名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20171117

2017-11-17 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


定跡の類似形で大山先生の狙いはこれでした。
A 45同銀 B 32馬 C 55銀

第2問


まずはこの一手です。
A 78銀 B 48飛 C 22飛

第3問


流れを継続します。
A 41飛成 B 77銀打 C 77銀

第4問


気持ちの良い手です。
A 95歩 B 56歩 C 22歩

第5問


次の手の準備でした。
A 32歩 B 46飛成 C 38竜

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大山将棋研究(706);四間飛車に中央位取り(森安秀光)

2017-11-17 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171117
昭和58年2月、森安秀光先生と第24期王位戦です。

森安先生の四間飛車に大山先生は中央位取りです。

急戦の形ですが、12香~41飛で仕掛けられません、

のはずですが、大山先生は桂馬を跳ねて攻めてしまいました。銀で取って駒組みを続けるならよくある展開でしたが。

42歩同角を入れるかどうかということはありますが、どちらにせよ桂を損するのでこの仕掛けは駄目だということになっていたのです。(42歩同角が入っていて、22角成45銀同銀33角でさばかれて居飛車が悪い。)

飛車取りですが、56銀41馬33角で振り飛車よし、というのが79の銀が48にあるときの結論です。この場合は88銀で難しいと主張します。

森安先生は飛をぶつけて銀桂交換です。駒損ですが

馬を作れば両取りで悪くはないです。

99馬は88銀で嫌だと、王手銀取りの筋ですが、56馬43銀打66桂のほうが良かったかも。

駒損は消えました(馬得か)が、手順に美濃囲いにされては有利とは言えません。

31歩から角を使いますが、銀を埋められました。

そこから55角41飛成22角というのが信じられない手順です。少なくとも1手パスですし、飛車を成らせる人はいないでしょう。

手持ちの銀を打つのも少し損で(代わりの手は難しいですが)

端を受けられません。

大山先生は端を詰めて34桂、22歩狙いでゆっくり指せます。

銀と交換で駒得になりました。こういう長い終盤になると、小さな駒得でも大きな差になります。

竜2枚を引き付けて焦らせます。

まだ長いかと思ったら金の取り合いになり

あっという間に終わってしまいました。

大山先生が急戦の定跡を選ぶとはとても珍しいことです。たまには攻めてみたくなったのですかね。四間飛車のほうをもって気になる変化があったので、逆に試してみようということなのかもしれません。
わかれは振り飛車よしですが、森安先生の指し手が冴えませんでした。喜び過ぎて実は難しいから嫌になったのでしょうか。ダルマ流の粘りがなかったです。
互いに「らしくない」将棋でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:森安秀光8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5七銀(48)
16 7一玉(62)
17 5八金(49)
18 4三銀(32)
19 5五歩(56)
20 5二金(41)
21 5六銀(57)
22 6四歩(63)
23 3六歩(37)
24 8二玉(71)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 4六歩(47)
28 1二香(11)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 3七桂(29)
32 4一飛(42)
33 4五歩(46)
34 同 歩(44)
35 同 桂(37)
36 5一角(33)
37 2四歩(25)
38 同 歩(23)
39 5四歩(55)
40 同 銀(43)
41 2二角成(88)
42 4五銀(54)
43 3二馬(22)
44 4二飛(41)
45 同 馬(32)
46 同 角(51)
47 4五銀(56)
48 3七角打
49 1八飛(28)
50 5五角成(37)
51 3四銀(45)
52 6六桂打
53 同 歩(67)
54 5六馬(55)
55 8八玉(78)
56 3四馬(56)
57 7八銀(79)
58 3一歩打
59 4八飛(18)
60 3三角(42)
61 7七銀打
62 5五角(33)
63 4一飛成(48)
64 2二角(55)
65 3五歩(36)
66 2三馬(34)
67 4六龍(41)
68 4五銀打
69 4九龍(46)
70 4六歩打
71 5七金(58)
72 5五角(22)
73 9五歩(96)
74 5四歩(53)
75 9四歩(95)
76 9二歩打
77 3四桂打
78 同 銀(45)
79 同 歩(35)
80 同 馬(23)
81 4一飛打
82 4七歩成(46)
83 同 龍(49)
84 2二角(55)
85 3八龍(47)
86 2三馬(34)
87 4八飛成(41)
88 2五歩(24)
89 4四歩打
90 1三角(22)
91 4三歩成(44)
92 同 金(52)
93 同 龍(48)
94 7八馬(23)
95 同 金(69)
96 5七角成(13)
97 4四角打
98 8五桂打
99 3一龍(38)
100 投了
まで99手で先手の勝ち

