20170107今日の一手
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/f0/98200004d8f5079e9e4bf89f919ff799.png)
12月11日の名南将棋大会から、私とAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
少し前はこの図で
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ノーマル四間飛車から角交換で持久戦になったのでしょう。少しもったいないのですが、角を打って77の銀を取って飛車をさばく手筋です。56歩77角成同桂86飛で問題図。
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☆ 形勢判断をします。
銀と角の交換で先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角2枚。
後手の攻め駒は86飛と持ち駒銀で2枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
駒得ですが持久戦というわけにもいきません。87飛成や89飛成が見えていますね。77桂か99香を取られるかもしれませんし、竜を作られたら駒得もかなり薄れます。87飛成から桂を取られるほうが飛車に当たるので痛そうです。77の桂は守りたいのですが、それにしても何か代償がないといけません。
86飛の位置はやや不安定なので、飛車取りに角を打って手を作れるか。あるいは角を打ち込んで馬を作り桂香を拾えるか。そういうことを考えるのでしょう。
× 88歩で収まればいいのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/d3/90a765c4dbb3cf1b41106afc3a932dba.png)
87歩と合わされるのもありますし、76飛66角75銀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/51/ecb9d33e2eba5a7efd54858bb8e52b00.png)
と桂馬を狙われるのも嫌です。
× 97角で飛車取りにして
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89飛成88飛同竜同角87飛89歩
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と進むなら指せないこともないのですが
88飛の時に99竜
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/fa/86dda767dc6e22abd8a8ef57d692cae9.png)
があるので駒損になってしまいます。
△ 実戦は64歩と突き捨てて
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想定手順としては64同歩97角87飛成64角で同銀同角としたかったのだろうと思いますが、64角の時に77竜
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/46/d1be9d6526197c3dfcbd83eef4383586.png)
があって失敗です。
よって87飛成の時に86角打
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と粘ったのですが、75歩67飛88銀
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で後手に駒損を回復され、竜で飛角を抑え込まれる展開になってしまいました。
戻って、97角ではうまくいかなかったので63角
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として馬を作るほうが良さそうです。
87飛成67飛73桂74角成65桂
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桂馬をさばかれるのはしゃくなのですが、あっさり65同桂67竜53桂成同金26桂
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/f8/b589933deef23b5fcb29c15f3b1f161f.png)
とするのは先手も十分指せるでしょう。
あとは変わった手ですが、65桂と捨てて
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65同歩に64歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/b9/456a556c2725bc30abd22f5a217310f7.png)
取れば97角です。52銀72角51桂65飛62歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/38/730c14702aa686f468abd60ccb3bbd85.png)
と受けさせて、83歩73桂69飛87飛成81角成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/73/e4df7321d2d5c213e7b1cf95d06d9fa7.png)
と進めば駒損は回復できるので悪くはありません。
なお、最初の64歩に同銀なら
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72角53金65桂52金引83歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/5d/0432d667972a7ab184e5a08628bd4e9c.png)
と、これも馬を作る指し方があります。
○ 97角を狙うなら35歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/15/7c43a400cc15e9636d4f150fed9e2ca3.png)
が強い手です。35同歩に34歩(同金に97角が狙い)25桂26歩
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と桂を取りに行きます。87飛成が厄介ですが、66角86銀67飛78竜58角87銀不成57飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/7b/c310b8e3711523ececa6dfa6e41c0861.png)
としてどうにか受かります。角2枚を自陣に使いますが駒得が大きいので先手も指せます。
なお、この変化を選ぶなら、問題図の前で55角に56歩ではなくて37桂として
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こういう図を目指せば簡単に桂馬が取れるので先手よしでした。
また、最初の35歩を手抜いて87飛成なら34歩同金67飛
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でしょうか。まだ互角ですが、後手玉が乱れているので先手が少し指しやすくなるのだと思います。
△ 馬を作るなら72角が普通の手です。
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64歩同歩を入れていると73桂から使われるので、突き捨てのない方が良い気がするのですが
87飛成の時が悩ましくて(角を2枚持っていないと66角とはやりにくい)、67飛に52銀83歩73桂
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と桂を跳ねられます。81角成に75歩91馬76歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/5d/17d70bdc597a3f4758f8cff20f4d4860.png)
馬で桂香を取るよりも、と金を作って桂を取られるほうが痛いのです。後手玉が堅すぎるのでこれは先手が少し苦しい変化です。
× 他には55歩ですが
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取ってもらえるかどうかも微妙ながら、55同歩に66角54銀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/c9/021fd56e0becf548a63865213d2ec665.png)
というのもぱっとしません。
☆ まとめ
これも
動けば動かれるの例で、居飛車が55角から銀を取って飛車をさばく、というのはその瞬間が怖いのです。左美濃からこの筋になるのは珍しい(居飛車が急戦の構えで振り飛車が65歩ポンというのは二昔前にあった)のですが、すんなり飛車が成ってしまえば居飛車が十分指せます。振り飛車がどこに代償を求めるかという問題でした。
問題図が勝負どころで、駒得なのでなにかありそうなのですが、思ったよりも難しそうです。
97角を見て35歩同歩34歩の筋が一番有力です。(これを見越して37桂と跳ねておいたのなら完璧。)
また、64歩同歩65桂同歩64歩というのは凝った手順ですが成立します。(継ぎ歩が間に合わないので非常手段という感じです。)
馬を作る構想も悪くないです。この場合は73桂と使われるので、72角よりは64歩同歩63角の方が良い(74角成とできる)ようです。