☆昨日の復習
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年6月、淡路仁茂先生と第17期十段戦です。
大山先生の四間飛車。淡路先生は天守閣美濃です。
この歩を突くと作戦負けになりやすいのでお勧めしません。
大山先生はおとなしく対応したので問題は起こらず
淡路先生は銀を57に出たのですが32飛で46銀を強いられました。38飛で千日手というわけにもいきません。
結局は銀冠での引き角棒銀になりました。
これはおとなしい指し方ですが淡路先生らしいじっくりした戦い方。この後銀を立て直します。
大山先生は中飛車から飛車をぶつけます。交換すると後手を引いても52飛よりも39飛のほうが厳しいです。
交換にはならず落ち着いたのですが、37桂は簡単に跳ねないほうが良いでしょう。
42飛に28飛だったのですが、24歩同歩を入れるべきでした。3筋から逆襲されます。こういう時に37桂が傷になるのです。
淡路先生は銀を捨てて2筋を破り
竜を作って桂を逃げます。これでうまくやったようでも、37歩成から と金攻めが残っているので忙しいです。
桂香と銀 と金の交換。馬竜を作っているので現時点では淡路先生が駒得ですが。
急がなければいけないので端攻め。これに大山先生は71銀と投入。壁を作るのは怖いところですが
当面は銀冠なので端はしのいでいます。淡路先生は と金への対応が必要です。57歩と合わせるのは苦心の手で
とりあえず5筋を破られないようにしました。
と金からは右金を逃げていきます。
一段落して、大山先生は玉を引きます。これが大山流。
端攻めから1つ遠ざかって銀を使って守るのです。
淡路先生はそれでも端から攻めるしかありません。重い銀ですが
とにかく端攻め。
大山先生の反撃です。歩の裏に香を打つのは受けにくい攻め筋です。
そして歩をたらします。
大山先生の受けは受けるだけではなく、どこかで寄せ合いで勝てるようになったら手抜きます。角取りに馬取りで返し
淡路先生は銀を捨てて形を決めてから
角を取りました。これに87歩は盲点になりそう。(馬を取るのでは少し怪しい。)
銀で追いかけて
香打ち。詰みがありました。
淡路先生のミスは24歩を突き捨て損ねたこと。その前の37桂もたたっています。そこで少し損をしただけなのですが、逆転を許さない大山先生の指し回しが素晴らしいです。淡路先生もうまく粘って166手ですか。両者の持ち味が良く出ていると思います。なかなかの好局でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:淡路仁茂6段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 3六歩(37)
16 7二玉(62)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 8六歩(87)
20 7二銀(71)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 8七玉(78)
24 5二金(41)
25 7八銀(79)
26 6四歩(63)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 6六歩(67)
30 6三金(52)
31 6七金(58)
32 7四歩(73)
33 7九角(88)
34 2二飛(42)
35 7七桂(89)
36 7三桂(81)
37 5七銀(48)
38 5一角(33)
39 6八角(79)
40 3二飛(22)
41 4六銀(57)
42 5四歩(53)
43 8八玉(87)
44 8四歩(83)
45 3七銀(46)
46 2二飛(32)
47 8七銀(78)
48 8三銀(72)
49 7八金(69)
50 7二金(61)
51 2六銀(37)
52 4五歩(44)
53 3五歩(36)
54 6二角(51)
55 3四歩(35)
56 同 銀(43)
57 3五歩打
58 4三銀(34)
59 3七銀(26)
60 4四銀(43)
61 3六銀(37)
62 5五歩(54)
63 同 歩(56)
64 5二飛(22)
65 5八飛(28)
66 5五飛(52)
67 5六歩打
68 5二飛(55)
69 3七桂(29)
70 4二飛(52)
71 2八飛(58)
72 3四歩打
73 2四歩(25)
74 3五歩(34)
75 2三歩成(24)
76 3六歩(35)
77 3二と(23)
78 同 飛(42)
