名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

第176回名南将棋大会(壱)速報

2017-08-05 | 名将会
今日は第176回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。

A級優勝
村山周平さん

土屋万太郎さん



B級優勝
関誠司 私です。3勝1敗でしたが一人だけ。ラッキーでした。

C級優勝
高橋道貴さん



D級優勝
田口晃士さん



優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。

明日は(弐)R1600以下のほうを開催します。第4集会室は1階ですのでお間違え無く。
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大山将棋研究(602);三間飛車に四枚美濃(中原誠)

2017-08-05 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番桐山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170805
昭和56年8月、中原誠先生(王位)と第22期王位戦第2局です。


大山先生は先手三間飛車です。中原先生は天守閣美濃で

44銀から固めます。ここで並べるのは初めての形です。これがこの後流行するのですが

大山先生は位を取って対抗します。これが優秀な対抗策で、大山先生は初めてでもわかってしまうのでした。

中原先生は7筋の歩を交換して桂馬を跳ねる、これも十分な形です。

大山先生は早くも玉頭を狙い

形を乱せば

中原先生は端攻め。大山先生は謝らないで銀冠にしてカバーします。

12歩には88歩で

と金の作り合いです。玉の近くの と金がよいか、桂得で先手を取れる89歩成のほうがよいかは難しいです。

33桂55銀17歩成と激しくなっていきます。

端攻めも厳しいですが

玉頭戦になると何とも言えませんね。中原先生は少し落ち着かせようとしますが

大山先生は強く戦います。

中原先生は継桂を打ってから

玉頭を制しようとしました。

大山先生も35桂と捨てて25歩

27桂49玉を入れてまた26歩、と何をやっているのかわかりません。26同成銀に27金同成銀25歩というつもりか、時間稼ぎで44銀とやり直すつもりだったか。

中原先生はここがチャンスと見て65桂から飛を取ったのですが

王手が切れたら大山先生が攻める番です。

王手をかけながら自陣を強化し

上部に厚みを作って竜を取ります。これで先手玉が安全になり

中原先生は受けきれません。

投了図。


中盤から難しくて、形勢はほぼ互角です。25歩~26歩という大山先生の謎の手順が中原先生の疑問手を誘いました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:中原誠王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 5四歩(53)
21 5六歩(57)
22 5三銀(62)
23 5八金(69)
24 2四歩(23)
25 4六歩(47)
26 2三玉(32)
27 3六歩(37)
28 3二銀(31)
29 4七金(58)
30 4四銀(53)
31 5七銀(68)
32 3一角(22)
33 4五歩(46)
34 3三銀(44)
35 4六銀(57)
36 7五歩(74)
37 同 歩(76)
38 7二飛(82)
39 2六歩(27)
40 7五飛(72)
41 3七桂(29)
42 7三桂(81)
43 5八飛(78)
44 6四角(31)
45 5五歩(56)
46 同 歩(54)
47 2五歩(26)
48 同 歩(24)
49 同 桂(37)
50 2四銀(33)
51 2六歩打
52 1五歩(14)
53 同 歩(16)
54 1六歩打
55 2七銀(38)
56 1五香(11)
57 3八金(49)
58 8六歩(85)
59 同 歩(87)
60 4四歩(43)
61 7六歩打
62 同 飛(75)
63 1二歩打
64 8八歩打
65 1一歩成(12)
66 8九歩成(88)
67 7八歩打
68 3三桂(21)
69 5五銀(46)
70 1七歩成(16)
71 同 香(19)
72 同 香成(15)
73 同 玉(28)
74 1六歩打
75 同 銀(27)
76 1五歩打
77 3三桂成(25)
78 同 銀(32)
79 2五銀(16)
80 4二角(64)
81 2四銀(25)
82 同 銀(33)
83 2五香打
84 5七歩打
85 同 飛(58)
86 6五桂打
87 同 歩(66)
88 1六歩(15)
89 2八玉(17)
90 1七銀打
91 3九玉(28)
92 2六銀成(17)
93 2四香(25)
94 同 角(42)
95 3五桂打
96 同 歩(34)
97 2五歩打
98 2七桂打
99 4九玉(39)
100 2五成銀(26)
101 2六歩打
102 6五桂(73)
103 2五歩(26)
104 5七桂(65)
105 5八玉(49)
106 7七飛成(76)
107 2四歩(25)
108 1四玉(23)
109 1五歩打
110 同 玉(14)
111 2六銀打
112 同 玉(15)
113 4八角打
114 2五玉(26)
115 2六銀打
116 2四玉(25)
117 3五銀(26)
118 2三玉(24)
119 3四銀打
120 3二玉(23)
121 7七歩(78)
122 4二金(41)
123 2一飛打
124 3一歩打
125 2三桂打
126 4九銀打
127 6七玉(58)
128 投了
まで127手で先手の勝ち

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20170805今日の一手(その550); 肉を切らせて骨を断つ

2017-08-05 | 今日の一手
20170805今日の一手

7月8日の名南将棋大会から、MさんとFさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は86角と持ち駒金桂で3枚。
後手の攻め駒は34飛と持ち駒金金桂で4枚。
総合すれば互角です。

