名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20171103

2017-11-03 | 大山将棋研究
先手番谷川先生の手を考えましょう。

第1問


定跡の手です。
A 35歩 B 24歩 C 33角成

第2問


攻めの筋は?
A 41角 B 44歩 C 35歩

第3問


攻める準備です。
A 37桂 B 95歩 C 55歩

第4問


確実な攻めは?
A 44歩 B82角 C 55歩

第5問


詰めろをかけます。
A 55飛 B 82飛 C 71飛
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大山将棋研究(692);中飛車に45歩急戦(谷川浩司)

2017-11-03 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171103

昭和57年11月、谷川浩司先生と第41期棋聖戦です。

大山先生の中飛車で

谷川先生は45歩の急戦です。おとなしく受けるなら32金ですが

大山先生は45同歩。33角成同桂24歩は46角でまずく(23歩成28角成33とに54銀が可能)、角を換える前に24歩を突き捨てます。

谷川先生はは33桂の形にしたくて、大山先生は桂を跳ねたくない、というやり取りが続き

手損しましたが桂馬は跳ねずに22歩を打ちます。23歩に32金以下

金銀を乱して角を打ちこんで、谷川先生らしい踏み込みです。

飛車を切って

飛を打ち込んで、どんどん攻めますが大山先生はぎりぎりで受けていきます。

金を打てば角で受けて

また飛にも飛です。

一段落して、攻め駒が足りないので桂馬を使いました。大山先生が33桂ならどうやって攻めるのかがわかりません。

29飛は攻め味をみせたのですが、桂を使わせたら受けきりにはなりません。

93香71角成61金と受けたら同馬同銀82飛72角・・・まだ受けは利きそうですが

大山先生は46角から57銀37角成~46歩と寄せ合いです。

激しいことになり

44香に43歩は62飛41玉43香成で1手負け。ならば大山先生が辛そうです。金を打って粘れるか。

これで先手玉は詰めろ。手順に馬を引いたので後手玉も詰みにくそうですが

上に追うのが不安でも

長い詰みがありました。

谷川先生らしい鋭い攻め、自玉を顧みない寄せ合いでした。どこから勝ちだと思っていたんでしょうね。
大山先生が寄せ合いにでなくて、もっと受けていたらどうなったのか、ということはあるのですが、今では(というか少なくともこの数年後には)この定跡は先手よしということになっています。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:谷川浩司8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 4六歩(47)
20 4三銀(42)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 4五歩(46)
24 同 歩(44)
25 2四歩(25)
26 8八角成(33)
27 同 銀(79)
28 2四歩(23)
29 7七角打
30 2二角打
31 2四飛(28)
32 7七角成(22)
33 同 銀(88)
34 2二歩打
35 2三歩打
36 3二金(41)
37 2二歩成(23)
38 同 金(32)
39 4四歩打
40 同 銀(43)
41 4三角打
42 3三銀(44)
43 5二角成(43)
44 同 金(61)
45 2二飛成(24)
46 同 銀(33)
47 3二飛打
48 4二飛打
49 同 飛成(32)
50 同 金(52)
51 6二金打
52 7一角打
53 同 金(62)
54 同 玉(82)
55 5一飛打
56 6一飛打
57 同 飛成(51)
58 同 玉(71)
59 3七桂(29)
60 2九飛打
61 4五桂(37)
62 5二玉(61)
63 8二角打
64 4六角打
65 5七銀(48)
66 3七角成(46)
67 9一角成(82)
68 4六歩打
69 8二馬(91)
70 4七歩成(46)
71 7二馬(82)
72 5八と(47)
73 4四香打
74 5一金打
75 8二飛打
76 6九飛成(29)
77 8八玉(78)
78 7八金打
79 9七玉(88)
80 6四馬(37)
81 7五銀打
82 7七金(78)
83 7三馬(72)
84 6二銀打
85 同 馬(73)
86 同 金(51)
87 4二香成(44)
88 同 玉(52)
89 6二飛成(82)
90 5二香打
91 5一銀打
92 4三玉(42)
93 5二龍(62)
94 4四玉(43)
95 5五金打
96 同 馬(64)
97 5三龍(52)
98 4五玉(44)
99 5五龍(53)
100 3六玉(45)
101 4六龍(55)
102 2七玉(36)
103 1六角打
104 2八玉(27)
105 1八金打
106 投了
まで105手で先手の勝ち

