第1問

駒得したので受けに回ります。
A 63銀 B 73銀打 C 44銀
第2問

ここも受けます。
A 42飛 B 51飛 C 43歩
第3問

単に受けるだけでなく攻めも必要です。
A 85歩 B 55歩 C 44歩
第4問

チャンスがやってきました。
A 76歩 B 59角成 C 65金
第5問

勝ちを読み切りましょう。
A 59飛成 B 76竜 C 71玉
20171127今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、KさんとFさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
この将棋は先手三間飛車で腰掛銀
という珍しい組み合わせでした。後手の65歩急戦には腰掛銀から玉頭銀というのが有力な対抗策です。
ここから向い飛車に転じて飛車をぶつけたら
かなり乱暴な指し方ですが、85歩を打ってもらえるなら十分です。後手は歩を打たずに86同飛同角87飛で有利でしたが。
さて無理を聞いてもらい、玉頭銀を進出して端攻めから
後手の86歩の突き出しに93歩成も利かせた
というのが問題図です。かなりやりたい放題の展開ですね。
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、と金を作っている分だけ先手の駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は34銀93とで2枚。77角88飛99香は(全部は無理ですが)使えそうです。
後手の攻め駒は22角1枚。84飛は使えそうです。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
3つの要素を少しずつですが上回っています。攻め駒を増やすことを念頭に、飛角をさばいていければ優勢になるでしょう。
後手からは87歩成が狙いです。成らせてさばくか、成らせないか、という選択です。
△ 利かしとしては53歩同金
を入れるかどうか。まだ持ち歩があるので、多分損にはならないです。先に利かせるほうが良い変化もあるでしょう。
× 86飛が一番強い手です。
86同飛同角87飛
でも角金桂取りで飛車を打たれてしまいます。ここではどれを取られるのも思わしくないので、「両取り逃げるべからず」で83と86飛成73と99香成63と同銀
これでも大きな駒損ではないので戦えます。形勢は悪くないですが、他の変化に比べて劣ります。
○ 86角なら
ちょっと嫌な形なのですが、65桂に67金としておけば後手から厳しい手は少ないです。55角くらい。
46角~36歩とか79角成の狙いです。47銀では離れ駒が多いので、85歩同飛77桂
桂馬をさばいたらどうか。77同桂成同角88飛成同角87飛77角85桂88歩
77桂成か77飛成で駒損になります。飛車をぶつける筋はうまくいかないようです。
であれば83と
と金を捨てて香車を取っておきます。83同飛91香成46角26香
香を持つとここに打てるのが玉頭銀を生かす指し方です。後手の角が22にあったらかなり厳しかったのですが、こういう時は24歩同香22歩というのが受けの手筋です。そこで65歩
これで22香成から77角の王手飛車の筋を狙えます。79角成は怖くないわけで、手順に桂香を得したのですから、先手有利が広がっています。
○ 65歩というのが振り飛車の常套手段です。
77角成同桂87歩成に66角
86飛11角成88と55歩
飛車を取られても香銀と取れますから(後手玉がさらに薄いのに注目で)先手優勢です。
後手は44角と合わせて馬を消すと
44同馬同歩64歩同銀97角
(これが見えなければ64歩と取り込まないで95角でも良いです。)これも先手優勢です。
○ 実戦は83と
83同飛91香成の駒得です。87歩成に84歩同飛95角
と切り返しで出れば、85飛73角成88と26香
二枚換えで攻められますから十分でした。
実戦は95角を逃して85歩同飛86歩77と
ここで飛車を取り合って(85歩88と)26香
ならばまだ先手が有利でした。
実戦では77同桂と二度目の疑問手で、95飛に26香
では飛車がさばけていません。攻め駒不足で逆転、押し切られました。
○ 92歩だと
香を取るのが1手遅れます。でも87歩成95角85飛に58飛
で78と には86歩を打てるので、案外に悪くありません。後手が攻めあぐねている形です。
○ 単に58飛だと
87歩成95角85飛92歩なら前の図に合流します。(先手有利)
後手は85飛を先にしたらどうか。83と
と対抗します。87歩成73と77と同桂87飛成91香成77竜63と同銀
全部取り合うとこの図です。ほぼ角と銀香の交換で2枚換えです。
攻め駒が多いので53歩同金45桂44金33香
と攻めていけるから、先手が十分に指せます。
☆ まとめ
先日にもやりましたが、振り飛車が向い飛車にして86歩同歩同飛とぶつける筋は、85歩と謝ってもらえるなら振り飛車の得になることが多いです。そこから手がなくて87歩と謝るとか、問題図のように後で居飛車から86歩と突きだされてまずかった(この場合はまずくなかったです)、ということになると話は別なのですが。
でも86同飛同角で角が浮いてしまい、その角でなにか(金銀とか)を取る筋が無ければ無謀です。居飛車党としては少し自玉が薄くても取ってしまえばよいことのほうが多いでしょう。振り飛車党は交換で飛車を打たれた時の対策がなければいけません。
問題図では無理(疑問手)をやったのに相手にとがめられなかった、とすれば疑問手が好手に替っています。さらには玉頭銀が大きいので先手有利の局面でした。
65歩から角をさばき、飛車を捨てることになっても優勢です。
86飛は前述の理由でうまくいきません。
86角はかなり不安な形ですが、この場合は何とかなっていました。
それ以外には
92歩~58飛と飛を逃げておいても(角は95角で逃げます)先手が有利でした。それまでの貯金があったからです。58飛が先でも良いようです。
実戦の83と同飛91香成でも、飛車を捨てて26香を打てれば有利です。
対抗型で居飛車急戦の場合には、振り飛車は駒を捨ててもさばいて指せる、ということが出てきます。飛車を捨てても角をさばければ、さらに左桂をさばければ、ということは多いです。
背景には振り飛車の美濃囲いが堅いから、という貯金があるためです。ここでは美濃囲いが乱れていますが、玉頭銀が大きな存在でした。