☆ 大局観として
中飛車に糸谷右玉の将棋で、63に金を打ちこんで1枚金を剥がしたというところです。互いに攻め駒が増えて、寄せに入る前段階くらいです。守りを固めていても悪いわけではありませんが、寄せを考えたほうが良いでしょうね。後手玉は42角が86角の射程に入っていて、かなり攻めやすい形です。
寄せを考えるわけですから、寄せのセオリーに準じて考えていきます。


× 64歩同銀

歩の王手は歩切れになって攻めにくいです。


× 75桂52玉

というのも空振り。


○ 69飛と王手すれば

攻め駒が4枚になります。64歩に65歩と合わせて同歩同桂

ならば大成功。64銀には73桂成でつぶれています。

後手は65歩のあわせに52玉64歩62歩

というのが受けの手筋です。65桂同銀同飛64銀

と自然に攻めるのは悪くないけれども後手を引いています。

35金と打って

攻め駒が1枚減るのですが、31飛65桂同銀同飛には54金くらい。63銀

と打ち込んで、41玉54銀成同銀34桂

と攻めていけば詰めろがかかります。43金に42桂成同金63歩成同歩44金

と連続の詰めろ。飛車を捨てて攻めれば寄るのです。


△ 53角成は駒損になりますが

守りの銀を剥がしています。駒損でも攻め駒の数は減りません。53同角に66桂

が厳しくなっているともいえます。今度は銀を取らせにくく、43銀45金33飛65桂71角62歩(手筋)同角54銀

小駒だけなので注意して攻めねばなりませんが、上から攻めていけば大丈夫です。77桂を使えるので攻め駒は4枚ですし。


△ 66桂は54銀を攻める手で

43銀65桂64銀73桂成

として74金を打てれば寄りです。

後手は銀を逃げる余裕はなく、64歩

と受けるのが最善。65歩52玉64歩62歩

というのがまたも受けの手筋。54桂同銀63歩成同歩42角成同玉

駒得なので悪いことはないのですが、35銀くらいからゆっくり攻めることになります。自玉が安全ですし、長引いても逆転しにくい勝ち方かもしれません。


○ 45金も54銀を攻めていますが少し指しにくい手で

45同銀同歩に46歩があるからなのですが、強く43銀

と打てば早い寄せです。銀を取らせても、次の42銀不成が詰めろになる飛車取り(2手すきの飛取り)ですから先手の勝ち。

あるいは46歩ではなく37歩も攻めの筋ですが、43銀に38金

というのも怖い筋で、38同銀同歩成同玉36飛37歩

26桂や46桂も玉をかわしてなんとかなっているようです。
(後手は攻めないで駒を埋めるだけでは46桂や44桂が生じているので受けにくくなっています。)

△ 45桂は53銀を攻める手で

45同銀同歩43歩には69飛64歩65歩

52玉64歩62歩63金

で53の銀もはがせるので寄せられるでしょう。

やはり45桂にも64歩

と受けるのが最善。53桂成同角65歩52玉64歩62歩

の時に35銀31飛44金

と攻めていけばよいでしょう。前の66桂の変化では53角が42にあったのでこの攻め方はできませんでした。


△ 65桂打でも

意味は同じで、64銀で攻めにくく(桂頭の銀)思えるのですが73桂成同桂74金

で銀を取れます。

ならば64歩

と守ることになり、45桂の変化と合流します。


× 実戦は41金

と筋悪く打ってしまいました。42角を攻めた、というわけですが、実は33角と逃げられるのをうっかり。
仕方なく53角成同玉35銀

とさらに筋が悪い手が続きます。(将棋は面白いもので、筋悪い手を指すと次の手も筋が悪い手が最善になることがあります。)35同飛同歩56歩に65桂同銀45桂

とまたまた筋悪く角を取る手で(63玉に43飛から角を取りましたが)勝ちにはなりました。

途中65桂と捨てた手に同玉ではなく64玉

とかわされたらかなり難しくて、73桂成57歩成同金73桂74飛63玉75桂52玉73飛成65桂

攻め合いになれば形勢不明でした。負けかもしれません。


× 35金では31飛

で空振り。攻め駒が足りなくなります。


△ 24歩は

さらにゆっくりですが、手抜きにくいです。24同飛は同飛同歩82飛

で詰めろになるので先手の勝ち筋。

24同歩

で継続の攻め筋はなく、他の変化で進んでどう変わるか。24飛とさばく味と、25桂と打たれる弱点の兼ね合いです。



☆ まとめ
形勢互角の問題図ですが、先手番だというのが大きくて、桂を打てば銀と交換になって、駒得で攻めが続きます。だから66桂、45桂、65桂打はどれもよい手です。

一気に寄せようと考えるなら攻め駒を4枚にしたいのです。(実戦ではその手が見えなくて悩んでいたわけですが。69飛は守りが薄くなりますし。)
攻め駒を4枚にするなら69飛が第一候補です。そのあとは飛を取らせている間に寄せてしまう手順を考えます。
また、45銀同金同歩46歩に43銀という図も

守りの銀を餌にして「肉を切らせて骨を断つ」勝ち方です。クロスカウンターとも言いますが、相手の力も利用して攻めれば攻撃力が上がります。

こういう順できれいに勝ちたいなあ、と理想を思いつつ、玉が堅いままで安全に勝ちたいなあ、というのが実戦の心理でもあります。△にした手でもゆっくり勝とうと思えば正解です。駒得ならゆっくりした指し手でも構いません。(この命題の裏で、駒損なら早く寄せるべきです。)

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