79 2一飛成(28)
80 5二飛(32)
81 2五桂(37)
82 5五歩打
83 1一龍(21)
84 5六歩(55)
85 1三角成(68)
86 3七歩成(36)
87 9五歩(96)
88 同 歩(94)
89 9八香打
90 7一銀打
91 4一龍(11)
92 5四飛(52)
93 5七歩打
94 4七と(37)
95 5六歩(57)
96 4六と(47)
97 5五桂打
98 同 銀(44)
99 同 歩(56)
100 同 飛(54)
101 5七歩打
102 5六歩打
103 2二馬(13)
104 5三飛(55)
105 5六歩(57)
106 同 と(46)
107 6八金(67)
108 5七と(56)
109 6九金(68)
110 5八と(57)
111 7九金(69)
112 5七飛成(53)
113 4五龍(41)
114 8一玉(82)
115 9四歩打
116 同 香(91)
117 9三歩打
118 8二銀(71)
119 9五香(98)
120 同 香(94)
121 同 香(99)
122 9四歩打
123 同 香(95)
124 同 銀(83)
125 9二銀打
126 7一玉(81)
127 9九香打
128 9五歩打
129 1三馬(22)
130 3五歩打
131 9五香(99)
132 同 銀(94)
133 同 龍(45)
134 8五歩(84)
135 5三歩打
136 同 角(62)
137 2三馬(13)
138 8三桂打
139 8四龍(95)
140 9五香打
141 6七馬(23)
142 4七龍(57)
143 4八歩打
144 同 龍(47)
145 8五桂(77)
146 9六歩打
147 同 銀(87)
148 同 香(95)
149 5四歩打
150 5七と(58)
151 8一銀成(92)
152 同 玉(71)
153 9二歩成(93)
154 同 玉(81)
155 9三銀打
156 8一玉(92)
157 8二銀成(93)
158 同 金(72)
159 5三歩成(54)
160 8七歩打
161 同 玉(88)
162 9八銀打
163 9六玉(87)
164 8七銀打
165 同 金(78)
166 9五香打
167 投了
まで166手で後手の勝ち
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年6月、淡路仁茂先生と第17期十段戦です。
大山先生の四間飛車。淡路先生は天守閣美濃です。
この歩を突くと作戦負けになりやすいのでお勧めしません。
大山先生はおとなしく対応したので問題は起こらず
淡路先生は銀を57に出たのですが32飛で46銀を強いられました。38飛で千日手というわけにもいきません。
結局は銀冠での引き角棒銀になりました。
これはおとなしい指し方ですが淡路先生らしいじっくりした戦い方。この後銀を立て直します。
大山先生は中飛車から飛車をぶつけます。交換すると後手を引いても52飛よりも39飛のほうが厳しいです。
交換にはならず落ち着いたのですが、37桂は簡単に跳ねないほうが良いでしょう。
42飛に28飛だったのですが、24歩同歩を入れるべきでした。3筋から逆襲されます。こういう時に37桂が傷になるのです。
淡路先生は銀を捨てて2筋を破り
竜を作って桂を逃げます。これでうまくやったようでも、37歩成から と金攻めが残っているので忙しいです。
桂香と銀 と金の交換。馬竜を作っているので現時点では淡路先生が駒得ですが。
急がなければいけないので端攻め。これに大山先生は71銀と投入。壁を作るのは怖いところですが
当面は銀冠なので端はしのいでいます。淡路先生は と金への対応が必要です。57歩と合わせるのは苦心の手で
とりあえず5筋を破られないようにしました。
と金からは右金を逃げていきます。
一段落して、大山先生は玉を引きます。これが大山流。
端攻めから1つ遠ざかって銀を使って守るのです。
淡路先生はそれでも端から攻めるしかありません。重い銀ですが
とにかく端攻め。
大山先生の反撃です。歩の裏に香を打つのは受けにくい攻め筋です。
そして歩をたらします。
大山先生の受けは受けるだけではなく、どこかで寄せ合いで勝てるようになったら手抜きます。角取りに馬取りで返し
淡路先生は銀を捨てて形を決めてから
角を取りました。これに87歩は盲点になりそう。(馬を取るのでは少し怪しい。)
銀で追いかけて
香打ち。詰みがありました。
