名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(628);四間飛車に居飛車穴熊(広津久雄)

2017-08-31 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170831
昭和57年1月、広津久雄先生と第21期十段戦です。

大山先生の四間飛車に広津先生は居飛車穴熊です。

57銀の形で37桂と使いました。堅さよりも攻撃力重視です。

大山先生は84角でけん制します。46銀と出たいところなので66歩を守りにくく

66角が実現してしまいました。

24歩は同歩に22歩でしょう。35歩で飛銀の総交換に。

先に桂を取って大山先生がリードしています。

広津先生の61飛に32竜と引かれて、先に23歩成だったか、と後悔するところです。

香は取りましたが桂馬に逃げられて戦力不足です。

46角から小びん攻めですが、13角成~46馬としないのがちょっと不思議です。

香を据えましたが、攻めるのはここまで。

角を追われて切るしかなくなり

竜を追われると相手をしないといけないのがつらいです。

しっかり守られては食いつくところが見えなくて

25の角を攻めたのですが、穴熊に手がつき始めました。ここは77桂打など受けるしかないところですが

取り合ってしまったのであっという間に終わります。

飛車を使って受けたので、大山先生は一回金を入れて

投了図。

穴熊相手でもリードを広げて受けて勝つ指し方でした。広津先生の指し方が冴えませんが、後手をもって楽しく並べられます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:広津久雄8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5七銀(48)
14 7一玉(62)
15 7七角(88)
16 4三銀(32)
17 2五歩(26)
18 3三角(22)
19 5八金(49)
20 5二金(41)
21 8八玉(78)
22 6四歩(63)
23 9八香(99)
24 8二玉(71)
25 9九玉(88)
26 7四歩(73)
27 8八銀(79)
28 9四歩(93)
29 7九金(69)
30 6三金(52)
31 3六歩(37)
32 8四歩(83)
33 6六歩(67)
34 8三銀(72)
35 6七金(58)
36 7二金(61)
37 3八飛(28)
38 3二飛(42)
39 1六歩(17)
40 1四歩(13)
41 6八金(67)
42 9五歩(94)
43 7八金(68)
44 2二角(33)
45 6八角(77)
46 8五歩(84)
47 2八飛(38)
48 3三角(22)
49 3七桂(29)
50 5一角(33)
51 2六飛(28)
52 2二飛(32)
53 3五歩(36)
54 8四角(51)
55 3四歩(35)
56 同 銀(43)
57 3六飛(26)
58 3二飛(22)
59 4六銀(57)
60 6六角(84)
61 2四歩(25)
62 3五歩打
63 同 銀(46)
64 同 銀(34)
65 同 飛(36)
66 同 飛(32)
67 同 角(68)
68 3八飛打
69 6八角(35)
70 3七飛成(38)
71 6一飛打
72 3二龍(37)
73 3三歩打
74 同 桂(21)
75 2三歩成(24)
76 同 龍(32)
77 1一飛成(61)
78 4五桂(33)
79 4六角(68)
80 2一歩打
81 6五歩打
82 7三金(63)
83 6四歩(65)
84 6二歩打
85 6三歩成(64)
86 同 歩(62)
87 6九香打
88 5七角成(66)
89 2四歩打
90 3二龍(23)
91 3三歩打
92 同 龍(32)
93 2一龍(11)
94 3一歩打
95 1二龍(21)
96 4七馬(57)
97 7三角成(46)
98 同 玉(82)
99 5二龍(12)
100 6四桂打
101 7五歩(76)
102 2五角打
103 5一龍(52)
104 8二玉(73)
105 6四香(69)
106 6二銀打
107 4一龍(51)
108 6四歩(63)
109 2三歩成(24)
110 3八龍(33)
111 2四と(23)
112 7六香打
113 2五と(24)
114 7八香成(76)
115 同 金(79)
116 同 龍(38)
117 7九銀打
118 同 龍(78)
119 同 銀(88)
120 6九馬(47)
121 7八金打
122 6七金打
123 8八飛打
124 5七桂成(45)
125 7六桂打
126 7三金打
127 7四歩(75)
128 同 金(73)
129 7五歩打
130 7七歩打
131 7四歩(75)
132 7八歩成(77)
133 8四香打
134 7九馬(69)
135 投了
まで134手で後手の勝ち
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20170831今日の一手(その563);穴熊らしい指し方

