☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年4月、飯野健二先生と第17期十段戦です。飯野先生はプロ入り4年目で、これに勝てば十段リーグ入りだったようです。

大山先生の四間飛車に、飯野先生は持久戦で

22玉の形の左美濃に。すでに大山先生は左銀を腰かけているのですから、角筋に入って危険です。作戦負けになりそう。

74歩~51角~73角まで間に合わないといけないのですが、65歩~45歩のほうが速いので困っています。84飛は悩んだ末でしょうけれど、好んで指す手ではないです。

手待ちをして25歩と突かれました。こうなるなら12玉と角筋をかわしておきそうなものなのですが。

25歩は取れないので、74飛24歩同角78飛のやりとりから35歩。玉砕のようですが、何か動かないとだめだと判断したのでしょう。

大山先生は44角~76飛とすることができたのですが、飛車をさばかせただけなので玉頭を厚く構えます。

飯野先生も玉頭戦です。歩を合わせて金を繰り出せば、大山先生は銀を寄せます。

手堅いですね。13角の位置が悪いだろうとみています。

頃合いを見て端を攻めます。これがどれだけ厳しいかの勝負。

銀香交換ですが、角が飛び出して決戦です。46同銀も考えられますが

じっと14歩と抑えて、馬飛を追えばよいのですかね?危険な感じがしますが。

飯野先生は馬飛を切って香をたらして、手ごたえがあったのではないでしょうか。

桂を捨てて金を捨てて、取れば48角です。(でもその変化も先手が指せるようです。)

先手玉が詰めろでピンチ。この図を見たことがあります。河口先生の観戦記だったとおもいますが、どの本だったか思い出せません。

まずは13角で、取れば詰みなので12玉。

それから銀を引くのです。飛車の横利きが通って詰めろ逃れ。27金は46角成です。

49同香成に57角成で詰めろ逃れの詰めろ。大山先生の勝ちです。
大山先生はどこでこの筋に気が付いたのでしょうか?37金を取らなかったのですから、それ以前に発見したのでしょうね。怖い筋に踏み込んで、でも助かっているのですから不思議なんです。読み切って指しているのではなくて、何とかなりそうだとわかっていたのでしょうね。
「助からないと思っても助かっている」という大山先生の名言がありましたが、これはその好例です。簡単にあきらめてはいけない、という意味だけに解釈すべきです。
でも作戦勝ちだったはずなのに、危なくなりましたね。中盤で78飛としたのに44角~76飛を選ばなかったためだと思うのですが、48飛~45歩でしょうか。
それはともかく面白い終盤になりました。変化も考えてみてください。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:飯野健二4段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5三銀(62)
17 6七銀(78)
18 4四歩(43)
19 5六銀(67)
20 5二金(61)
21 3八銀(39)
22 3三角(22)
23 5八金(69)
24 2二玉(32)
25 4六歩(47)
26 3二銀(31)
27 3六歩(37)
28 4三金(52)
29 3七桂(29)
30 8五歩(84)
31 7七角(88)
32 2四歩(23)
33 2六歩(27)
34 8四飛(82)
35 4七金(58)
36 2三銀(32)
37 2七銀(38)
38 3二金(41)
39 3八金(49)
40 9四歩(93)
41 6五歩(66)
42 9五歩(94)
43 2五歩(26)
44 7四飛(84)
45 2四歩(25)
46 同 角(33)
47 7八飛(68)
48 3五歩(34)
49 2五歩打
50 1三角(24)
51 3五歩(36)
52 7六飛(74)
53 3六金(47)
54 3四歩打
55 同 歩(35)
56 同 金(43)
57 4七銀(56)
58 3三桂(21)
59 2六金(36)
60 5五歩(54)
61 3六歩打
62 5四銀(53)
63 1五歩(16)
64 同 歩(14)
65 1四歩打
66 同 銀(23)
67 1五香(19)
68 同 銀(14)
69 同 金(26)
70 4六角(13)
71 1四歩打
72 5七角成(46)
73 5八銀(47)
74 5六馬(57)
75 6七銀打
76 3八馬(56)
77 同 玉(28)
78 7七飛成(76)
79 同 桂(89)
80 4六香打
81 5一飛打
82 4五桂(33)
83 同 桂(37)
84 3七金打
85 2九玉(38)
86 1七角打
87 1三角打
88 1二玉(22)
89 4九銀(58)
90 同 香成(46)
91 5七角成(13)
92 投了
まで91手で先手の勝ち