淡路先生のミスは24歩を突き捨て損ねたこと。その前の37桂もたたっています。そこで少し損をしただけなのですが、逆転を許さない大山先生の指し回しが素晴らしいです。淡路先生もうまく粘って166手ですか。両者の持ち味が良く出ていると思います。なかなかの好局でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:淡路仁茂6段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 3六歩(37)
16 7二玉(62)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 8六歩(87)
20 7二銀(71)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 8七玉(78)
24 5二金(41)
25 7八銀(79)
26 6四歩(63)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 6六歩(67)
30 6三金(52)
31 6七金(58)
32 7四歩(73)
33 7九角(88)
34 2二飛(42)
35 7七桂(89)
36 7三桂(81)
37 5七銀(48)
38 5一角(33)
39 6八角(79)
40 3二飛(22)
41 4六銀(57)
42 5四歩(53)
43 8八玉(87)
44 8四歩(83)
45 3七銀(46)
46 2二飛(32)
47 8七銀(78)
48 8三銀(72)
49 7八金(69)
50 7二金(61)
51 2六銀(37)
52 4五歩(44)
53 3五歩(36)
54 6二角(51)
55 3四歩(35)
56 同 銀(43)
57 3五歩打
58 4三銀(34)
59 3七銀(26)
60 4四銀(43)
61 3六銀(37)
62 5五歩(54)
63 同 歩(56)
64 5二飛(22)
65 5八飛(28)
66 5五飛(52)
67 5六歩打
68 5二飛(55)
69 3七桂(29)
70 4二飛(52)
71 2八飛(58)
72 3四歩打
73 2四歩(25)
74 3五歩(34)
75 2三歩成(24)
76 3六歩(35)
77 3二と(23)
78 同 飛(42)
79 2一飛成(28)
80 5二飛(32)
81 2五桂(37)
82 5五歩打
83 1一龍(21)
84 5六歩(55)
85 1三角成(68)
86 3七歩成(36)
87 9五歩(96)
88 同 歩(94)
89 9八香打
90 7一銀打
91 4一龍(11)
92 5四飛(52)
93 5七歩打
94 4七と(37)
95 5六歩(57)
96 4六と(47)
97 5五桂打
98 同 銀(44)
99 同 歩(56)
100 同 飛(54)
101 5七歩打
102 5六歩打
103 2二馬(13)
104 5三飛(55)
105 5六歩(57)
106 同 と(46)
107 6八金(67)
108 5七と(56)
109 6九金(68)
110 5八と(57)
111 7九金(69)
112 5七飛成(53)
113 4五龍(41)
114 8一玉(82)
115 9四歩打
116 同 香(91)
117 9三歩打
118 8二銀(71)
119 9五香(98)
120 同 香(94)
121 同 香(99)
122 9四歩打
123 同 香(95)
124 同 銀(83)
125 9二銀打
126 7一玉(81)
127 9九香打
128 9五歩打
129 1三馬(22)
130 3五歩打
131 9五香(99)
132 同 銀(94)
133 同 龍(45)
134 8五歩(84)
135 5三歩打
136 同 角(62)
137 2三馬(13)
138 8三桂打
139 8四龍(95)
140 9五香打
141 6七馬(23)
142 4七龍(57)
143 4八歩打
144 同 龍(47)
145 8五桂(77)
146 9六歩打
147 同 銀(87)
148 同 香(95)
149 5四歩打
150 5七と(58)
151 8一銀成(92)
152 同 玉(71)
153 9二歩成(93)
154 同 玉(81)
155 9三銀打
156 8一玉(92)
157 8二銀成(93)
158 同 金(72)
159 5三歩成(54)
160 8七歩打
161 同 玉(88)
162 9八銀打
163 9六玉(87)
164 8七銀打
165 同 金(78)
166 9五香打
167 投了
まで166手で後手の勝ち