名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20171101 ;始めました。

2017-11-01 | 大山将棋研究
昨日の復習として1問だけ挙げていたのですが、5問くらいに拡大しようと思います。
本編は18時に投稿していますが、この問題集は18時10分に出題します。

このブログでは最新記事が先に出ますから

①予習としてその前の記事(18時の本編)を見ないで次の手を考えるのは難しいです。選択肢なしなら有段者の方に。プロ級かもしれません。
②予習で選択肢から選ぶのは上級者向け。外れても、なぜそう指したのか考えてみましょう。
③本編を見て、復習として選択肢なしで考えるのは中級車向け。
④本編を見て、復習として選択肢から考えるのは初級者向け。

というくらいの難易度で出したいと思うのですが、問題によっては易しいもの難しいものがあるでしょう。正解は本編を見てください。(後の問題を見るとわかってしまうかも。)

予習で解けなくても、考えることで棋力向上につながるはず。
復習で解けなければ、もう一度本編を見てください。わからなくても覚えてしまえばよいです。棋譜を覚えるだけで強くなります。

なぜそう指したのかわからなければ、遠慮なくコメントを書いてください。




後手番大山先生の手を考えましょう。

第1問


力強く。
A 42角 B 64金 C 45歩


第2問


ぴったりの好手です。
A 57歩 B 55金 C 75歩


第3問


振り飛車らしい手です。
A 66同歩 B 85桂 C 33桂


第4問


本筋は?
A 33角 B 54桂 C 55金


第5問


応援を出します。
A 66金 B 65歩 C 65銀


第6問


ちょっと落ち着いて
A 46歩 B 95歩 C 75歩




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大山将棋研究(690);四間飛車に居飛車穴熊(板谷進)

2017-11-01 | 大山将棋研究
☆ 今日の棋譜20171101
昭和57年11月、板谷進先生と第8期棋王戦です。

大山先生の四間飛車に板谷先生は自分から96歩と突いたのに居飛車穴熊にしました。

大山先生は普通に受けます。こうなるとずいぶん先手が良く見えてしまうのですが

板谷先生は飛で3筋の歩を交換しました。

大山先生は金を立って

高く組み替えます。

中央を厚く構えられては、板谷先生から攻めるところがないです。

4枚穴熊にはなりましたが、38歩と打つようでは困っているでしょう。

大山先生から57歩が利きました。底歩を打たせて68角の働きが無くなります。

板谷先生はどうにか57歩を払おうと動き出します。

大山先生は左桂をさばいて

角を移動します。これが穴熊をにらんで好位置です。

板谷先生は6筋を厚く受けようとするのですが、桂を打たれて困っています。

先手玉が99ではなければ、まだなんとかなるかもしれませんが

ここに金を打たれては受けが無くなっていきます。

大山先生は銀も攻めに使いました。

55角が安定しているので、少しゆっくり端を突けばよく、板谷先生は77金打で頑張っても

清算して67銀は痛いです。

いくばくもなく投了図。

大山先生の快勝譜。穴熊を思うままに退治しました。
板谷先生は9筋を突き合ったこと、3筋の歩を飛で交換したこと、くらいの反省点しかないです。大山先生の金を前面に出した構想がうますぎました。66銀の形の穴熊になら今でも使えそうです。後手をもって気持ちよく並べましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:板谷進8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5七銀(48)
16 4三銀(32)
17 7七角(88)
18 5二金(41)
19 8八玉(78)
20 8二玉(72)
21 9八香(99)
22 7二銀(71)
23 9九玉(88)
24 6四歩(63)
25 8八銀(79)
26 7四歩(73)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 7九金(69)
30 6三金(52)
31 6六銀(57)
32 5四歩(53)
33 6八角(77)
34 2二飛(42)
35 3六歩(37)
36 8四歩(83)
37 3八飛(28)
38 7三桂(81)
39 3五歩(36)
40 同 歩(34)
41 同 飛(38)
42 3四歩打
43 3六飛(35)
44 6五歩(64)
45 7七銀(66)
46 6四金(63)
47 3七桂(29)
48 6三銀(72)
49 5九金(49)
50 7二金(61)
51 1六歩(17)
52 5五歩(54)
53 同 歩(56)
54 同 金(64)
55 3五歩打
56 同 歩(34)
57 同 飛(36)
58 5四金(55)
59 1五歩(16)
60 3四歩打
61 3六飛(35)
62 4二角(33)
63 6九金(59)
64 6四角(42)
65 7八金(69)
66 5二飛(22)
67 3八歩打
68 5七歩打
69 5九歩打
70 4二角(64)
71 6九金(79)
72 6四金(54)
73 6六歩(67)
74 3三桂(21)
75 6七金(78)
76 4五桂(33)
77 同 桂(37)
78 同 歩(44)
79 5七金(67)
80 3三角(42)
81 5六桂打
82 5五金(64)
83 7八金(69)
84 5一飛(52)
85 6七金(78)
86 8五桂打
87 6五歩(66)
88 同 桂(73)
89 6四歩打
90 5四銀(63)
91 6六銀(77)
92 5七桂成(65)
93 同 角(68)
94 7八金打
95 5八桂打
96 6五銀(54)
97 6三歩成(64)
98 同 金(72)
99 5五銀(66)
100 同 角(33)
101 6六歩打
102 9五歩(94)
103 7七金打
104 同 桂成(85)
105 同 金(67)
106 同 金(78)
107 同 銀(88)
108 6七銀打
109 6八桂打
110 7八金打
111 8八金打
112 9六歩(95)
113 6五歩(66)
114 8八金(78)
115 同 玉(99)
116 7八金打
117 投了
まで116手で後手の勝ち