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20171103今日の一手(その595);向い飛車での飛交換

2017-11-03 | 今日の一手

20171103今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、SさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は77角1枚。
後手の攻め駒は22飛1枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として
先手玉の囲いがおかしいですね。これは後手に袖飛車で揺さぶられて

86銀と守ってしまったからです。86角としても大丈夫でしたが。45歩には77角と戻せばよいでしょう。
振り飛車の穴熊は金銀3枚なので、居飛車の4枚銀冠ならば堅さで引けを取りませんでした。問題図の先手の囲いは金銀の連結が悪いので穴熊よりも弱いです。
そのため向い飛車から24歩同歩同飛に25歩と謝って22飛、というのが問題図です。

玉の堅さで劣るので、もう少し固めよう、と考えるのが普通ですが、98玉~88金寄とできれば堅くなる気もします。でも上部の厚みを生かしていないですし、57銀が離れているのが難点です。もっと手数をかけないと堅くできません。
しかし、作戦負けの時は自分から動かないほうが良いことが多いですから、じっと待っていたらどうなるか。後手玉よりも堅くはできませんが、少しは堅くして待つことはできます。

他のところで得をできないかというのも考えます。先手だけ右桂を1つは跳ねていますから、それを生かせないか。飛車交換は本当に悪かったのかな?45桂と跳ねるようにならないかな?と考えてみます。


○ 2手前に戻ればよいのですが、問題図から戻るわけにもいきませんから、24歩と突きだしてみます。24同飛で

代償なしの1歩損ですから、実戦ならばまず考えないのですが、思い直して指したとしましょう。24同飛同角23飛

51角21飛成62角44角

57銀が離れているのは不満ですが、先手だけ45桂と使えます。だから桂得以上(45桂に同銀となりそう)確定で先手よしです。

後手は29飛と打つのでしょうが、そこでも44角

と出れば歩損を解消して11角成も可能です。33角29飛成44角というのも大丈夫。
実は飛交換は先手よしでした。

であれば後手は24同角

しかないのですが、慌てて44角とすると33角

22飛成44角

王手ですから角損になってしまいます。

44角と出ないで68銀

さらに98玉とすれば44角が可能になります。後手からは解消できなくて困っています。33角なら22飛成同角23飛で良いでしょう。


△ 98玉というのも指してみたいのですが

78金も浮いてしまうのですが、これで24歩を狙えば先手よしか。できれば88金寄まで指しておきたいところです。
でも後手から45歩

と動かれるかもしれません。この時に金銀が離れているのが不安です。
33角成同桂44角には39角

取り合いにはできず、58飛46歩同銀42飛

45歩44飛同歩47角

これは後手にさばかれてしまった図です。

45歩に同桂としてどうか。

77角成同金寄39角27飛26歩47飛

これは互角なのですが

それよりは39角に66角

で勢い飛の取り合いでまあまあでしょう。

ならば後手は角を打つ前に45銀同歩65桂

なのかもしれません。駒損になるわけではないですが、穴熊の堅さが目立ちます。


△ ならば68銀と引いたほうが隙がないです。

ただしこう引くと、72金引24歩同飛同飛同角23飛46角

37桂と跳ねているのがマイナスで、飛交換の筋は成立しなくなります。

ですから飛交換は忘れてもっと駒組みをすることになります。

銀を引いたので96歩くらいか。これからです。


△ 先に96歩でも良いわけで

後手から45歩と開戦する順は77同桂

と取れば45銀同歩65桂という反撃が消えていますから、39角66角のコースでまあまあ指せます。
あるいは39角に飛を逃げておくのもあります。(45銀同歩39角27飛26歩47飛25飛)



