事。銀冠になっていない欠陥を突きました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:松田茂行8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 5七銀(48)
16 8二玉(72)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 8六歩(87)
20 5二金(41)
21 8七玉(78)
22 7二銀(71)
23 7八銀(79)
24 6四歩(63)
25 3六歩(37)
26 5四歩(53)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 1六歩(17)
30 7四歩(73)
31 4六銀(57)
32 3二飛(42)
33 3七桂(29)
34 6三金(52)
35 6六歩(67)
36 1四歩(13)
37 6七金(58)
38 8四歩(83)
39 7七桂(89)
40 8三銀(72)
41 7九角(88)
42 7二金(61)
43 5八飛(28)
44 5二飛(32)
45 5五歩(56)
46 7三桂(81)
47 5四歩(55)
48 同 銀(43)
49 5五歩打
50 4三銀(54)
51 2八飛(58)
52 4五歩(44)
53 同 銀(46)
54 5五角(33)
55 4六歩(47)
56 3三角(55)
57 5六銀(45)
58 5四銀(43)
59 2四歩(25)
60 同 角(33)
61 2九飛(28)
62 5一飛(52)
63 2二歩打
64 3三桂(21)
65 6八角(79)
66 4一飛(51)
67 3五歩(36)
68 同 歩(34)
69 2六飛(29)
70 5一飛(41)
71 2四飛(26)
72 同 歩(23)
73 4二角打
74 8一飛(51)
75 3三角成(42)
76 3九飛打
77 4五桂(37)
78 1九飛成(39)
79 5五桂打
80 同 銀(54)
81 同 銀(56)
82 5二香打
83 6五歩(66)
84 5五香(52)
85 同 馬(33)
86 5四歩打
87 6四歩(65)
88 5五歩(54)
89 6三歩成(64)
90 同 金(72)
91 6四歩打
92 同 金(63)
93 5三銀打
94 7五桂打
95 同 歩(76)
96 同 金(64)
97 6四銀成(53)
98 6六歩打
99 7三成銀(64)
100 同 玉(82)
101 6五桂打
102 8二玉(73)
103 7三金打
104 9二玉(82)
105 8五桂打
106 同 歩(84)
107 同 桂(77)
108 同 金(75)
109 同 歩(86)
110 7五桂打
111 投了
まで110手で後手の勝ち
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20170113今日の一手(その447): 自玉が薄い時は強襲を警戒する

2017-01-13 | 今日の一手
20170113今日の一手

12月の東海リーグから、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答
序盤からみてみると

矢倉の早囲いに雀刺しで対応したのですが、22玉を見て選択すべきでした。(藤井矢倉を目指していたそうですから、そうならないのですが。)22銀で間に合わされて棒銀にこられると私の作戦負けです。相矢倉は何年ぶりかで指すのでボケていました。

仕方ないので右玉に。作戦負けの時には玉を移動してみると景色が変わります。
8筋の継ぎ歩攻めに59飛と回ってけん制します。86歩に83歩が利いたので形勢は互角に近くなりました。

その歩を成って、と金(これが取れない)を活用して形勢が良くなりました。

45歩を見せられて、つい55銀とやってしまって

問題図です。55銀はよい手ではありませんでした。65の桂を取れなくなったからです。

☆ 形勢判断をします。
と金と歩を得しています。後手に持ち歩があるので歩はカウントしませんが、と金は得をしています。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は73と55銀の2枚。
後手の攻め駒は65桂1枚。(微妙な位置ですが、77歩もあるし、57歩を支えているだけでも働いています。)
総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手玉よりも堅くできれば十分なのですが、困難です。(入玉できるような形にならない限り。)
駒得を目指すのは危険で、自玉を少しでも安定させる、あるいは後手の攻め駒(53角や84飛85銀を含めて)を抑え込むという指し方が良いでしょう。
後手のねらいとしては、45歩、75角、77歩あるいは76歩、86銀という手で、どれが厳しいのかを考えて、それに対応できる手を指したいです。

対局中は55銀を指して、後悔していました。66銀64飛の形で、74と とか54歩とか86歩とか、有力な手が多かったのです。65の桂を取る含みが無くなってしまいましたから、後手の飛車が少し自由になった感じです。


× 実戦では86歩として

86同銀85歩同飛76金

飛車が逃げてもらえないかなあ、という甘い考えです。87銀不成はわかっていましたが、勝負手のつもりでした。でもここで飛車を逃げる人はいませんね。罠にもなっていませんでした。
87銀不成85金78銀成

飛銀交換でも85金が遊んでいて、57歩が残っているのですから先手不利です。味が悪いのに駒得を目指してはいけません。まだ攻め駒になっていなかった飛銀を呼びこんで失敗したら一気に形勢が悪化します。


× 74と は自然な手なのですが

74同銀同歩に45歩

が後手のねらいです。28銀とか26銀とか使うのではつまらないので(それでまだ難しそうなのですが)、26歩同角27玉(とこの筋は受けるつもりでした)46歩同銀左

これでぴったりだという気がするのですが、45歩同銀(桂では取れない)46歩同銀47歩39角17角成

と強襲されます。角で取れば48歩成、玉で取れば38香です。

途中で書いたように45歩に28銀で我慢すべきなのでしょうけれど、銀得だからと威張れる形ではありません。


× 66銀と戻しておく手は

もう一回64飛と戻ってもらえるわけもなく、2手損です。45歩に26歩同角27玉

46歩同銀47歩39角17角成

前に出た(74と同銀同歩の)変化よりも条件が悪いです。つぶれています。
(この筋に気が付いていなくて、感想戦ではまだ最善かと言っていたのですが。)


○ じっと26歩としておいて

45歩を受けておきます。この時には75角76歩58歩成

でつぶれていますね、と感想戦で言ったのですが、75角59と84角

これで案外に後手に攻め筋がありません。びっくりです。


○ 63と も45歩を避けた手で

75角に76歩

が怖すぎて切りすてましたが、58歩成以下が耐えているので先手有利です。86角には19飛という調子。


○ 19飛も45歩に備えています。

また、75角から58歩成の時に飛車に当たらないので安心です。


× 54歩は手順前後で(66銀64飛の形なら有効)

54同金同銀同飛

後手玉が少し薄くなりましたが、後手の攻め駒が増えてしまったのでかなり受けにくいです。


△ 56金は右玉らしい手です。

76銀74と86飛54歩42角64と

で調子が良さそうなのですが、77歩79金67銀不成65金78歩成

では少し苦しい展開です。もう少し工夫が必要です。(45歩の筋に備えているという意味はあるのですが)


△ 77桂も右玉らしい手ですが

(桂を交換すると45歩に26桂と対応できる意味がある)77同桂成同金上86銀76金直75銀

という感じでしょうか。85歩76銀同金58金

飛車を取り合って駒得ですが、うき駒が多いのですぐに取り返されて負けそうです。


☆ まとめ
後手からの攻め筋で注意すべきは45歩(~17角成)と75角(~58歩成)です。だから後手の53角(42から)は好手だと感じたのですが、本当に怖いのは45歩の方でした。だから問題図の前の55銀は悪手とまではいかなかった(好手ではないけれど)のですが、疑問手を続けないというのは大切なことです。悪い手を指してしまった、と動揺して、もう一回本当に悪い手を指してしまいました。

ということで、45歩の筋に対応しておく26歩、あるいは63と、あるいは19飛が正解です。
75角の筋に対応しておく手、66銀あるいは書きませんでしたが64歩とか66金とか、では45歩の筋が怖いです。

相手の攻めを呼び込む86歩はかなり筋が悪く(誰が指したのでしたっけ?)、74と は駒得ながら後手の飛角が楽になるので危なさそうな手です。

56金とか77桂とかは本来は良さそうな手なのですが、自玉が薄いので(65桂57歩が存在していなければよさそう)この場合は危険です。

自玉が薄い時は強襲を警戒する必要があります。26歩など、じっと玉のまわりに手を入れて、左から攻めてきなさいというのが正しい感覚でした。75角から58歩成でつぶれていると諦めてしまったのが運の尽きでした。

本題とは関係ありませんが、スランプの時は自然な手が指せていないもので、自分から無理に動いて悪くしてしまうことが多い、と反省しております。
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