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20171117今日の一手(その603);先に攻める

2017-11-17 | 今日の一手

20171117今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、OさんとSさんの対局です。形勢判断と、今回はこの先の構想をいろいろ考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。ただし1,2筋を攻められると堅くはないので割り引いておきます。
先手の攻め駒は76飛97角で2枚。
後手の攻め駒は33角1枚。44の銀を35に出て22飛35銀を使おうとしています。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として
後手が囲いの途中で棒銀での攻めをみせました。72銀~71玉では56銀とされると44銀を使いにくくなるという判断だったのでしょう。
後手のねらいは26歩同歩同銀だということははっきりしています。受けるか攻めるかという選択です。しっかり受けられるのなら良いのですが、そうでなければ囲いに手をかけていない後手玉を攻めたいです。


△ 受けるなら数の受けで28玉を考えます。

守りを強化しましたが、反面当たりがきつくなります。26歩同歩同銀なら追い返せます。同飛なら

26同飛同銀23飛17銀成同桂77角成

銀をもらっても77桂を取られてしまうので結構うるさい攻めです。21飛成に27歩同玉26歩

どちらで取っても44馬と引かれて16歩が残っていますから難しい勝負です。28玉16歩12歩で少し良いような感じではあるのですが。

他には95歩と攻められるのもあります。

95同歩同香96歩同香同飛77角成92飛成72銀

後手玉が62なので案外安定しています。攻め続けるなら94歩ですが、26歩同歩27歩同銀26銀同銀27歩同玉35桂

と厳しい反撃があります。これは後手が良いようです。

妥協して95歩には86角96歩94歩

のほうが良さそうです。26歩同歩44角96香に72銀

あるいは82銀か。端を攻めて香を渡すと玉頭攻めが厳しくなります。この図は難解でしょう。


× 強い受けは36歩で

26歩35歩27歩成26歩38と同金

ならばまあまあですが、

銀を取らずに26同と

のほうが困ります。28歩が厳しいので28歩と受けて27歩とこじ開けられて・・・竜を作られそうです。


× 56銀はけん制ですが

26歩同歩同銀45銀28歩

この歩を取ると17銀成でつぶれます。23歩29歩成48玉42飛34銀44角

銀の進出でけん制するのでは1手遅れているのでしょう。


△ 実戦は74歩と合わせて

74同歩同飛は横歩を取るつもりだったのでしょう。でも26歩同歩同銀

34飛の意味はなくなっています。28歩27歩同歩同銀成同銀同飛成28歩

つぶれはしませんが銀をさばかれ竜を作られては苦戦です。うまい攻めも見つかりませんでした。

74同飛では1手パスみたいなものなので、64歩ともう一つ合わせるべきでした。

64同歩同角26歩に91角成

27歩成同銀同飛成28香同竜同玉75銀

互いに飛を殺して互角ではあるのですが、先手からは63歩がありますから少し先手もちです。

64歩を取らないで72銀と受けたら

63歩成同金64歩73金65桂99角成73桂成同玉

これは後手の駒得です。攻め続けるのが大変なので後手よしではないかという図です。


○ 74歩は手順前後で、64歩を先にすべきなのです。

先手の持ち歩の関係で、今度は72銀で受けきりというわけにはいきません。手抜きで26歩は同歩同銀63歩成同玉27歩

27同銀成同銀同飛成64銀62玉65桂

手抜きはとがめることができます。

64歩は同歩しかなく

74歩同歩64角

で26歩に91角成という攻め合いを選べます。


○ 他には65桂と跳ねるのもあります。

99角成に73桂成同桂74歩

後手は歩切れです。82銀73歩成同銀同飛成同玉65桂

飛車を切って攻めてみると、62玉73銀51玉53桂成72歩62歩

先手玉に手がついていないので少し細い攻め(3枚の攻め)ですがまあまあ続きます。

なお、飛を切らないと74歩84銀64歩55馬

で攻めが続くかどうか、という図になります。

65桂に26歩なら

26同歩同銀56飛

44角53桂成同金同角成同角同飛成同玉31角

飛車を取れば後手の攻めが怖くないですから先手有利です。(42飛打には41金です。)


☆ まとめ

実戦だと28玉で受かりそうに思っても心細いです。相振り飛車で美濃囲いを選ぶときは速攻のほうが勝ちやすいでしょう。
後手は囲いの途中で攻めようと動いたのですから、それをとがめるほうが棋理に適っているという気がします。(囲いの途中だから飛角を渡すような攻めはできないでしょう、という主張も意味があるのですが。)守ろうとすると後手の15歩も効果を発揮してしまいます。

攻めるなら74歩か64歩か、を考えますが、74歩のほうが手抜かれにくいので64歩が先ではないか(手順前後を回避するためには厳しい方を後にするものです)と考えましょう。
単に65桂は香を取られるので跳ねにくいのですが、後手の歩切れがねらい目でした。同時に53の地点も狙っているので、単純ですが受けにくい攻めです。

先手玉の囲いは完成していると思って、少々無理でも攻めてみるほうが勝ちやすいものです。アマチュアでは昔からそうですし、ソフトの影響で細い攻めでもつなげる技術が洗練されてきています。ただしそのためには読みの力が必要です。
もしも読みに自信がなければ(感覚派ならば)、定跡を勉強して形勢が有利になるように心がけます。そこから自然に攻めていけばなんとかなります。

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