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20171101今日の一手(その594);攻め駒を使う

2017-11-01 | 今日の一手

20171101今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、KさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
仕掛けから見てみます。

この図から、64角同歩37桂44銀左15歩同歩24歩同歩75歩

と桂頭を狙いました。取れば15香から74歩ですね。しかし先手玉は片矢倉(天野矢倉)ですから86歩同歩85歩

と継ぎ歩で反撃されるのは厳しいです。74歩86歩88歩85桂

桂馬に逃げられてしまいました。76銀(86銀のほうが良かった)72歩61角に52角

角の打ち込みを角で受けられて、52同角成同金で問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは金を寄らせたことで同等に近くなりました。
先手の攻め駒は26銀あるいは19香と持ち駒角で2枚です。28飛もあわせて3枚近いですが。
後手の攻め駒は85桂と持ち駒角で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
ゆっくりしていても後手から厳しい手があるわけではないのですが、持ち歩があるとはいえ歩損したので攻めを続けたいです。いろいろなところに手を付けたので、攻める筋に迷いますがどれが本筋と言えるでしょうか。

駒得を目指せば、考えたくなるのは85の桂を取る85銀を実現させることです。角をどこかに打ち込んで馬が作れないかと考えることもできます。

それよりは攻め駒を増やすほうが本筋であると言えます。


× 実戦は61角ともう一回打ち込んで41玉

となったのですが、51玉とされると角を切らねばなりません。忙しくなりました。77桂とぶつけて同桂成同金上84桂73歩成同歩75桂

という進行ですが、自玉の上で戦っているので旗色が悪いです。76桂同金直65歩83桂成62飛72角成66歩

この歩が取れず、65桂から怪しく粘ったのですが逆転できませんでした。

後手としては84桂ではなく51玉

で角を取るのもあります。いずれにせよ、手に困って守りの桂を相手の攻めの桂と交換させるのでは失敗でしょう。


× 73歩成同歩72歩

というのは軽い攻め方で、取れば85銀ですね。しかし65歩同銀とそらされて95歩

と突かれて桂馬が働き出すのは損です。1歩渡して厳しくない攻めでは、具合が良くないのです。


△ 75銀と立って

86歩を取りに行くと後手から65歩があるのですが、86銀66歩76金

の図は案外悪くはありません。桂取りですし、84歩と打たせれば82飛の働きがないのです。


× 攻めの筋は55歩で

55同歩なら54歩62銀

という大きな利かしが入ります。(54同銀には71角。)これで後述の攻めを考えれば指しやすいです。

55同銀ならば

45桂44銀(桂取りでないと53歩の利かしが大きい)56歩66銀71角

これはちょっと怖くても先手よしです。

55歩には43金右

と受けられて、52角に65歩同銀55銀

で66銀同金39角を見られると後手が指しやすいのです。


× 35歩も手筋で

35同歩は12歩同香34角

が金香の両取り。

銀で取ったとしても同じです。(35同銀同歩12歩同香34角)


ということは35歩を手抜かれるわけで16歩

と伸ばされると、34歩36歩45桂同銀35銀

では自信なし。桂損でと金を作られることになります。


○ 凝ったことを考えないで15香と攻めると

15同香同銀は先手の攻め駒が増えます。13歩には23歩

23同金に25歩という攻め方で先手もちです。

14歩と受けると14同香同香15歩

で香を取り返します。後手に香を先に渡しますが、とりあえずは怖いところはないです。

あるいは12歩

として22玉11歩成同玉15歩

とするのもありそうです。


× 棒銀の攻め方としては15銀と取るほうが多いですが

15同香同香19角

27飛38銀17飛28角成

銀を渡すと角の打ち込みが成立します。これは後手よしです。


△ 25歩と継ぎ歩で攻めると

25同歩同銀27歩

これを取ると38角から馬を作られます。取れないで38飛29角48飛28歩成

というのが後手の馬の作り方です。28同飛47角成22歩同金34銀

というのは22飛成同玉41角が厳しくて先手優勢か。

後手は22歩を手抜いて37馬

21歩成同玉29飛27歩

という進行は形勢互角です。


△ 22歩は同金

と取られて歩切れです。15香と攻めるのは端を守られている感じで効果が半減しています。やや指し過ぎではないかというところです。


× 他には48飛は27角

です。


× 46歩同歩45歩33銀

では47歩成が残ります。57金上95歩

1歩渡しているので、ゆっくり攻めるだけでは85桂を使われてしまいます。


☆ まとめ
相居飛車の将棋で、右から攻めてもうまくいかないときには左翼(自玉の上ですが)を絡めるとか、相手の飛角を攻めるとか、という考え方があります。B面攻撃とも呼ばれます。(B面なんてレコードの時代の話ですが。音楽レコードの表がA面で裏がB面だったのです。CDは裏が使えませんね。)
問題図の前の75歩

というのもB面攻撃の部類です。角換わりなら良く出てきますね。

本譜の場合は片矢倉は8筋が弱いので、後手の継ぎ歩の反撃であまりうまくいかなかったのですが、そのやりとりで1歩を手持ちにしました。だから1,2筋を攻めるのに使えたというわけです。

問題図ではいろいろな攻め筋があったわけで、どれを指してよいのか悩むのですが、自分の攻め駒を増やすのが本筋です。相手の攻め駒を攻めるというのはあくまでB面攻撃、裏側なのです。26銀37桂と使い、1,2筋の歩を突き捨てたのですから、そこに立ち戻って攻めるのが本筋でした。

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