名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20171109

2017-11-09 | 大山将棋研究
先手番真部先生の手を考えます。

第1問


決断です。
A 24同飛 B 45銀 C 55銀

第2問


どう攻めますか?
A 24飛 B 44香 C 22馬

第3問


どう寄せますか?
A 52成香 B 52金 C 62馬

第4問


確実に攻めます。
A 82金 B 52銀 C 44桂

第5問


もう一息。
A 61同竜 B 62金 C 42竜
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大山将棋研究(698);四間飛車に居飛車穴熊(真部一男)

2017-11-09 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171109
昭和58年1月、真部一男先生と第16回早指し選手権です。

大山先生の四間飛車に真部先生は居飛車穴熊です。

今回は大山先生は石田流にしました。この組み合わせがありそうでなくて、初めて並べるはずです。

大山先生は玉頭銀にするのですが

真部先生は思い切って銀を捨てます。

穴熊は完成していなくても離れ駒はないし、65銀が空振りです。ここでは真部先生の技あり。

大山先生は駒損を回避しようという苦心の手が続くことになります。まずは桂馬を守りますが

飛を切って銀桂両取り。

うまく両方を逃げましたが

角を切られて香打ちは受けにくいです。

32飛から綱渡りで受けて

それでも成香を作られ桂馬を取られました。

悪いながらも金を寄って

金を打って受けます。

でも形勢が悪いと平凡に攻められて困るのです。この金は取れず

この銀も取れません。

金打で角のひもがついていますからまだ粘れそうですが

きれいに寄せられてしまいました。

石田流と居飛車穴熊はどちらが指しやすいのだろうというのを、ずっと疑問に思っていました。私はどちらもほとんど指さないから知識なしです。下町流三間飛車という本は読んだのですが、普通に組み合ったらどっちがいいんでしょうか?
本譜は玉頭銀の前に33桂が必要だということなのでしょう。そこから先は真部先生が厳しく攻めて、大山先生が受けの手順をひねり出しているのですが形勢は好転せず。この時は真部先生が棋戦初優勝です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:真部一男7段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二銀(71)
13 5七銀(48)
14 7一玉(62)
15 7七角(88)
16 4三銀(32)
17 8八玉(78)
18 8二玉(71)
19 9八香(99)
20 3五歩(34)
21 9九玉(88)
22 3二飛(42)
23 8八銀(79)
24 1四歩(13)
25 4六銀(57)
26 1三角(22)
27 2五歩(26)
28 3四飛(32)
29 5九金(49)
30 5四銀(43)
31 6八金(59)
32 6五銀(54)
33 2四歩(25)
34 同 角(13)
35 4五銀(46)
36 同 歩(44)
37 1一角成(77)
38 3六歩(35)
39 同 歩(37)
40 同 飛(34)
41 3七歩打
42 3一飛(36)
43 2四飛(28)
44 同 歩(23)
45 4三角打
46 3三桂(21)
47 2二馬(11)
48 5四銀(65)
49 6一角成(43)
50 同 銀(72)
51 4四香打
52 3二飛(31)
53 2三馬(22)
54 3一金(41)
55 5五歩(56)
56 6五銀(54)
57 4三香成(44)
58 7二飛(32)
59 3三馬(23)
60 2八飛打
61 5一馬(33)
62 6二銀(61)
63 6一馬(51)
64 4一金(31)
65 5二金打
66 同 金(41)
67 同 成香(43)
68 7一金打
69 7二馬(61)
70 同 玉(82)
71 4一飛打
72 6一銀打
73 同 成香(52)
74 同 金(71)
75 5二金打
76 5一香打
77 6一金(52)
78 同 玉(72)
79 4四桂打
80 2五角打
81 5二銀打
82 7二玉(61)
83 5一銀(52)
84 同 銀(62)
85 同 飛成(41)
86 6一金打
87 6二金打
88 同 金(61)
89 7一銀打
90 投了
まで89手で先手の勝ち


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20171109今日の一手(その599);さばく前に傷を消しておく

2017-11-09 | 今日の一手

20171109今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、JさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。ただし31玉の位置が角で王手になる位置なのは不安材料です。
先手の攻め駒は46角66銀の2枚。
後手の攻め駒は65桂と持ち駒角で2枚。

総合すればほぼ互角、玉の堅さで後手が指せるのかどうかというところです。

☆ 大局観として
先手は玉が薄いのですが、飛車の働きに差があるというのが主張です。自陣角を打って後手の飛を端に追いやり、桂頭を攻めたけれど一度は逃げられた、というのが問題図です。
65桂を取り切るか、85飛からと金を作るか(飛車の働きに差があるというのが主張)、46角をさばく(馬を作る)か、というのが実現すれば先手が良くなります。どれを考えますか?