2017-08-31 | 今日の一手

20170831今日の一手

7月8日の名南将棋大会から、KさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。持ち歩がないのでカウントします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒はありません。
後手の攻め駒は24角81飛で2枚。

総合すると後手が指しやすいです。

☆ 大局観として
先手は8筋の歩を交換させていますが、穴熊から袖飛車で、こういう作戦もあるかなあという感じです。78金を使いにくいのでやや損をしているのだとは思いますが、角は使いやすいです。
後手の陣形が変わっていますね。3筋を攻められるのならば22玉よりも42玉のほうが受けやすい(32玉は最悪)ようにも見えます。
3筋の歩を突き捨てて銀を出られた(46銀を追われて37~26と出た)のに対して、軽く歩を突き出して角成をみせました。
ここが方針を決めるところで、57角成を受けるか、3筋を攻めるか、決めねばなりません。Hさんもずいぶん悩んだようです。


× 実戦は66角と守りました。

形よく受けたのですが、65歩には48角しかなく、86歩

と合わせられました。88歩77桂89歩成もあったかと思います。
86同歩には同飛87歩76飛77金56飛ということでしょう。歩の内側に回られると飛を追えません。
なので手を抜いて、36飛46歩同歩87歩成34歩

金を捨てて桂を取りに行ったのですが、後手玉攻略には至らず、そのまま負けました。
3筋は後手の受けにくいところですから、68金78と57金 と逃げてしまうほうがまだ難しかったです。


△ 57角成を受けるなら58飛

としておけばまだ後手からの有力手はありません。1歩損ですからあまり指したい手ではないのですが。


× いっそのこと79角ならどうか。

79同角成同金には56角

のほうが(87飛成よりも)嫌な感じです。やや後手よし。


○ ということで一番自然なのは36飛と歩を取る手です。

34歩には35歩ですから、後手は57角成の一手。34歩に47馬

というのを気にしたのでしょう。ここは穴熊ですから、33歩成同金同飛成同玉54歩

と飛を切って攻める手が指せないといけません。後手の持ち駒が飛だけなので合駒もできず、44銀でも35銀です。よって42玉に33金52玉43金同玉55桂

53歩成はいれないほうが良いようです。玉は52に逃げるくらいしかありません。43銀61玉63桂成同金52銀打

だんだん調子が出てきて、72玉63銀成同玉44角

これで防戦困難です。(62銀や62金には52金です。)


△ 他には54歩

が怪しげな手で、57角成48金24馬36飛34歩35歩

と馬を作らせてから攻めていきます。案外に手が続いているような、馬も大きいような、で形勢不明です。


☆ まとめ
穴熊を指す場合は、囲いに手数がかかったり、駒が片寄ったりするわけで、攻め駒が3枚しかないことが多くなります。そのなかで攻めをつなげていく技術が要求されます。(受けきって勝ちにはなりにくい。)自玉を気にしなくてよいのならば、3枚で攻める技術があればうまくいくこともあります。その難易度の高さ、他の将棋と異なる感覚、のために、穴熊専門になる覚悟が必要です。だから私には指しこなせませんし、級位者には勧めません。

穴熊らしい攻めは、大駒を切ることも選択肢にもって、一気に攻略することを考えて指すのでしょう。切れたら負け(先手玉は38歩49金69飛が痛い)なので、この場合は厳しく攻めないといけません。もしも間違えたらその筋を避けて自玉に手を入れておく、というのも大事なことではあります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする