第1問

大山流の駒運びです。
A 18香 B 48銀 C 65歩
第2問

良さを求めます。
A 76飛 B 95歩 C 74歩
第3問

遊んでいる駒を使います。
A 96飛 B 55角成 C 83歩成
ここからは後手番米長先生の手を考えます。
第4問

米長先生の勝負術です。
A 55同馬 B 56馬 C 67歩成
第5問

まだ足りませんが、これで勝ちを呼びました。
A 58成香 B 56桂 C 55桂打
20171119今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、HさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
問題図の前まで見てみます。
先手Oさんは矢倉模様、後手Sさんは角交換して得意の右玉狙いだったのでしょう。56歩を突いているのでこのままでは角打ちの隙ができる(「角交換に5筋を突くな」)ので面白くないと、65歩を突きだしました。65同歩には55角で両取りです。
でも33銀64歩同銀
ならば後手が得をしていると思います。右玉にはできませんが、左に囲って62飛から攻めの形を作れそうです。
実戦は33角46角と打ちあい、92飛64歩72銀
角を打ちあっても62飛64歩同銀ならば悪くはなかったのですが、92飛と安全第一で妥協してしまいました。これが問題図です。
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手は持ち歩がないのでこの差は大きいです。
これから駒組でしょうが、玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は46角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。
総合すれば先手が指しやすいです。
☆ 大局観として
1歩得を主張して、64の歩を取り返されないように駒組みするか
取られても手得を主張するか(後手の銀は1手で64歩を取れるところを2手かけているし、飛を戻すのでもう1手損しています)
という選択です。先手の46角の方が好位置なので、このまま安定すれば少し指しやすいはずですが、追われたらどこに行くかも考えておきましょう。
定跡は外れていて、とりあえずは急な動きもなさそうなので、これからの駒組みの構想を問います。
△ 実戦は55歩44歩26銀41玉66銀43銀38飛と
46角を右に引く手を考えつつ、後手の角頭を狙いました。45歩28角44銀に16歩73銀17桂というのがぬるくて、64銀
と歩を取り返されたところでは失敗です。16歩~17桂ではなく35歩同歩同銀と攻めてどうだったか、という組立だったはずですが。55の歩も取られて飛車を使われ、あっという間につぶされてしまいました。
16歩ではなくて、先ほど書いた35歩か、56金
から抑え込むかを考えたかったです。73銀65銀62飛68飛
ならば大模様で指しやすかったでしょう。この後は
玉を右へもっていきます。
ただし最初に55歩だったので後手の44歩よりは73銀
が気になります。64歩は守り切れず、63歩成と捨てるかどうかは迷いますが
金を繰り出してこういう図はまだ先手もちのはず。けれど歩を取り返した後手も戦えないことはないです。
○ 55歩は突かずに68飛73銀66金62飛65金
金を繰り出して64歩を守るほうが有利を主張しています。
33角の筋を止めないと銀を繰り出して65銀のほうが形が良いのですが、手数が間に合いません。(3つ前の図になるのが理想ですが、後手が回避できるのです。)金を前に出ていくことに違和感があるかもしれませんが、こういう図
を目指します。金なので75歩同歩74歩82銀75金という手段もありますし、先手十分です。
玉を左にもっていくのは
後手の角がにらんでいる方向ですし、75歩と動きにくいです。
派生形としては37銀のまま角を追われたら57に引いてしまってもよいです。
このほうが先手玉が堅いですし、75歩から動いた時に角を使えます。
× 金を57にして組むと
飛車先が通っているのですが
64歩を守るためには、ここから駒が前に出ていけません。
○ 66銀73銀77桂62飛78金64銀65歩
歩を取り返させても位を取ってみます。
5筋の位も取って、37の銀を56にもっていけば大威張りです。これが理想の図です。
55の位が取れなければ
玉を囲ってから5筋の歩を交換して56銀の形を作ります。これらは矢倉が好きな方なら指しやすいと思うでしょう。後手は角を使いにくいというのも考慮に入れてあります。
なお途中66銀73銀に63歩成を利かしてから
組むと、後手の形が乱れるのですが、54金から使われることを心配します。問題なければ2手得になるかもしれません。
△ 普通に金矢倉に組むと
後手のほうが形が良くなっていきます。
85桂86銀65歩を狙われるのは嫌な感じで、先手の作戦負けのようです。
63歩成を入れておけば
少しは得で、こういう図です。
88玉を保留して角交換を狙えばまあまあ指せるくらいです。作戦勝ちという話はどこかに行っていますが。
× 最後は35歩同歩26銀から
後手の角頭を攻めます。36歩35銀から
こうなればまあまあです。
後手は角頭を受けないで攻めの形を作ると
矢倉に組まないと危なさそうで、こういう図です。
2筋を攻めるのは間に合わなそう。
もう少し工夫して26銀73銀25銀
と歩をかすめ取るほうを考えてみます。
44角とかわされて追いきれない(千日手かも)のではちょっと不安で
攻め合いもあまり効果が望めません。
では63歩成を入れて工夫してみます。
すると後手は1歩持って54金の形を作れるので銀を追える
のでこれも失敗です。
☆ まとめ
先手有利のもとは1歩得ですから、64の歩を守るのが一番自然な考え方です。
65銀ともっていくのは難しくて、55歩~66銀~65銀まで3手必要です。途中64の歩の支えが切れてしまうので歩を取り返されてしまいます。
57金~68飛なら守れますが、そのあとに駒が前に出せません。
66金~65金、さらには68飛、としっかり守ってしまうのが一番手堅いです。2枚で守っているので、角を移動しやすくなっています。
守備のラインを一つ下げて、64銀に65歩で位を取る、という方針ならば無理がありません。相矢倉に近い形にもっていけるので、居飛車党にもわかりやすいでしょう。
もう一つ下げて66歩では良さが無くなっています。金矢倉にできても88玉と入りにくいので、2筋を伸ばして24歩同歩同角とできるかどうか。後手は先に33角をかわしておくこともできますし、せいぜい互角です。
手得を生かして右銀を使って速攻の方は手が間に合いませんでした。
手将棋、力戦になったら構想が勝負です。こういう展開は読みを得意とするタイプよりは感覚を得意とするタイプのほうが得意なはずです。1手1手の組み合わせを読むのではなくて、数手先の構想がぱっと思い浮かびます。
力戦になったら、無理に定跡の形に戻そうとするとうまくいかないものです。乱れていてもバランスを取る、有利なところがあればそれを保つ、そういうことを考える楽しみがあります。