後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年4月、飯野健二先生と第17期十段戦です。飯野先生はプロ入り4年目で、これに勝てば十段リーグ入りだったようです。

大山先生の四間飛車に、飯野先生は持久戦で

22玉の形の左美濃に。すでに大山先生は左銀を腰かけているのですから、角筋に入って危険です。作戦負けになりそう。

74歩~51角~73角まで間に合わないといけないのですが、65歩~45歩のほうが速いので困っています。84飛は悩んだ末でしょうけれど、好んで指す手ではないです。

手待ちをして25歩と突かれました。こうなるなら12玉と角筋をかわしておきそうなものなのですが。

25歩は取れないので、74飛24歩同角78飛のやりとりから35歩。玉砕のようですが、何か動かないとだめだと判断したのでしょう。

大山先生は44角~76飛とすることができたのですが、飛車をさばかせただけなので玉頭を厚く構えます。

飯野先生も玉頭戦です。歩を合わせて金を繰り出せば、大山先生は銀を寄せます。

手堅いですね。13角の位置が悪いだろうとみています。

頃合いを見て端を攻めます。これがどれだけ厳しいかの勝負。

銀香交換ですが、角が飛び出して決戦です。46同銀も考えられますが

じっと14歩と抑えて、馬飛を追えばよいのですかね?危険な感じがしますが。

飯野先生は馬飛を切って香をたらして、手ごたえがあったのではないでしょうか。

桂を捨てて金を捨てて、取れば48角です。(でもその変化も先手が指せるようです。)

先手玉が詰めろでピンチ。この図を見たことがあります。河口先生の観戦記だったとおもいますが、どの本だったか思い出せません。

まずは13角で、取れば詰みなので12玉。

それから銀を引くのです。飛車の横利きが通って詰めろ逃れ。27金は46角成です。

49同香成に57角成で詰めろ逃れの詰めろ。大山先生の勝ちです。
大山先生はどこでこの筋に気が付いたのでしょうか?37金を取らなかったのですから、それ以前に発見したのでしょうね。怖い筋に踏み込んで、でも助かっているのですから不思議なんです。読み切って指しているのではなくて、何とかなりそうだとわかっていたのでしょうね。
「助からないと思っても助かっている」という大山先生の名言がありましたが、これはその好例です。簡単にあきらめてはいけない、という意味だけに解釈すべきです。
でも作戦勝ちだったはずなのに、危なくなりましたね。中盤で78飛としたのに44角~76飛を選ばなかったためだと思うのですが、48飛~45歩でしょうか。
それはともかく面白い終盤になりました。変化も考えてみてください。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:飯野健二4段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5三銀(62)
17 6七銀(78)
18 4四歩(43)
19 5六銀(67)
20 5二金(61)
21 3八銀(39)
22 3三角(22)
23 5八金(69)
24 2二玉(32)
25 4六歩(47)
26 3二銀(31)
27 3六歩(37)
28 4三金(52)
29 3七桂(29)
30 8五歩(84)
31 7七角(88)
32 2四歩(23)
33 2六歩(27)
34 8四飛(82)
35 4七金(58)
36 2三銀(32)
37 2七銀(38)
38 3二金(41)
39 3八金(49)
40 9四歩(93)
41 6五歩(66)
42 9五歩(94)
43 2五歩(26)
44 7四飛(84)
45 2四歩(25)
46 同 角(33)
47 7八飛(68)
48 3五歩(34)
49 2五歩打
50 1三角(24)
51 3五歩(36)
52 7六飛(74)
53 3六金(47)
54 3四歩打
55 同 歩(35)
56 同 金(43)
57 4七銀(56)
58 3三桂(21)
59 2六金(36)
60 5五歩(54)
61 3六歩打
62 5四銀(53)
63 1五歩(16)
64 同 歩(14)
65 1四歩打
66 同 銀(23)
67 1五香(19)
68 同 銀(14)
69 同 金(26)
70 4六角(13)
71 1四歩打
72 5七角成(46)
73 5八銀(47)
74 5六馬(57)
75 6七銀打
76 3八馬(56)
77 同 玉(28)
78 7七飛成(76)
79 同 桂(89)
80 4六香打
81 5一飛打
82 4五桂(33)
83 同 桂(37)
84 3七金打
85 2九玉(38)
86 1七角打
87 1三角打
88 1二玉(22)
89 4九銀(58)
90 同 香成(46)
91 5七角成(13)
92 投了
まで91手で先手の勝ち