名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20171129

2017-11-29 | 大山将棋研究
先手番高橋先生の手です。
第1問


これが好位置になりました。
A 38飛 B 55銀 C 66角


今度は後手番大山先生の手です。
第2問


大山先生の好きな手は?
A 27角 B 54歩 C 45銀


また先手番高橋先生の手です。
第3問


後手のねらいを考えます。
A 54同銀 B 54同馬 C 65飛

第4問


どう攻めますか?
A 74金 B 62銀不成 C 37桂

第5問


これで勝ちになりました。
A 74金 B 72金 C 73金打
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大山将棋研究(718);四間飛車に天守閣美濃(高橋道雄)

2017-11-29 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171129
昭和58年5月、高橋道雄先生と第24期王位戦です。高橋先生は3度目の登場ですが、王位戦ということは、で確認すると、高橋王位誕生の年でした。そういえばこの年は谷川浩司名人、高橋道雄王位と若い世代が芽を出した頃でした。55年組が活躍し出したという頃です。(谷川先生は早くプロになったので55年組ではないのですが、高橋先生よりも年下で、年齢的には同世代でした。)

大山先生の四間飛車に高橋先生は天守閣美濃です。

急戦にしました。でも形は38飛としないで35歩、あるいは35歩同歩46銀と攻めるものなのです。

45歩を突かれると攻めがとん挫します。やむなく銀を引いて

大山先生の方から角を交換します。もしかすると高橋先生は普通に急戦するのが嫌で(相手が大山先生ですから)、わざとゆっくり角を交換する将棋にしたんでしょうか。

34歩を取り込んで銀を出ます。大山先生はこの銀が追いにくいのです。

54歩には44銀同金53角と強襲されそうで

27角は大山先生の好きな手ですが、64にくさびが入りました。

馬の作り合いで

高橋先生の27馬のラインが64歩55金とかみ合っているので作戦勝ちか。ここで大山先生の22馬の意味が解らなかったのですが

54歩。同銀同金同馬53銀、ではなくて、54同銀に45歩があるということだったのですね。なので高橋先生は銀で取れず

馬で取りました。これなら45歩に55金です。

大山先生は駒得でも、いつでも63に打ちこまれるので難しいです。まずは遠くから角を打ち

歩を垂らしてけん制します。

高橋先生は清算して決めに出ました。

飛車を走って十分なようでも攻めが重いです。大山先生の2枚の馬が働いています。

馬の守りの筋を止められました。何か攻めたいですが、57歩成では遅く、

金を打ちました。58同金同馬69金には76馬でけん制でしょうか。

だけど金を渡したので

金を打って即詰みでした。

投了図。

高橋先生の作戦勝ちのようでしたが、大山先生の馬作りで形勢不明のまま終盤です。58金と打って金を渡したのが敗着になるのですが、どうするのでしょうね。この図です。

いっそのこと69馬同銀79銀97玉88金で詰めろ。69馬同飛68金同飛同馬と渡したら危ない(詰みを考えてください、61歩62歩からならどうかも)から、69馬同飛68歩か67歩か。本譜は61歩62歩に58金が悪手になったのですが、もっと受けていたらどうだったか。
そういうのを並べて検討してみてください。棋譜並べでも終盤の読みの訓練になります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:高橋道雄5段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5六歩(57)
14 7一玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 2五歩(26)
18 3三角(22)
19 3六歩(37)
20 8二玉(71)
21 8六歩(87)
22 5二金(41)
23 8七玉(78)
24 6四歩(63)
25 7八銀(79)
26 4三銀(32)
27 5七銀(48)
28 7四歩(73)
29 3八飛(28)
30 3二飛(42)
31 4六銀(57)
32 4五歩(44)
33 5七銀(46)
34 6三銀(72)
35 2八飛(38)
36 2二飛(32)
37 4六歩(47)
38 同 歩(45)
39 同 銀(57)
40 8八角成(33)
41 同 玉(87)
42 4四歩打
43 3五歩(36)
44 7二金(61)
45 3四歩(35)
46 同 銀(43)
47 5五銀(46)
48 4三金(52)
49 4八飛(28)
50 4二飛(22)
51 6六歩(67)
52 2七角打
53 6五歩(66)
54 同 歩(64)
55 6四歩打
56 5二銀(63)
57 5一角打
58 4一飛(42)
59 1五角成(51)
60 3六角成(27)
61 4七金(58)
62 1四歩(13)
63 1六馬(15)
64 3五馬(36)
65 4六金(47)
66 1三馬(35)
67 2七馬(16)
68 2二馬(13)
69 6八飛(48)
70 5四歩(53)
71 同 馬(27)
72 同 金(43)
73 同 銀(55)
74 4三銀(34)
75 5五金(46)
76 5四銀(43)
77 同 金(55)
78 2七角打
79 5五歩(56)
80 4三銀打
81 5三銀打
82 5六歩打
83 4三金(54)
84 同 銀(52)
85 6三銀打
86 同 金(72)
87 同 歩成(64)
88 同 角成(27)
89 6四金打
90 4五馬(63)
91 6五飛(68)
92 1三馬(22)
93 3七桂(29)
94 3六馬(45)
95 4五歩打
96 6一歩打
97 6二歩打
98 5八金打
99 6一歩成(62)
100 6九金(58)
101 同 銀(78)
102 6六歩打
103 7八銀(69)
104 6七歩成(66)
105 7三金打
106 9三玉(82)
107 8三金(73)
108 同 玉(93)
109 7四金(64)
110 同 玉(83)
111 6四飛(65)
112 投了
まで111手で先手の勝ち