△か× 実戦では先手から45歩と仕掛けました。

45同歩と取らなかったのですが、33角成同桂66角

とすればまあまあ指せそうなのですが、32飛24歩65歩

23歩成から勝負というのが踏み込みにくいです。44角(77角は39角58飛22歩か)39角58飛46歩同銀42飛

で45歩に飛を切って47角というのは前に似た図がありましたが、後手よしです。

角は77に引いて

39角58飛22歩

互いに妥協してこれくらいの図ですが、先手から動いた割りにはうまくいっていません。

実戦は45歩を同銀と取ってもらえたので

45同桂同歩(には44銀65桂という変化もありました。そちらを選ぶべきかも)33角成同桂44角25飛

で飛交換では互角です。(25同飛同桂11角成37桂成)

ここから寄せ合い、となるはずでしたが後手玉にうまく迫る順がなくて受けに回って

がりがり攻められて悪くなってしまいました。最善を尽くせば難しかったのですが、受けるだけでは勝ちにくい将棋です。


△ 他には55歩として

43銀56銀と位をとることはできます。でも35歩26飛34銀

はやや失敗で、98玉36歩同飛25銀同桂同飛

という打開の筋があります。

だから56銀の前に26飛とするか、最初から26飛としてから55歩か、で72金引56銀

とすれば組めます。ここから96歩、66角~77桂、という駒組みです。慌てて45歩から攻めようとは思わないほうが良いです。


☆ まとめ
急戦向い飛車を思い出してください。24歩同歩同飛、と指すためには飛交換してもよいように32金と備えますね。振り飛車から24歩同歩同飛とするにはよほどの準備が必要なのです。穴熊で堅いから、といってもそれだけで成立するものではありません。
24同飛同角、で角が浮いてしまうこと、その時に金か銀も浮いているかもしれません。居飛車の角筋が通ていて45歩と仕掛けられて悪い、ということもあるでしょう。そういうものをクリアしないと成立しません。

問題図以前のことですが、この飛交換の筋は成立していませんでした。24角が浮いていて、23飛の時に自陣に引いたり29飛と打ったりするのでは失敗です。(飛が向き合って間に自分の駒があると損なもので、大きな駒が間にあればさらに条件が悪くなります。)
問題図だけだして、もう一回24歩と突きだせ、というのは意地悪かもしれませんが、一度失敗してもやり直しがきく場合はあるものです。つい25歩と謝ったけれど、取れば有利だったではないか、と思い出せばまた突きだしてみましょう。あるいは間に何手か入っていて、条件が整ったのでまた突きだせるようになった、といこともあるものです。
振り飛車の24歩同歩同飛というのはかなりリスクのある指し方なのです。

リスクがあればリターンがあるもので、謝らせて45歩で一気にさばく、というのが居飛車としては一番怖いです。だから待機するのが普通なのですが、どう待ってよいものか。
68銀は離れ駒を無くして無難な手です。(ただし24歩と突きだしにくくなります。)
96歩も無難な方です。
98玉は78の金も浮いてしまいそうでやや不安。
55歩と突いてしまえばかなり安心できます。そのあとは26飛~56銀という順が一番注意深いです。

実戦の45歩はかなり強気な指し方で、後手から45歩とされるよりも、自分から45歩と突いたほうが攻めやすい、というのは不思議ですが、時々出会います。ただし57銀が浮いているのでうまく指さないと危険です。
実戦の仕掛けは上手く指している感じなのですが、57の銀は成桂に追われることになってしまうと、穴熊の堅さが生きる展開になってしまいました。

感覚的には、後手が(24歩同歩同飛)無理をしている感じなので、自玉を固めて待っているのが正しいのでしょう。68銀を第一に考えますが、実は24歩が成立していました。

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