第1問

定跡の手です。
A 35歩 B 24歩 C 33角成
第2問

攻めの筋は?
A 41角 B 44歩 C 35歩
第3問

攻める準備です。
A 37桂 B 95歩 C 55歩
第4問

確実な攻めは?
A 44歩 B82角 C 55歩
第5問

詰めろをかけます。
A 55飛 B 82飛 C 71飛
20171103今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、SさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は77角1枚。
後手の攻め駒は22飛1枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
先手玉の囲いがおかしいですね。これは後手に袖飛車で揺さぶられて
86銀と守ってしまったからです。86角としても大丈夫でしたが。45歩には77角と戻せばよいでしょう。
振り飛車の穴熊は金銀3枚なので、居飛車の4枚銀冠ならば堅さで引けを取りませんでした。問題図の先手の囲いは金銀の連結が悪いので穴熊よりも弱いです。
そのため向い飛車から24歩同歩同飛に25歩と謝って22飛、というのが問題図です。
玉の堅さで劣るので、もう少し固めよう、と考えるのが普通ですが、98玉~88金寄とできれば堅くなる気もします。でも上部の厚みを生かしていないですし、57銀が離れているのが難点です。もっと手数をかけないと堅くできません。
しかし、作戦負けの時は自分から動かないほうが良いことが多いですから、じっと待っていたらどうなるか。後手玉よりも堅くはできませんが、少しは堅くして待つことはできます。
他のところで得をできないかというのも考えます。先手だけ右桂を1つは跳ねていますから、それを生かせないか。飛車交換は本当に悪かったのかな?45桂と跳ねるようにならないかな?と考えてみます。
○ 2手前に戻ればよいのですが、問題図から戻るわけにもいきませんから、24歩と突きだしてみます。24同飛で
代償なしの1歩損ですから、実戦ならばまず考えないのですが、思い直して指したとしましょう。24同飛同角23飛
51角21飛成62角44角
57銀が離れているのは不満ですが、先手だけ45桂と使えます。だから桂得以上(45桂に同銀となりそう)確定で先手よしです。
後手は29飛と打つのでしょうが、そこでも44角
と出れば歩損を解消して11角成も可能です。33角29飛成44角というのも大丈夫。
実は飛交換は先手よしでした。
であれば後手は24同角
しかないのですが、慌てて44角とすると33角
22飛成44角
王手ですから角損になってしまいます。
44角と出ないで68銀
さらに98玉とすれば44角が可能になります。後手からは解消できなくて困っています。33角なら22飛成同角23飛で良いでしょう。
△ 98玉というのも指してみたいのですが
78金も浮いてしまうのですが、これで24歩を狙えば先手よしか。できれば88金寄まで指しておきたいところです。
でも後手から45歩
と動かれるかもしれません。この時に金銀が離れているのが不安です。
33角成同桂44角には39角
取り合いにはできず、58飛46歩同銀42飛
45歩44飛同歩47角
これは後手にさばかれてしまった図です。
45歩に同桂としてどうか。
77角成同金寄39角27飛26歩47飛
これは互角なのですが
それよりは39角に66角
で勢い飛の取り合いでまあまあでしょう。
ならば後手は角を打つ前に45銀同歩65桂
なのかもしれません。駒損になるわけではないですが、穴熊の堅さが目立ちます。
△ ならば68銀と引いたほうが隙がないです。
ただしこう引くと、72金引24歩同飛同飛同角23飛46角
37桂と跳ねているのがマイナスで、飛交換の筋は成立しなくなります。
ですから飛交換は忘れてもっと駒組みをすることになります。
銀を引いたので96歩くらいか。これからです。
△ 先に96歩でも良いわけで
後手から45歩と開戦する順は77同桂
と取れば45銀同歩65桂という反撃が消えていますから、39角66角のコースでまあまあ指せます。
あるいは39角に飛を逃げておくのもあります。(45銀同歩39角27飛26歩47飛25飛)
△か× 実戦では先手から45歩と仕掛けました。
45同歩と取らなかったのですが、33角成同桂66角
とすればまあまあ指せそうなのですが、32飛24歩65歩
23歩成から勝負というのが踏み込みにくいです。44角(77角は39角58飛22歩か)39角58飛46歩同銀42飛
で45歩に飛を切って47角というのは前に似た図がありましたが、後手よしです。
角は77に引いて
39角58飛22歩
互いに妥協してこれくらいの図ですが、先手から動いた割りにはうまくいっていません。
実戦は45歩を同銀と取ってもらえたので
45同桂同歩(には44銀65桂という変化もありました。そちらを選ぶべきかも)33角成同桂44角25飛
で飛交換では互角です。(25同飛同桂11角成37桂成)
ここから寄せ合い、となるはずでしたが後手玉にうまく迫る順がなくて受けに回って
がりがり攻められて悪くなってしまいました。最善を尽くせば難しかったのですが、受けるだけでは勝ちにくい将棋です。
△ 他には55歩として
43銀56銀と位をとることはできます。でも35歩26飛34銀
はやや失敗で、98玉36歩同飛25銀同桂同飛
という打開の筋があります。
だから56銀の前に26飛とするか、最初から26飛としてから55歩か、で72金引56銀
とすれば組めます。ここから96歩、66角~77桂、という駒組みです。慌てて45歩から攻めようとは思わないほうが良いです。
☆ まとめ
急戦向い飛車を思い出してください。24歩同歩同飛、と指すためには飛交換してもよいように32金と備えますね。振り飛車から24歩同歩同飛とするにはよほどの準備が必要なのです。穴熊で堅いから、といってもそれだけで成立するものではありません。
24同飛同角、で角が浮いてしまうこと、その時に金か銀も浮いているかもしれません。居飛車の角筋が通ていて45歩と仕掛けられて悪い、ということもあるでしょう。そういうものをクリアしないと成立しません。
問題図以前のことですが、この飛交換の筋は成立していませんでした。24角が浮いていて、23飛の時に自陣に引いたり29飛と打ったりするのでは失敗です。(飛が向き合って間に自分の駒があると損なもので、大きな駒が間にあればさらに条件が悪くなります。)
問題図だけだして、もう一回24歩と突きだせ、というのは意地悪かもしれませんが、一度失敗してもやり直しがきく場合はあるものです。つい25歩と謝ったけれど、取れば有利だったではないか、と思い出せばまた突きだしてみましょう。あるいは間に何手か入っていて、条件が整ったのでまた突きだせるようになった、といこともあるものです。
振り飛車の24歩同歩同飛というのはかなりリスクのある指し方なのです。
リスクがあればリターンがあるもので、謝らせて45歩で一気にさばく、というのが居飛車としては一番怖いです。だから待機するのが普通なのですが、どう待ってよいものか。
68銀は離れ駒を無くして無難な手です。(ただし24歩と突きだしにくくなります。)
96歩も無難な方です。
98玉は78の金も浮いてしまいそうでやや不安。
55歩と突いてしまえばかなり安心できます。そのあとは26飛~56銀という順が一番注意深いです。
実戦の45歩はかなり強気な指し方で、後手から45歩とされるよりも、自分から45歩と突いたほうが攻めやすい、というのは不思議ですが、時々出会います。ただし57銀が浮いているのでうまく指さないと危険です。
実戦の仕掛けは上手く指している感じなのですが、57の銀は成桂に追われることになってしまうと、穴熊の堅さが生きる展開になってしまいました。
感覚的には、後手が(24歩同歩同飛)無理をしている感じなので、自玉を固めて待っているのが正しいのでしょう。68銀を第一に考えますが、実は24歩が成立していました。