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20171129今日の一手(その609);技をかけに行くのは怖い

2017-11-29 | 今日の一手

20171129今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、NさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
仕掛けから見てみます。後手Fさんの角交換四間飛車で

自陣角を打って動きました。75歩55銀同銀同角66銀64角24歩同歩同飛23歩28飛に35歩

先手Kさんは銀交換にも銀を打ち、なるべく穏便に対応していますが、飛車は26に引いておけば35歩はなかったです。ただし後手がうまくいくかかどうかは微妙なところです。26飛36歩同飛に25銀

こんなところに銀を打つのは空振りだとひどいことになるのですが。35飛24歩というのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度ですが、先手は76の空間が気になります。少し後手のほうが堅いと見るべきかも。
先手の攻め駒は35飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は64角1枚。25銀が攻め駒だとは言いにくいです。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手Fさんは自陣角を打ち、交換した銀も中途半端なところに打ってしまいました。「技をかけに行った」わけです。形勢互角なのに技をかけに行くのはかなり怖く、多くの場合はとがめられる手段があります。問題図では76に空間があるので、無理にでも飛車を取りに行きました。これがうまくいくかどうか。
先手としては飛車を取られるまでに2手かかりますから、助けるか、捨てるか、選択権があります。どれが一番得かという考えどころです。


△ 歩を使う手から考えてみます。実戦は34歩と「敵の打ちたいところに打て」でした。後手の23金で

またも飛車取りを狙われます。この図なら33角と指したくなります。33同金同歩成44飛43と

34飛45飛(同飛もある)27角44と36銀

互いに素直に応じないと面白い手順がありますが、結局は飛の取り合いです。角金交換だけれど と金が残りますから良い勝負でしょう。

実戦は33角と打ちこまずに22歩

後手は22歩を取るのは利かされなので、勢い34銀同飛同金21歩成39飛

飛と銀桂の二枚換えです。ただし桂香を取られるので駒得は消えてしまいます。けれどこの局面なら76桂と打てば角を取れますね。だからまだ形勢は互角のはずでした。それを逃して

逆に76桂を打たれては負けでしょう。


△ 先に22歩なら

22同金は31飛成、33桂は34歩ですから、34歩25飛同歩21歩成39飛76桂

やはり飛と銀桂の二枚換えになります。実戦と同じようなことで、76桂を打てば形勢互角です。後手の左金の位置が34か32かという違いです。


△ 46歩もあって

飛車を助けようとしています。46同歩には43歩

がぴったりで、どう応じても飛車を助けられます。

46同歩でなければどうするかが後手は悩ましいのですが、例えば33金(飛詰めろ)で催促して、45飛同飛同歩

36歩48銀19角成76角

くらいでしょうか。良い勝負だと思います。


○ 次は角打ちを考えます。31角が一番厳しい手で

52飛に22歩33桂34歩

角を犠牲に飛を助けています。31金33歩成36歩43と51飛

36銀同銀同飛19角成42銀

飛車は取れます。ここで41金がうまい受けで51銀成同金左32飛成76香77桂打

と金と銀の交換くらいで、と金で金を剥がして2枚飛車で攻めていきます。まあまあ攻め手が続くので形勢互角でも先手が勝ちやすいかもしれません。


× 他には56角と打てば

後手は45飛あるいは角を防げないので飛車は助かります。31歩と打ったら45角~56角か18角でゆっくり指します。
33金で催促して、45飛同飛同角39飛18角

角を引いて桂を守ります。37角成同桂19飛成45角76香

角を打っての飛交換では先に76香(か桂)を打たれるのが厳しくなります。(46歩の変化のように、76角打でもいいから先に埋めておきたいのです。)


× 18角でも同じことでだめですが、さらに36歩

と打たれるかもしれません。ただし36同角と取って互角ではあります。


○ 76角あるいは65角と打ってみると

この角の筋は止められないです。34歩に32角成同飛45飛

後手は角だけなので飛成を防げません。飛を成れば桂か香を取れそうです。後手からの角の打ち込みには金を打って守ることもできます。
ということはの変化は先手有利です。


☆ まとめ

76の空間があいているので、9段目に飛車を打たれて76香あるいは桂の筋がかなり怖いです。けれど飛を取りに来られて、ちょっと困ったかなあ、という問題図でした。

角を打って飛を助ける(飛交換にする)56角あるいは18角はその理由でうまくいきません。

実戦の34歩~22歩、あるいは単に22歩で飛と銀桂の二枚換え、というのは受ける駒を手に入れられるので有力です。ただし飛車を打ち込まれて桂香を拾われる筋に無力なのですが、先手から76桂と打って角を殺せました。

それよりは角を捨てて飛車を助けるほうが、筋は悪いですが有力です。
31角から攻め続けるか、76角(あるいは65角)から角金交換で飛を成る順にするか。
筋は悪いのですが、飛を助けると後手が25銀と投入したのが空振りに終わります。攻めている間に駒損が消えて行くのです。

後手から見ると銀を打ったのに24歩と突いて手番を渡した問題図はかなり怖いです。
将棋は自分一人で攻めるよりも、カウンターで攻めるほうがはるかに勝ちやすいゲームです。戦力互角なら当たり前な気はしますが。

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