× 実戦は65同銀と取りました。

65同銀55角57角

先手は角銀をさばいたものの、後手も65桂がさばけて馬を作れそうです。先手の駒損+89桂と65銀の差があるので後手よしです。68金84角成

という図は後手の駒得が確定しています。実戦では91角成と取れる(取り返されない)と勘違いして先手の負けに終わりました。

68金よりは78飛

のほうがましですが、84角成73歩成77歩

というのは先手が少し悪そうです。


△ 角銀をさばくなら55銀と取るほうで

これなら駒損ではありません。後手は銀を取るのも逃げるのもありまして、45銀35角67角54歩56角成53歩成

銀金の取り合いは後手玉が薄くなる分だけ先手が良さそうです。

途中67角に68金として、

56角成85飛82歩46銀

というのもありそうです。こうなると飛の働きの差があるので先手もちです。

55銀に同銀と取る変化は

55同角57角に85飛

が利きます。83歩成を回避するために76銀86飛75角成88飛86歩66銀

という指し方か(これは互角に近い)

途中83歩成

で飛の取り合いにするか。(先手玉は薄いけれど76銀に働きがない)

変化はいろいろありますが、先手が悪くないと思います。


△ 85飛も考えたい手で

82歩と謝らせればかなり得なのです。後手は謝りたくないので67角86飛85歩

から56角成を実現すれば良くなります。

先手は86飛ではなく75飛として56角成

これでも困っているようですが、67歩と打てば67同馬65銀66馬54銀75馬55角

という二枚換えの変化にするか

66馬に76銀と引く

変化を選べます。先手は桂得でも、後手から88歩もあるし、いつでも飛車を取れるので形勢不明です。


△ 78飛として

67角75飛56角成

というのは85歩を取っていないだけの違いです。メリットもないようなので最初から85飛でも良いのですが、この図も先手が悪くないです。


△ 飛は68に使って

64歩58歩22玉75銀63飛66歩

ゆっくり桂馬を取りに行くことは考えられます。


△ 77桂とぶつけると

89桂よりも後手の65桂のほうが働いている(攻め駒になっている)ので交換は一理あります。後手は取らないと85桂を食らってまずいわけで、77同桂成同銀67角に75桂

というのが先手の狙いです。95歩で飛車は散れませんが と金をいっぱい作れます。


○ 78金は少し違和感がありますが

67角を消しています。56歩58歩44角67金

この筋は耐えているので、85飛や82角成や73歩成が残ります。

後手は少しゆっくり64歩として

85飛82歩ならば75飛

この時に78金の効果で角の打ち込みがありませんね。歩切れなので73歩成は受けにくく、62金35角44角同角同歩71角

馬は作れそうです。ゆっくり指して確実に先手よしになります。


△ 同じような意味で68金は

64歩85飛82歩75飛は88角

と打たれてしまいますから

75飛ではなく75銀

から64銀や66歩を狙います。

あるいは77桂

と交換してしまうのもあります。

最初の68金の時に79角が気になりますが

78飛68角成同飛56金35角

はたいしたことがないです。


△ 67歩を打って

67角は消せますが、85飛に76角は残ります。結局78金が必要なら67歩の意味がないわけですが、64歩69金22玉59金左

と玉を固めることができます。56歩には58歩を用意して、金は下をはって動かしていきます。
でも85飛に76角を避けていないのでどうしたものか。手が詰まっていきますね。58金左で56歩~57歩成を甘受して飛車をさばく方が良いのかもしれません。


△ ならば68歩にしてしまえば

64歩85飛82歩69金22玉59金左44歩77桂

こういう図でしょうか。玉は堅くなったけれど46角をさばきにくくなっています。うまくいっているという気はしませんが、悪いこともないでしょう。


☆ まとめ
いろいろな手が考えられましたが、一見危ない変化もうまく対応できることが多く、問題図では先手の方が少し指しやすいのかもしれません。それは先手の飛が変化の中で働き出すからです。後手の飛は攻められるだけの位置ですから、小競り合いでは先手が良くなりやすいです。

すぐに85飛から有利を求めると、67角への対応で悩みます。
実戦の65銀よりは55銀のほうが良いですが、角をさばくと79金が浮いてしまいます。
すぐに77桂とぶつけると銀が戻ってしまうのがすこし気に入りません。

結局はどれもぜいたくな悩みになったのですが、さばく前に傷を消しておくのは重要な考え方です。玉を固められたら一番良かったのですが、単に金を右に寄せるのは角の打ち込みが生じるので、次善の策で78金と備えるのが正しいのだと思います。


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